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プロローグっす

煌びやかな夜の街、新宿歌舞伎町。

新宿大ガードから靖国通りを東へ進み、明治通りをすぎて新宿一丁目北交差点を右折。

雑多なビルの混じった商店街を進んだ場所に、俺が働く店があった。


「あら~ん、お兄さんったらもうっ、まぁた来てくれたのねぇ~、ホラホラお洋服お預かりするわぁ~」


そう、ここは新宿二丁目。

知っている人は知っている、知らない人は知りたがらない、オカマバーなる店である。


『マダム・エリーゼ』

店の外見はハッキリいって怪しい。

紫にライトアップされたピンク色の店といえばいいだろうか。

正直言ってマトモな精神の人間はそれだけでご遠慮願いたくなる外見だ。


どうしてこうなった!?


と、自問自答したくなるが…まぁこれは俺の容姿からある種『こうするしかなかった』のだと理解して欲しい。


『俺はいたってノーマルだ!』

まずは先に宣言させてもらおう。


なにはともあれ、問題は俺の容姿にある。

埼玉におわす我が両親、ある意味イイトコ取りしてしまった遺伝子のいたずらのお陰でここにいる。

つまり、簡単に言うと…俺は非常に中性的…、いやもうこのさいハッキリいってしまおう、つまり、女にしか見えないのだ。


ローティーンそこそこにしか見えない、謎の生命体、オヤジ。

そしてそのオヤジにぞっこんラブ(死語か?)で寝とった女、歌舞伎町でも有名なホステス嬢、通称『姫』がデキちゃった婚。

そのデキちゃったのが俺である。


背は低く細身、手足はすっと長くて、でも長いのは足で胴体はちんまい。

これで背が高かったらモデル体型だったろう。

そして顔…俺のコンプレックスの根源だ。

すっと細い頬のラインの小顔で、母親譲りのキリリと涼やかな二重の目。

口唇はふっくらと若干アヒル口。

そこから紡がれる声は(変声期が何故かこなかった…)少年然としたハスキーボイス。

そして誰もが目を引くシミのない白魚の肌。

髪は烏の濡羽色、一切の癖がないストレートだ。

いやね、あれだね、これが俺じゃなかったら自分で自分に惚れてるね。

自分だってわかってるから、なんか無性に腹が立つ、っていうかウザイ…。


再び、どうしてこうなった!?


「カレンちゃーん! ご指名よぉん!」

「はぁ……、ハーイ! ママ3番さんにハイボールとおつまみ、っと今行きまーす!」


そして今ここにいるカレンちゃんこと、文倉夏蓮ふみくら なつはは絶賛バイト中であり…


「おーうカーレンちゃーん、お・しゃ・く・たのむよぉ~~ん」

(ぎゃーーっ!)


『自分の金は自分で稼ぐべし!』

という我が家の家訓を守るべく、というか学費以外を全部自分で稼がないといけないから否が応でも働かねばならなかった。

寮の費用、電気ガス水道の光熱費、遊興費から生活必需品までのもろもろ。

つまり…俺の立場はまさしく苦学生のそれなのである。

一刻も早く家を出たかった俺が、ただのアルバイトで家から出られるわけもなく、

都心部などの大学を選んでしまった弊害がこの現状なのだ。


…………………………………………

………………………………

……………………

…………


と、まぁここまでの話から、この物語が俺こと文倉夏蓮のオカマバー体験記だとか、

この困った外見から起こるドタバタ大学生活ハートフルコメディだとか、

アッー的な男の娘の物語になるだろうと思っている視聴者諸君。


その考えはまったくの否――――――――

間違っているぞ!


あくまでここはプロローグ。

『地球で生きていた頃の俺』を知ってもらいたい。こんな奴だったんだ、というのを留めておきたいだけの場所。

『現在の俺』を形作る、その雛形を説明するためだけの文章に過ぎない。


だって、今の俺は女のような男ではなく…、

本当に女になっていたのだから…。


あーまぁーそのなんつーか、もうね、二度あることは三度あるっていうし一応言っておきますよ?


再三の、どうしてこうなった!?


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