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プロローグ

 今年の夏は、彼らにとっても鬱陶しいくらいに暑かった。


「っだぁ。なんだなんだ、最近流行の地球温暖化ですか。アンタは仕事しなくていいのによ……」

「冗談言えてるんだからまだマシじゃないの……うち死にそう」

「死ねよクソ姉貴。そしたら二酸化炭素減るだろ」

「んじゃ、ちょっくら死んでくるかね……」


 その暑さは、人間の思考をどうしても『そちら』へ向けてしまう。


「うーみー! 海行きたい! イルカさんと泳ぎたいの!」

「僕に言うなよ……ただの中学生が、どうやって妹と一緒に海に」

「いーくーのー! 行くったら行くのー!」

「……僕が折れるしかないのか……?」


 当初こそ、その方向性は特に間違っていなかった。当初の話である。


「ヤロウの目がウゼぇったらありゃしない。あたいはヤだよ」

「美人の余裕、って奴ですか……姉妹でここまで違うのも珍しいと思いますよ」

「それよか、あたいはやっぱり『アレ』が良いね」

「……そう来ると思ってました」


 話がずれ出すと、雪だるま式に膨れ上がっていくのが常というもの。


「どうせだったら、マジモンなところの方が面白いよな」

「遊園地のアトラクションでも涙目になるお前が言うのか?」

「うっせ。暑いから良いんだよ」

「そういうもんかねえ……」


 決定打となったのは、一体なんだったのだろうか。


『いやぁ、今年の夏も暑いですねえ。佐々木さん、そちらはどうです?』

『こちらはとても気持ち良いですよ! なんたって、日本有数の海水浴場! 涼しくないわけがない!』

『うわあ、羨ましい限りです。……ところで佐々木さん。私、ちょっと小耳に挟んだ話が』

『ん? なんでしょうね。気になります、が……菅原さんの表情が、少し怖い気も……』

『ええ、これからの話には、その表情が必要でして……』

『……と、言いますと……?』

『心霊スポットですよ、佐々木さん』


 ただのしがない、普遍的な地方番組だったはず。ただそれだけ、のはずだった。


「へぇ……海水浴場の近くにある心霊スポット、か。どうよ姉貴?」

「どうせ女の子の水着目当てでしょ……あー、でも、うちも泳ぎたくはあるかな」


「心霊スポット……は、どうなんだろう。なあ、由香?」

「ゆ、由香はお化けなんて怖くないもん! 平気だもん!」


「あたいは後半戦、ってわけか。前半戦頼むわ」

「泳ぐ気ないですよね、そりゃ……あなたと違い、私はあまりスポーツは得意じゃないんですけど」


「視線が釘付けぇ~。なに、別にこのレポーター可愛くもないじゃん?」

「……マジなのかな、あれ」


 理由、過程がどうであれ、結果は出たらしい。出てしまったらしい。

 つまり。


「はは。今年も『犠牲者』続出、ってか」

「テレビ局も分かってやってるのか……悪趣味ですよねえ」


 夏も中盤。暑さも真っ盛り。

 こんな時期にお似合いなのは、やはりプールや海。

 そこでみんなと遊んだら、一度ここへ足を運んでみてください。

 開けてはならない、禁忌の扉が、あなたを待っていますよ。


 今日も、太陽の光は鬱陶しいくらいに眩しく光っている。



ホラーは初挑戦&驚きの34分クオリティ(笑)です。駄文もいいところ。

とりま、プロローグは何も考えずに、全て指が動くままに書きました。むしろこれ設定。ここから話を作っていくことになりますので、興味がある方はよろしくお願いします。

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