33.革命の終焉、そして新たな使命
その日、憲一は愛車である軽バンの助手席にグルリンを乗せ、イベントが行われる公園へと向かっていた。グルリンは助手席で上機嫌にスマホを操り、今日のイベントの告知をしている。
動画配信は大きな手応えがあった。ルーキーが解説する超限戦の動画は、回を追うごとに視聴者を増やし、グルリンのフォロワーたちによって瞬く間に拡散された。その結果、次第にタケシが流す偽情報の影響力は失われ、今では誰も見向きもしない、**廃れたコンテンツ**になっていた。
憲一は、すべてがこのグルリンと、彼女のフォロワーたちのおかげだと分かっていた。情報戦という未知の領域で、自分一人では何もできなかっただろう。そんなわけで、最近はすっかりグルリンに頭が上がらなくなった憲一は、今日はドライバーの役を仰せつかったわけである。
「楽しかったでしょう?」
グルリンは、満面の笑みを浮かべて憲一に尋ねた。彼女にとって、それは退屈な日常を打ち破る、スリリングなゲームだったのだろう。憲一は、その笑顔に安心しながらも、どこか不穏な予感を拭いきれずにいた。
「掃除屋」の新たな使命
公園に到着した憲一は、グルリンを車から降ろすと、彼女が撮影を終えるまで周囲の様子を警戒することにした。タケシからの脅威は、もはや情報空間にはなかった。憲一の「掃除屋」としての直感が、危険が現実世界へと移行していることを告げていた。
憲一は、公園のベンチに座り、グルリンの楽しそうな撮影風景を遠くから見守っていた。その横顔には、新たな「掃除」への決意が宿っていた。タケシを、そして彼を利用した某国の目論見を、この町から完全に「掃除」する。それが、彼の新たな使命だった。




