表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
掃除屋の憲一、基地の街の風景  作者: バッシー0822
超限戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/37

23.タケシの影

ルーキーが「タケシ」という謎の人物の存在を突き止めた後、エージェントのジョンはすぐさま行動に出た。長年の繋がりがある**公安**の裏ルートを使い、タケシの身辺情報に探りを入れたのだ。公安には、先日の一件で、ジョンには大きな「貸し」がある。通常では手に入らないような個人情報も、この状況では比較的容易に手に入った。


数日後、ジョンは憲一の事務所に現れ、ルーキーが作成したレポートをテーブルに置いた。


「タケシのプロフィールが徐々に明らかになってきた」


ジョンが口を開いた。彼の報告は、憲一の予想以上にタケシの人物像を鮮明にしていった。


タケシ:絶望と選ばれた思想


「本名は**佐野武志さの たけし**。22歳。今年の春に都内の三流大学を卒業したばかりだ」


ジョンは続けた。「卒業後、大手企業への就職を目指していたが、ことごとく失敗。何十社もの不採用通知を受け取り、**社会への強い絶望感と閉塞感**を抱えるようになったらしい」


憲一は黙って耳を傾けた。タケシのような若者が、社会のひずみの中で埋もれていく現実は、決して珍しいことではない。だが、それが彼を過激な思想へと走らせる引き金となったのだ。


「そんな時、彼は偶然にも、ロケット弾じいさんたちの活動に触れた。彼らが語る、基地への徹底抗戦、政府への不信、そして、何よりも『世の中を変える』という古いながらも力強い思想が、絶望していたタケシの目には、なぜか**目新しく、そして希望の光のように映った**らしい」


ルーキーが付け加えた。「ネット上の情報を見ると、タケシは大学時代から独学でITやメディア操作について学んでいた形跡があります。特に、SNSを通じた情報拡散や、画像・動画編集のスキルは素人離れしていますね。じいさんたちの活動に、彼の技術が加わったことで、一気に影響力が増したと考えられます」


憲一は、タケシの背景を聞きながら、複雑な感情を抱いた。彼は単なる悪人ではない。社会の歪みが作り出した、哀しい「兵器」だ。だが、その哀しみが、この町に新たな混乱をもたらしているのも事実だ。


「そして、最も厄介なのはここからだ」


ジョンは声を潜めた。「公安の調べで、タケシが最近、某国の**シンクタンク関係者と接触していた**という情報も浮上している。直接的な資金提供や命令系統はまだ掴めていないが、超限戦の一環として、彼が利用されている可能性は極めて高い」


憲一の目の前に、タケシという若者を通して、某国の巨大な影がより一層明確な輪郭を帯びてきた。彼の「掃除」は、もはや単なるトラブルの解決ではなく、一人の若者の心と、国家間の見えない戦争という二つの側面から、この町の平和を守る戦いへと変貌していた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ