22.基地の町の超限戦(下)
数日後、憲一はいつもの喫茶店でエージェントのジョンと向かい合っていた。憲一は、町で起きている異変、特に「R」のシールに仕込まれた危害についてジョンに報告した。
「どうも、ただのデモじゃなさそうだ。誰かが、じいさんたちを唆して、もっと過激なことをさせようとしてる」
憲一の言葉に、ジョンは静かに頷いた。彼の表情は、いつになく真剣だった。
「君の言う通りだろうな。我々も、最近の彼らの活動には注目している。どうも、以前の組織の残党か、あるいはそれに連なる新たな動きがあるようだ」
ジョンはそう言うと、隣に座っていた若い兵士に目を向けた。その男は、かつて憲一がトラブルを処理した、あの**飲酒運転事故を起こしたルーキー兵士**だった。彼は、以前のどこか頼りない雰囲気は影を潜め、引き締まった表情をしていた。
「憲一、彼を覚えているか? 彼は、兵士になる前はITに詳しい変わり者でね。今回の件で、彼のスキルが役に立つかもしれないと思って連れてきた」
ルーキーは、憲一に軽く会釈した。
「早速だが、ルーキー、君の出番だ。じいさんたちの活動、そしてネット上の動きを徹底的に調べてくれ。特に、最近彼らの間で、妙に統率の取れた動きがあるという情報も入っている」
ジョンの指示を受け、ルーキーはすぐに持参したノートPCを開き、高速でキーボードを叩き始めた。彼の指が画面を駆け巡る。数分後、ルーキーの顔に、確信めいた表情が浮かんだ。
「ジョンさん、憲一さん。これを見てください」
ルーキーが画面を憲一たちに向ける。そこには、ロケット弾じいさんたちの活動を支援する、これまで見られなかったSNSアカウントやウェブサイトの分析結果が表示されていた。
「じいさんたちの間で、最近急に発言力を増している謎の人物がいます。ネット上では匿名ですが、活動の計画や、情報発信の指示を出しているようです。どうやら、**『タケシ』**という名前で暗躍しているみたいです」
ルーキーの言葉に、憲一の目に鋭い光が宿った。新たな敵の姿が、ついに明らかになったのだ。




