表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
掃除屋の憲一、基地の街の風景  作者: バッシー0822
ドローン戦編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/37

12.潜入、そして沈黙



憲一は、高橋実咲となった田中ユミを、危険な組織のビルへと送り出した。表向きは、ユミに単独で行動するように言い含めたが、実際は気が気ではなかった。彼は、ユミがビルに近づくのを、少し離れた場所から隠れて見守っていた。


「何かあったら、すぐに連絡しろ。無理はするな」


憲一は、出発前にユミにそう言い聞かせた。そして、彼女の手に一冊の**聖書**を握らせた。「困った時に開くといい。心の支えになる」。ユミは不思議そうな顔をしたが、言われるがままにそれを受け取った。しかし、その聖書の背表紙には、憲一が密かに仕込んだ**超小型ドローン**が隠されていた。万が一の事態に備え、内部の様子を探るための最終手段だった。


ユミがビルの入り口をくぐり、自動ドアの向こうに消えていくのを、憲一は固唾を飲んで見守った。彼女が建物の中に入ると同時に、憲一が密かに持たせた**マイクからの音声が、プツリと途絶えた**。


「……っ!」


憲一は、思わず息を呑んだ。これは、彼らが徹底した**防諜対策**を施している証拠だ。電波遮断か、あるいは高性能なノイズキャンセリングか。いずれにせよ、内部の状況は、もはや外部からは窺い知れない。


憲一の額に、冷たい汗が滲んだ。彼は人知れず、深い緊張に包まれていた。ユミの安全、そして彼女が持ち帰る情報が、これからの「掃除」の行方を左右する。彼は、軽バンの運転席に座り、ただひたすら、ユミからの連絡を待つしかなかった。基地の不穏な空気、某国の影、そして今、危険な組織の内部へと送り込んだ一人の女性。憲一の「掃除屋」としての仕事は、これまでになく、複雑で危険な局面を迎えていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ