教本
大渦凪14歳。
SNSのプロフィール欄を打ち込んでいた私はこの先に悩んでいた。
『なっちゃん見てみて!
私のフォロワー、ついに1万越えたよ!!』
SNSのフォロワー数はクラス人気に比例する。
小学校からの友達に告げられた言葉は下校した今も頭から離れなかった。
中学から携帯を使えるようになった私はSNSデビューが周りより少し遅かった。
「そんなに面白い?」
私には皆が熱狂するような面白さが良くわからなかった。
もしかするとフォロワー数が10人程度だからなのかもしれないけれど、フォロワー数の増やし方はやっぱり良くわからない。
皆が面白いと思って発信してる事が、そもそも私には面白くないのだ。
私はプロフィール欄を書き込む事を止め、古本屋から買ってきた本を読むことにした。
『完全〇殺教本』
なんでも一時期社会問題となった本らしかった。
教本を開く、そしてすぐに閉じた。
パッと開いたページが赤く染まっている気がしたのだ。
―――あれ?
でも、この教本を売った人は生きてるよね?
それに漫画に出てくるキャラクターがこの教本を愛読しているという設定だから私も買ってみたんだった。
読んだからと言って死ぬわけではない。
そう思うと何だか大丈夫な気がしてきた。
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ちょっとダークなお話が2話から始まります。
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