痒がる子供達
目下、最大級に私の頭を悩ませていることがある。
それは、子供たちのアトピー性皮膚炎に対する対応だ。
先週くらいから、ケンタの痒がり方が度を超えているのだ。眠りにつく前に痒がるのは以前からだったが、寝てからも夜中に痒くて目が覚めてしまうのだ。
「ママー、かゆいよー。たわしでこすってよー」
「まずはトイレ行こう。それからたわしでこすろうね」
「うん、トイレも行きたかったんだ」
「さあ、ケンタは今日いっぱい運動して疲れてるからすぐに眠れるよ」
私はケンタを安心させるように、ぎゅっと抱きしめながら、背中をたわしで優しく擦る。
このタワシは、肌あたりの優しい手作りのものだ。自分で背中を擦れるように棒付きのものを買ったのに、ケンタは自分ではうまく擦れないと言って、いつも私に頼んでくる。寝入りバナと違って、5分も経たないうちにケンタの寝息が聞こえてきた。
ホッとしたのも束の間、今度はにゃんスケだ。
「ママ、こすって!」
「はいはい、どこがかゆいのかな?」
「足の後ろ側」
にゃんスケの足をたわしで擦っているうちに、私の意識が落ちていった。
ケンタは2歳を過ぎた頃から手の甲を掻くようになっていた。それから皮膚科にお世話になっているのだが、地元の皮膚科は対処療法しかやっていないので、塗り薬を処方されるだけだ。
私はマクロビオティックを学んでいた頃、ひと月だけ動物性食品を抜いてみたら顔の吹き出物が綺麗になくなったので、もしかしたらケンタも食べ物が原因かもしれない。そう思うと、すぐにでも食事制限をしようと思うけれど、普段でさえ食べ物の好みがうるさくて、私が作るご飯も好きなもの以外は手をつけないのだから、食事制限なんてしようものなら、何を食べさせたらいいのかと、実行する前から途方に暮れているのだ。
でも、ケンタは真面目だから、お医者さんに言われたらどうだろう。
ちょうど最近目についたのが、遅延性食物アレルギーというものだ。巷では、グルテンフリーという言葉をよく耳にするが、グルテンも遅延性アレルギーの原因の一つらしい。
そういえば、うちの家族はパンが大好きで、毎朝パンにオリーブオイルとメイプルシロップをたっぷりつけたものがケンタの大好物だ。よく食べるものほどアレルギーの原因になりやすいと聞いたことがある。私はチーズが大好きなのだけれど、食べすぎると顔や首に吹き出物が出て、かゆくなる。もしかしたら、私もチーズアレルギーかもしれない。
そんなことを考えながら、遅延型アレルギーの検査をしている病院を検索していたら、検査費に保険が効かないので高いということも分かった。医療費にあんまりお金をかけたくないんだよな。
でも、原因不明の痒みを抱えて熟睡できないケンタがどれだけの負担を負っているのか考える。
隣で寝る私も、ボリボリかきむしる音で目が覚めてしまうので、ぐっすり眠れることがない。
熟睡できないので朝起きても疲れが取れていないのはケンタも私も同じだ。
こんなストレスも解消されるなら、治療なり食事制限なりで根本的に治すことができれば、安いものかもしれない。
今晩、夫が帰ってきたら、目星をつけた病院のホームページを見せようと決めた。