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under 500 Ⅱ

目を逸らそうとしない赤ちゃんたち

大人たちが、今日も淡々と通りすぎる。


こちらに目を向けず、商品だけに目を向ける。


それもそうだ。


ここはスーパーマーケット。


野菜や果物、鮮魚や精肉。


惣菜やお菓子などを、目的に来ているから。



それでいいんだ。


それがいいんだ。


あまり注目されたくない。


だから、僕には合っているんだ。



こちらも、美味しそうな惣菜に目がいく。


ずらっと並んでいて、かなり悩む。



ふと横を見ると、赤ちゃんがこちらを見ていた。


ベビーカーから、真顔で僕を見つめていた。



赤ちゃんは、食材目的ではない。


ここに、食べ物目的で来ていない。


だから、僕に興味があるのだろう。



前からそうだ。


前から僕は、赤ちゃんの視線を、独占しがちだった。


ベビーカーが、あっちを向いていても。


こっちに振り返ったりする。


そんな日常だった。


今日も、それをされた。



大人に凝視されたら、怖い。


だけど、赤ちゃんだから、悪い気はしない。



僕は、大きなメンチカツを見ていた。


ずっと、見つめていた。


美味しそうで、美味しそうで。


ずっと、見つめていた。




そうか。


やっと、分かった気がする。


僕は赤ちゃんにとって、メンチカツなんだ。


メンチカツのような、存在なんだ。


そう思ったら、少し嬉しくなってきた。

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