ジョン・ボビー
ミルクレープ、はがして食べてしまう。
産声と悲鳴をあげて
絶望の孕から 手をのばせ
誕まれて間も無くを 理由にするなら
誕まれてこのかたに 終わるだろうぜ
祈りと 願いと 望みを 織り成して
ミルクレープ 繋ぎのクリームに
いったい なにを練りこんだんだか?
いち枚ずつひっぺがして たしかめる
無粋なやつらのケツ
蹴りあげる爪先は尖らせとけよ
踵との両刃を振り子にしたら
地を這うブランコが高くまで弧を描く
見ときな こいつが生き様だ
抱擁の腕をかいくぐって
石楠花のベッドのシーツをひったくって
白と 黒との 立体交差点に
悪名を刻んだ札 ぶらさげてら
見とけよ もうじき死に様だ
生命短し 燃やせよ炎と
知ったふうな口をきくんじゃねえぜ
死にぞこなった老木の枝にゃあ
ひよっこどもが羽を休めることもあろう
ひんまがった その幹と
剥がれ堕ちた その樹皮の奥に
なにが覗けたんだか
おれには 耳打ちしてさえくれなかったけど
それからってものは
ただの一度も
老木はひょっこだなんて
あいつらを笑いやしなかったのさ
生き様と 死に様との 立体交差点をくぐる
ちいさな翼のことを もう二度と
悪名を刻んだ札をぶらさげた
白と 黒との 立体交差点をくぐる
ちいさな翼のことを もう二度と
ちいさな翼のことをもう二度と
ぜんぶ。いちまい、いちまい、はがして食べたりはしませんよ(苦笑)