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生きる彼等に成敗を  作者: あの時の塩分
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笑顔以外の表情

突然現れた3人は、そのままラピスのほうに歩み寄ってくる。街の男たちはラピスを守るように、後ろに下がらせた。

「そんなに警戒しないでくださる?私はそこの踊り子さんとお話したいだけなの」

にこやかな笑顔の彼女の瞳は一瞬鋭くなった。

「僕に一体なんの用だい?踊りの感想なら先程の拍手で十分だよ」

数年前の出来事があってから、見知らぬ人が街に居ることにどうしても恐ろしさを感じてしまう。できる限り早く彼等に立ち去って欲しかった。

「貴方、こんな廃れた街で踊ってるのが勿体ないわよ」

「いい加減、こちらの質問に答えてくれないかい?」

我がもの顔でこちらを見てくる彼女に少し苛立ちを覚える。こういうタイプは苦手なんだ。

「ああ!これは失礼致しました!」

ぱっと彼女は後ろに下がり、ぺこりと頭を下げた。

「私はニア。旅をしています。後ろの2人はカナとサナ。」

その後ろで長髪の男性が「サナでーす」と手を挙げた。すぐさま短髪の男性がその頭をはたく。

なにやら気が抜けてしまう光景を見せられ、ラピスの隣にいたマキはなんだ此奴ら、と呆れていた。

「出身はマトラニア。人を探してここまでやってきたの」

「マトラニア!?」

街の人々はざわつく。それもそのはず、マトラニアは首都の次に大きな街。第二の都市とも呼ばれる街だ。

「そっ…そんな都市から何故…?ここは首都からも他の街からも遠く離れた街だ。昔聖地として栄えていたとはいえ…!」

「?廃れたとはいえ昔聖地として栄えていたことに変わりはないじゃない」

訪れることは悪いこと?とニアは首を傾げる。

「それに言ったじゃない。人を探してここまで来たって」

ニアはそう言いながらニアはきょろきょろと辺りを見渡す。

「今この場には居ないのかしら」

「一体誰を探してるんだ?」

街の男の問いかけにニアは思わぬ人物の名を答えた。


「レイラ・ローレンスよ」


自分の顔が一気に引きつったのがわかった。


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