7桶目
狼曰く、どうやら俺の作った剣とか防具からヤバい雰囲気溢れ出て、しかも俺自身からも莫大な魔力ダダ漏れでビビり散らかしたらしい。
この世界では人間族は魔力ほとんど持たないみたいで、人の見た目しながらあそこまで魔力放ってるのは只者ではない、との判断らしかった。
そんなこんなで我が家にたどり着いたんだけれども、入口に刺さってるミスリルの剣見てまた驚いていた。
『主さまよ、ここに1人で住んでるのですか?』
「まぁそうだけど、ボッチ乙とか言うなよ」
『ボッチオツ? それはともかく我もここに住まわして貰っても良いでしょうか。もちろんタダでとは言いません。主さまの力には及びませんが、我も長らくこの森で長をやっていたもので多少腕には自信がありますゆえ。この周辺の管理など任せていただけませんでしょうか』
「この周辺の管理?」
『この森全て我々の縄張りでした。現在は主さまのものになったのですが、お見受けした限りだと主さまはまだこの森に来て浅いようで』
「なるほど、勝手知ったるお前達が今まで通り管理した方がやりやすいわけだな」
『はい、恐縮ながら』
「ならそれでよろしく」
『よ、良いのですか。ありがとうございます』
「ちなみに何匹くらいいるの?一族って」
『ざっと500匹程です』
え、この大きさの狼が500匹も。やばくないかそれ。
『ああ、我は一族の長として一般の狼よりも大きくほかの狼共は1.5m程であります』
「なるほど」
それは良かった。
良かったけど、その500匹がここに住むのか?
「ここ、そんなに広くないけど500匹も入るかな」
『いえいえ!我らの主たる貴方さまの住まいに住まわせてもらうなぞ滅相もありません。我らは今まで通り且つ主さまの邪魔にならぬよう森にて過ごします』
「そうなの? ならお前だけうちに住むという事か」
『はい、恐れ多いのですがやはり主さまに直接使え下のものに指示などある場合や、下からの報告もすぐ出来るのでここに住まわせていただきたく思います』
「なるほど、なら部屋広くしなきゃな」
『家、ですか。我は外でも大丈夫なのですが』
「いやいや、せっかく一緒に暮らすんだし」
そう言って俺はちゃちゃっとリフォームする。
『……』
終わって狼の方を見ると口をあんぐり開けて固まっていた。
ぐるるる
やべ、朝からいろいろ魔力使ったからか空腹度が一気に加速してきたきがする。
『主さま、もしや空腹で?』
「ここ一週間以上何も食べていないな」
『い、一週間ですか!これはいけない、ちょっと失礼します』
そういって狼は飛び出していった。
せわしないやつだ。でも見た感じ銀狼みたいで、毛並みもよくてもこもこな奴だった。
帰ってきたら少しモフらせてもらおう。
暇になったし、銭湯の中の備品とかも作っていくか。
配水系は終わったし、排水系をどうするか、だよなぁ。
どこかに大きな川あればいいんだけど、もちろん浄化はしますよ。
とりあえずちゃちゃっとあとはお湯張るだけで入浴できるまでは仕上がった。
お湯を張るのは排水系統を作ってからだな。
そうこうしてるうちにあたりが暗くなってきた。
『主さまーーー』
遠くから狼の声が聞こえてきた。
ドドドドド
その後ろに数匹の通常サイズの狼も引き連れて、しかも各々何か咥えている。
ドサドサドサッ
俺の目の前についた狼たちは口にくわえていたものを並べて見せてくれた。
なになに。
魚、果物っぽいもの、鹿っぽい何か、猪っぽい何か諸々。
「まさか」
『はい、主さまが空腹とのことでしたのでお口に合うかはわかりませんが急ぎ食料を……ただ我々には調理するというすべがないので、申し訳ございませんが……』
そう狼(大)は、申し訳なさそうに食料を差し出してきた。
「そんなまさか!とてもありがたいよ、ありがとう」
『ありがたきお言葉感謝します』
「わふわふ」「ふがふが」「わふ」
そう狼(大)がいうと、後ろの狼(並)も嬉しそうに尻尾を振っていた。
犬みたいだな。
「ところでその後ろの狼たちは話せないのか?」
『はい。我だけが人語を話せます。他の狼は理解こそできますがお恥ずかしながら話すのは無理です』
「なるほどわかった。にしても本当にありがとう。ちょっと調理するからまっててくれ」




