33桶目
先日、エルに求婚されて、断るという事件があった。
それはさておき、という訳にも行かないのだがあの子はとてもいい子だと思うので、これからも色々とサポートすることにはなると思う。
にしても年齢幾つくらいなんだろうか。
あの見た目だと、そこそこ若い、それこそ10代半ばに見えるが、エルはエルフだからもしかしたら100歳超えてるかもしれない。
女性に直接年齢を聞くのは、この世界でも失礼にあたるのだろうか。
当たった場合は盛大な地雷を踏み抜くことになりそうだ。
よし、辞めておこう。
そして、やっぱりお互い気まずいのか、あれ以来、と言っても数日だが、エルの姿を見ていない。
問題は時が解決してくれる、とも言うしな。
さて、今日も日が傾いてきたし、番台に戻るか。
みんなそろそろ入りに来る頃だろうし。
最近は、朝風呂の受付、というか番台ごっこをして日中は雑用や周囲の探索、ゴロゴロしてから日が傾き出す頃に番台に戻る、というリズムになっていた。
ご飯も、簡易食堂を銭湯に併設したので、朝昼夕食の時間になったら、当番のエルフ達がご飯を作ってくれるようになった。
実は、通貨も導入した。
以前アリアに渡した貴金属の代金で、かなりの通貨を貰ったのだ。
一応、従業員という事もあるので、皆には給料を渡すことにした。
その提案をしたら、銭湯入るのにもお金払います。
と言い出したので、食堂も作ってく市場経済の真似事を始めてみた。
ユキは通貨の価値を知らなかったので、その辺にいたエルフを捕まえて聞いてみた。
エルフも、街には行かないので大体の価値しか分からないらしいのだが、日本円にすると大体こんな感じみたいだ。
白金貨=1000万円
金貨=100万円
小金貨=10万円
銀貨=1万円
大銅貨=千円
銅貨=500円
小銅貨=100円
粗銅貨=10円
10円以下の価値観は無いらしい
ただ、ここで問題がでた。
貴金属の支払いに当てられた金貨も貴金属、という話だ。
早い話、貨幣の質量的数字を小さくするために、メインは白金貨で支払われたが、膨大な端数は大銅貨をメインに小銅貨が山のように。
色的に、全て新規発行された硬貨らしい。
ちなみに、貴金属が使われているからと言って鋳潰すと、死刑になる。
仕組みはよく分からないが、硬貨を発行している貨幣局の極秘術式で誰であろうとバレるらしい。
銅貨に関しては、地金の重量と価値がほぼイコールなので、鋳潰す手間を考えると明らかに損、それに店頭でも重さを計って会計をすることが多いので、偽造しようとする概念自体あまりないらしい。
と、まぁそんな具合なので入浴に関しては銅貨1枚で1日入り放題、食事も1食銅貨1枚にしてある。
ちなみに給料は時給銅貨3枚、日給銅貨45枚だ。
前世で考えると日給2万超と超高待遇だが、正直それだけ払っても銅貨の山は減る様子もない。
それに、近々貴金属を買取に使者が来るはずなので、また銅貨は増える。
富の一極集中は良くなさそうなので、バンバン還元しまくる所存だ。
元は、俺の能力だって?関係ないさ、寂しかった一人暮らしも今や小さな集落位まで騒がしくなった。
もし、エルフ達がこの集落(と言っていいのか分からないが)を出る時、お金に困らないようにしてあげたいしね。




