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大賢者の番頭  作者: 柚希 翠
32/38

32桶目 閑話 エルの回想 大きくなる

お父さんは目を覚ますや否や、私達が騙されていると大騒ぎして、お前たちの目を覚まさせてやる!と意気込んで、朝から飛び出していきました。


昨日の事を色々と思い出して、今更ながら感動しています。


この、楽園のような建物はなんなのでしょうか。


ちょうどいいです。

あの人間さんに話を聞きに行こうと思います。

そう、族長の娘として、助けてくれたお礼を言わなきゃです。


そう言えば、お父さん出てきいましたけど、まさかあの人間さんの所に……?


それはまずいかもです。

昨日考えた作戦を早く実行しなければ。


でも、既成事実を作れるならそれはそれでいい気がしてきました。


なんせ、こんな凄い所に住んでいるのに、一切威張らず私達を助けてくれたいい人なんですよ。

命の恩人に精一杯のお礼を。


「あの、私あの人間さんにお礼をしに行きたいんです」


「そうだな。族長はああ言っているが命の恩人に間違いはない。それにあの湯浴み場、セントウとか言うらしい。あれは本当に気持ちがいい」


「あの人間様なら、悪いようにはしないだろう」


「サルミさん、それでいいですか」


「そうね。私も嫁いできた身、言いたいことはわかるわ。でも、娘の意見は聞いてちょうだい」


サルミ・フォレスティア


私のお母さんの名前です。


私には話の流れがよく分かりませんが、みんなの視線が私の方を向いていることはわかります。


私の話、ですよね。

どうやら、私が寝ている間に、大人達だけで何か話したみたいです。


ちなみに、里のなかで1番年下なのが私です。


「お母さん、どういうことですか」


「エル、怒らずに、悲しまずに聞いてね」


そうして話された内容は、私があの人間さんの元に嫁入りする事、断られたら身体を使ってでもなんとしてでもお礼をして、エルフ達との間を取り持つこと。

そのような内容でした。


お母さんも、違う里から恩を返すためにお父さんの元に嫁いできた身らしいので、その辛さはわかる、だから私には出来れば行って欲しくなかった、そう言っていました。


私は、二つ返事で承諾しました。


承諾したとき、ちょっと騒ぎになりましたが、なにせ私が自分で考えてた事と同じような事でしたので、これで下手に根回しする必要無くなりましたしね。


「ちょっと湯浴みをしてきます」


「行ってらっしゃい、エル。お湯に浸かると気持ちいいわよ。嫌なら帰ってくるのよ」


「大丈夫です。お母さん、今までありがとうございました」


「エル……」




それにしてもこのセントウとやらはなんなのでしょうか。本当に気持ちがいいです。

朝から入るのはアサブロと言うらしいのですが、これはこれは、ぼやけていた頭がスッキリしてきました。

このまま溶けて、お湯になりたい。



ああ、そうでしたそうでした。

すっかり忘れそうでしたが、身を清めに来ていたんでした。

早く上がって、あの人間さんの所に行かなければですね。

ああ、それにしても気持ちがいい。




ええっとですね、結果は惨敗でした。


初めてのアサブロを経験して、結局お父さんがやらかしたあとで、それでも勇気を振り絞って覚悟を告げると、あっさりと流されてしまいました。


何故でしょうか。

私のことが魅力に感じないんでしょうか。

お母さん、言っていたことと違います。


ちなみに、お父さんがやらかしたのを知った瞬間に、私に族長の権限が移りました。

民主主義、と言うらしいのですが、多数決で全会一致でした。

お父さんには同情、出来ませんね。

ほんと、大賢者様の心象が悪くなったじゃないですか。


その後、私達を近くに住まわせてくれる為に自ら建材を用意してくれた大賢者様、本当にお優しいです。

族長だから、ということもあるんでしょうが、私ともよく話してくれるようになりました。


そして、これはここに来てから次の日、お父さんがやらかした時にわかったことなのですが、やっぱりコウ様が作ったものらしいです。


魔力も膨大、モノを作る時の魔力の動きを見ていると本当に楽しいです。


そして、色々家が出来て、従業員というものにならないかと言われ、これからも近くに居ることが出来ると分かった私は、早まってしまいました。


色々と仕事を聞いて、優しくでも厳しく教えて貰ううちに舞い上がってしまい、あるタイミングであろう事かコウ様を誘惑してしまったのです。

私の勘違いなのです。


恥ずかしくて死にそうです。


そして決心しました。

コウさまを心から振り向かせることを。


これからも大好きです、コウさま。

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