19桶目
フェンリル<私の出番が……(´・ω・`) ⤵⤵
妾の名前は、アリア・ドラコニア・アクアライト。
この国の王をしておる。
この魔王国ドラコニアでは実力主義じゃ。
故に、魔王たる妾はこの国最強ということで間違いない。
個人の強さは、種族と生まれ持った固有魔法で決まるのじゃ。
この話し方、疲れるから普通に話していい?
そう、ありがとう。
魔族、それ即ち魔法が使える種族の事なの。
魔法と言っても、御伽噺のようになんでも出来る訳でもないし、汎用性がある訳でもない。
例えば、炎を発生させる魔法や、水や氷を生み出す魔法。
土や植物を操る能力を持っている者もいる。
生まれ持った固有魔法はただ1つのみ。
ほかの魔法を使う事は出来ない。
声などと同じように、固有魔法という特徴が各個人にあるに過ぎない。
ただ、両親が強力な固有魔法の使い手だと、子供もその傾向が強くなるし、両親の系統に似た固有魔法を持って産まれてくるの。
要は遺伝するって訳。
だから自ずとその一族の社会的地位は固定されるの。
私も、代々魔王の一族だからこの強力な力を持って産まれただけ。
え?どんな固有魔法なんだって?
ただの火炎系魔法よ、ちょっと特殊だけれど。
んー、説明しなきゃダメ?
私ね、死なないの。
物質を炎に直接変換出来る魔法なの。
で、自分自身を炎に変換するとするでしょ?
そしたらあら不思議、どんな攻撃もすり抜けて触れるものは焼き尽くす、そんな身体に早変わり。
どう?
怖いでしょ?
怖くないの?
まぁそりゃ弱点あるけど、弱点をそう簡単に教えるほど私も馬鹿じゃないわ。
ここ数十年は人族との戦線も動きがなく、戦線以外では細々と貿易が続けられていたわ。
そんな中、フェンリルが森から出て村を襲っている、と言うじゃない。
そうそう、フェンリル、前はリルと呼んでいたわ。
今はユキだけどね。
不可侵の約束をしたリルが村を襲うなんて有り得ない、私はそう言ったんだけれども、まぁ頭の固い連中はね、この際森を攻めてしまおうと言い始めたわけ。
何とかなだめて、私が直接話をつけると形式上だけ軍を率いて森に入ろうとしたらリルに攫われたわけ。
リルったら、あんなに怒ってるの見たの先代との戦争の時以来だったわ。
おかげでちょっとだけもら……いや、なんでもないわ。
なによ。漏らしてないわよ。
そんな事実知らない。
軍には話してくると言って、キャンプ地を離れた直後だったから私が帰るまで、何も知らないはずよ。
お互い色々誤解があったようだけど、流石は大賢者様ね。
セントウとかいうお湯を溜めた湯浴み所を作ってしまうし、ほんとに気持ちが良いわ。
(私のその、ちょっとだけちびっちゃった時も、ワザとからかってその場をネタにしてくれたし。
私の事怖くないって言ってくれたし、顔も結構整っててその、カッコイイのよね。
それに、大賢者じゃないって言うけどこの世の中に物質を直接作り出す固有魔法持ってる人なんてそういる訳ないから、大賢者で間違いないわ。
でも、あんまりこう言うの面と向かって話すのは失礼だし恥ずかしいから、絶対言わないけどね。)
あんな力を持っているから、大賢者様にはなんのメリットも無いはずなんだけれど、不可侵条約を再締結の代わりに貴金属を取引してもらえる事になったわ。
とりあえず多めに綺麗な四角の形をした金塊を2つも後払いで持って帰れることになったわ。
次は最低限の傍付きだけ連れて訪れる約束して、今回は解放して貰えたわ。
ほんと、最初は殺されるかと思ったのに、いいお方で助かったわ。
所で私、誰に話してるのだろうか。
ま、いいわ。
早くこの面倒くさい書類を片付けてセントウに行くのよ。
アリア<仕事中に独り言が多いって、結構あるわよね?え?ないの?




