94、球技大会 (1986年文化の日頃から数日後)昭和61年 中学1年生
1986年秋、校内合唱コンクールが終わって数日後、クラス対抗球技大会が行われた。
男子がサッカーとソフトボール、女子がバレーボールとドッジボールが行われた。
ちなみに僕はバレーボール、三花ちゃんはサッカーに出場予定だ。
「三花ちゃん、バレーボール頑張ってね。」
「ありがとう、雄蔵さん。貴方も頑張ってね。」
球技大会の当日教室で言い合っていたらクラスメイトから、
「二人ともお熱いね。双子なのにまるで恋人みたいに振舞っていてこちらは焼けてくるよ。」
「三花ちゃん、俺達にも励ましてくれよ~。」
「そうよ、雄蔵さん。私達にも励ましの言葉をちょうだいよ。」
男子は僕に対し、女子は三花ちゃんに対しなんらかの励ましの言葉が欲しいと要求していた。
「男子の皆さん、頑張ってくださいね。ご武運をお祈りいたしております。そして女子の皆、頑張るわよ!」
「「「「「はい!」」」」」
僕が言うとクラス中の士気が上がった。
それに続き三花ちゃんも、
「女子の皆、怪我の無い様にプレイしてね。男子の皆頑張ろうぜ!」
「「「「「おう!」」」」」
三花ちゃんの言葉に対して更に士気が上がった。
まずは三花ちゃんが出場するサッカー、1回戦は3対2の接戦で勝ち進んだ。
そして僕が出場するバレーボールも接戦だった。
僕が穴だと思いスパイク攻撃が僕にめがけて幾度も飛んでくる。
そこを難なくレシーブをする。
最初相手チームは僕の胸部によりレシーブが困難かつ動きが鈍いと油断していて僕をめがけてくる。
そこを見返していくのがとても楽しい。
少し時間が過ぎて行くとサッカーをしていた三花ちゃん達男子チームも応援に駆けつけて来てくれた。
それにしても多くの観客と言うか見物人がいる。
後から聞いた話では、大体が僕目当てらしく体型に似合わず体操服にブルマ姿で縦横無尽に動き周り活躍する姿を目に焼き付けていたと聞く。
現に三花ちゃん達男子組も僕達の活躍で多いににぎわった。
「三花ちゃん、可愛いよな。同じクラスメイトで俺は自慢出来るぜ。」
「それを言うなら雄蔵も格好良いと思うぜ。」
「「「「「確かに。確かに。」」」」」
「それにしても三花ちゃん他女子の活躍の機会多いに目に焼き付けようぜ!。」
「特に三花ちゃんをだろ?」
「ああ!」
三花ちゃんに後から聞いた話だと、クラスメイトの男子達はこの様な会話をしてたと言う。
複雑な心境で聞いていたらしい。
そうして僕のレシーブ、トス等の活躍により第1回戦を男女共に突破した。
ちなみに他のソフトボール、ドッジボールも1回戦を突破したらしい。
続いてサッカーの2回戦。
今度は僕達女子側が男子の試合経過を観察した。
活躍する三花ちゃん。
ドリブルやパスで相手チームを翻弄し得点をもぎ取っていく。
「きゃあ~!雄蔵さん、格好良い!」
クラスの女子からの歓声が上がる。
おかげで2回戦も難なく勝ち進んだ。
そして僕が出場するバレーボール第二回戦。
相手チームもまだまだこちらの戦力把握が出来ておらず、案の定僕をめがけて攻撃が飛んできた。
そうは問屋が卸すか!
またもや僕は難なくレシーブ、トスをしてかわす。
たまにスパイクも決めたりして相手チームを驚かせていく。
まさか130cmの僕がスパイクしてくるとは夢にも思わず、相手チームの子達は茫然としていた。
そうこうしている内に僕らのクラスが勝利した。
次は準々決勝頑張らないと・・・。
変わって三花ちゃん率いる男子のサッカー組も難なく準々決勝、準決勝を勝ち進んだ。
そして決勝戦、接戦の激闘を制覇して僕達のクラスが優勝した。
拍手が鳴り響く。
「皆、おめでとう!」
僕は試合が終わったら一目散に皆に駆け寄り賞賛の言葉を投げかけた。
「三花ちゃんが応援してくれたおかげさ。もちろんクラスの女子達全員にも感謝だね。」
とあるクラスメイトの男子が言う。
「雄蔵さん、皆、おめでとう・・・。」
「ああ、三花ちゃんありがとう。」
「改めて優勝おめでとう!」
僕と三花ちゃんはグラウンドの中で思わず抱き合い喜びを表現した。
「あの・・・。2人の世界に陥っているけど皆の視線があるからもうそろそろこの辺で・・・。」
クラスメイトの話で僕と三花ちゃんは『はっ!』と気が付く。
そう言えばグラウンドのど真ん中で僕らは抱き合って喜びを分かち合っていた。
でも周りには先生方含め他の生徒達に囲まれている。
僕ら2人はかあっと頬を染めてお互いに離れてすごすごと教室に戻った。
後からクラスメイト達にこの事でからかわれたのは言うまでも無い。
何にせよ三花ちゃんチームのサッカーは優勝した。
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時間を遡って、僕ら女子チームのバレーボール準々決勝。
この頃には僕は要注意人物として僕へは穴として見てこず、他のメンバーを狙う様になってきた。
それでもレシーブ、トス、スパイクを駆使して僕達は勝ち上がり続けていった。
準決勝、決勝と観客も増え、僕への視線も多くなる。
決勝ともなれば接戦でなんとか得点をもぎ取っていった。
そして最後に運命的と言うか僕のスパイクで勝ち、優勝をもぎ取った。
「三花ちゃん、皆、おめでとう!。」
観客席や見物人から割れんばかりの拍手が沸き起こる。
ふと気が付くと三花ちゃん含めクラスの男子も僕らの接戦した試合経過を見守っていてくれたらしい。
多くの視線にさらされながら僕達のクラスのバレーボール組は優勝をした。
あと残るはソフトボールとドッジボール。
僕と三花ちゃんのチームが善戦して優勝する中、惜しくも両方共2位になってしまった。
驚くべき事に僕らのクラスは学校の歴史始まって以来の快挙を成し遂げたらしく、クラス皆の心に焼き付き記念として思い出となった。
『双子の様でまるで夫婦。』僕達への印象が強く残された球技大会となった。
教室で着替えている間、僕の下着と体操服、ブルマは汗でぐっちょりで今日の奮戦の名残りとして手持ち袋に入れた。
ちなみに他のクラスメイト達も汗で着替えるのが大変そうだった。
僕は替えのブラとショーツに着替えて、胸部の谷間にベビーパウダーを付けてあせも等にならない様にした。
家に帰宅し、風呂に入り汗を流して就寝した。
そうそう、優勝チームは試合に勝利した後、記念写真を撮影した。
現像が待ち遠しい・・・。
学校専属のカメラマンが各球技大会の様子を写真に収めており、後日写真が公開された。
希望する者には有料で焼き増しすると言う事で、僕と三花ちゃんが写っている写真が人気だった。
僕と三花ちゃんがグラウンドのど真ん中で喜び合って抱き合っている写真も人気があったと聞く。
何だか恥ずかしい限りだ・・・。
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