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90、顔出し解禁 (1986年4月上旬)昭和61年 中学1年生

 1986年4月上旬、遂にユニット『ユー&ミー』の顔出し解禁の日が来た。

とある歌番組に登場する事になるのだが、今から緊張している。


 ≪雄蔵さん、大丈夫?≫

 ≪ああ、三花ちゃん。落ち着いていられないよ。≫


 楽屋で待ち構えているのだが、この日の為に用意されたステージ衣装。

司会者の方への挨拶は済ませている。

 

 『へえ~、ユー&ミーの中身はこんなにも可愛い子と美青年だったんだね。

今日はよろしく頼むよ。』

司会者の方の言葉が思い出される。


 ちなみに他の出演者の方へはシークレットという事で変わりにマネージャーが差し入れと共に挨拶してくれていた。


 そうして本番が始まる少し前に僕らにお呼びがかかり、舞台袖に待っていた。

司会者の番組開始の合図と共に番組テーマ曲が鳴り響き、名前を呼ばれた歌手達が続々とスタジオに階段から降りてくる。


 「続きまして最後に、今話題の謎ユニット『ユー&ミー』の登場です。」

司会者が言うと、それを合図に僕と三花ちゃんはスタジオの中へ階段を降りていく。


 それを聞いた観客、既にスタジオ内にいる他の出演者の方々がこちらを注目した。


 「恰好良い~。」

 「可愛い~。」

 「なんていうダイナマイトボディーなんだ。」

等々歓声が沸き起こった。


 今日の衣装は2人とも白を基調としたステージ衣装であり、微笑ましく観られていた。


 「今日はよろしくお願い致します。」

僕と三花ちゃんはペコリとお辞儀をして挨拶をした。


司会者が各出演者に対し声を掛けていく。遂に僕らの順番が来た。


 「やあ、初めまして、かな?歌声は昔から聴いていたけど、こんなに恰好良いのと可愛い子が登場するとは驚きだよ。」

 「ありがとうございます。」

 「でもなんで顔出し厳禁だったのに解除したの?」

 「その話はおいおいと・・・。」

 「楽しみにしてるよ。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 出演者と司会者が会話をして歌を歌う。

その様な番組構成であった。


 「では皆さんお待ちかね。ユニット『ユー&ミー』のお二人です。」

司会者が番組を進行させる。


 「皆さん、初めまして。私達はデビュー後からしばらく顔出しNGにしていましたが、中学生になったのを機会に顔出し厳禁解除しました。どうかお見知りおきを。」

三花ちゃんが言うと、僕は横で顔の右下あたりで軽くカメラに向かい手を振った。


 「ちなみに『ユー&ミー』の由来は何だい?」

 「はい、『ユー』は彼『ゆうくん』の『ユー』。『ミー』は私の『みかん』の『ミー』から取っています。皆さん、覚えて下さるととても嬉しく思います。」

 今度は僕が返答する。


 「さっきから気になっていたんだけど、とても言いずらいのだけど、その・・・、重たくない?」

「え?何の事でしょうか?」

 「またまた・・・とぼけちゃって。そのダイナマイトボディーの中心。女性の象徴たる部位の事だよ。」

 「はい、重たいですね。」

 「今日の放送でファンが相当増えたのではないのかな?」

 「だと嬉しく思います。」

 「そろそろ歌のスタンバイに入ろうか。」

 「「はい。」」


 司会者と雑談をしてから時間が来たので歌う準備に入る為に、いったん画面から離れる。


 「では『ユー&ミー』のお二人に歌って頂きましょう。曲は〇〇。」


 そうして2、3分程歌う。カメラ目線を意識する感覚を思い出し、情熱的に僕と三花ちゃんは唄った。


 「ありがとうございました。また来週。」


 僕らがとりだったので歌い終わって番組が終了した。


 後日聞いた話ではTV局に僕らの事の問い合わせの連絡が多数あり、大変反響を呼んだらしい。

そうして学校でも・・・。


 「君達が謎のユニット歌手『ユー&ミー』だったんだね。」

 「確かに言われて見れば、ユニット名から君達が推理出来るね。」

等々、反響が多く昨日のTVの僕達を観た。という生徒達で僕らの教室の前に人だかりができた。


 「皆さん、教室に戻って下さい。」

先生の声が聴こえて皆退散していく。


 昨日は家でもすごかった。

事情を知らない兄達が僕達に詰め寄り聞いてきたからだ。


 『なあなあ、妹、弟が実は芸能人だったなんて。僕全然気が付かなかったぞ。なぜ隠してたんだい?』

 『話すと秘密が漏れてしまうかと心配したものだから・・・。お兄様方ごめんなさい。』

 『いや、いいんだ。僕がその立場になるとそうするかもしれないからね。』


 昨日の家での情景を思い出す。


 これからますます忙しくなる。頑張らないと・・・。 






閲覧していただき誠にありがとうございます。


m(_ _)m


面白い、続きが読みたいとお思いの方はお手数だけど、

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面白ければ☆5を。つまらないとお思いの方は☆1を。

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