79、初詣と巫女装束 (1978年元日~)幼稚園年少組
1978年元日、僕達鏡原家は初詣に来ていた。
ここは前世で高校で知り合う事になった『華野舞』ちゃんのお父さんが宮司をしている神社だ。
とてもご利益がある事で有名で、多くの人々が参拝、または祈祷しており大変混みあっていた。
行列に並び参拝への順番を待った。
≪ねえ、三花ちゃん。前世での高校の時の巫女さんのアルバイトで巫女装束を着て色々手伝いしていた事覚えてる?≫
≪もちろん覚えてるわよ、雄蔵さん。≫
≪巫女舞踊れる?≫
≪まさかここで踊れと言う事?私、外見は雄蔵さんなのよ?周りに変な目で見られるわ。≫
≪あはは、冗談。冗談。僕の外見は三花ちゃんだから変な目では見られないだろうけど、身体が覚えてるよ。≫
≪久しぶりに巫女装束着たいわね。≫
≪うん、そうだね。子供用の巫女装束は無いのかな?≫
≪祭儀用の子供用巫女装束が有ると思うわ。今度お父様に頼んでみましょうよ。≫
≪そうだね。『善は急げ』という事で早速頼んでみようか。≫
僕は脳内で三花ちゃんの魂と念話していて、そこに丁度巫女さんが数人通りがかった。
「ねえ、お父様巫女装束格好良いと思いませんか?」
「三花、突然何だい?藪から棒に。」
僕はお父様に問いかけた。そこに雄蔵である三花ちゃんからのサポートで、
「お父様、三花ちゃんなら巫女装束似合うと思いますよ。確か子供用があるはずです。」
「雄蔵も突然どうしたんだい?三花の巫女装束見てみたいかい?」
「はい、お父様。」
「僕も、僕も。三花の巫女装束とても見てみたい。とても似合うと思うなあ。」
お兄様達も賛同してくれた。
お父様と三郎をおんぶしているお母様は少し考えて話し合い答えてくれた。
「三花、君の憧れはとてもわかる。だけど着付け等解らないだろう?とても似合うと思うけど。」
「三花ちゃん、誰しも可愛いと思う衣装が有ると思うわ。でもお父さんが言う通り着付けはどうするの?」
「それは多分着付けの仕方の紙が入っていると思います。それを参考にして着ればいいのではありませんか?」
「着付けなら僕も手伝うよ。」
「女の子の着替えに男の子が入るのは駄目よ。それならお母さんが着付けてあげる。」
「本当?やった~!購入してくれるのよね?」
「ああ、三花の何事にもチャレンジの精神を見込んで購入しよう。」
「お父様、お母様、ありがとうございます。」
「僕からもありがとう。」
「三花がお礼を言うのは分かるがどうして雄蔵もお礼を言うのかい?」
「いえ、僕は三花ちゃんにとても似合うと思い賛同していて嬉しかったからです。」
「何事も感謝の気持ちは大事だよ。」
そうして、僕と三花ちゃんの頼みで子供用の巫女装束を購入してもらう約束をしてもらった。
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そうこうしてる内に、僕達の参拝の順番が来て『十分にご縁が有ります様に。』と15円と100円の計115円を賽銭して2礼2拍手して願い事を念じて1礼してその場を後にした。
願い事は多岐に渡り有りどれもが叶う事を信じたい。
参拝が終わったら次はおみくじタイム。100円を入れておみくじを1つ手に取り中身を読んでもらった。家族全員『大吉』で運が良かった。
次に縁起物を購入した。
目の前に巫女さんが対応している。どこか昔を懐かしがんで巫女さんを視ていた。
「お嬢さん、どうしたの?私に何かついてる?」
巫女さんが僕に対し聞いてきた。
「いいえ、巫女装束とても似合ってると思いまして・・・。」
「あら、ありがとう。お嬢さん。」
巫女さんと別れた後、帰る道中で参道脇の露店でトウモロコシやお好み焼き等購入して帰宅した。
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それからしばらくして家に巫女装束が届いた。
早速お母様に手伝ってもらい巫女服を着込む。
巫女装束に着替えた後、家族全員で写真を撮って記念として残した。
巫女舞はいずれ大きくなってからの楽しみとしてとっておいた。
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