77、芸能界への道 (1977年冬) 幼稚園年少組
1977年冬、音楽のレッスンの先生が来られて僕と三花ちゃんはピアノと歌のレッスンを受けた。
今世で先生に出会ってはや1年余り。ピアノ、歌の腕は2人とも見る見る内に上達していった。
「ミーちゃんに、ユー君。君達にとても嬉しい報告があるよ。」
「「え?なんでしょうか?」」
「実はね、この前君達のピアノを弾きながら歌を歌うのを録音したのは覚えてるかい?」
「「はい。覚えています。」」
「それでね、知り合いの芸能事務所に持っていき、皆で検討した結果2人に歌手デビューしてもらおうと言う話になったのさ。」
「「わー、すごい。」」
「で、芸名とかで何か頼みたい事とかある?」
音楽のレッスンの先生からの驚きの言葉。再度の芸能界入りのチャンスが訪れた。
「先生、お願いが有ります。私達はまだ幼い身、顔出しNGで活動させてもらいたいのです。
後、芸名も三花をもじって『みかん』、雄蔵をもじって『ゆうくん』にして下さいませ。
ユニット名は『ユー&ミー(ユーアンドミー)』にして頂きたいと思います。」
僕は三花ちゃんと相談して、この案を述べた。
「『ユー&ミー』、『あなたと私』か・・・。うん、いい響きだね。
ちなみに『ユー』は雄蔵君、『ミー』は三花ちゃんの愛称だよね?」
「「はい、そうなります。」」
「いいよいいよ。顔出しNGと言う事は謎の存在としたいのだよね?理由を聞かせてもらってもいいかい?」
先生が尋ねると、今度は三花ちゃんが、
「僕達はまだ幼い身。そう言う理由もありますが、謎のユニットとした方が神秘性もあり話題になると思うからです。」
「そうだね。君達はまだ4歳まだまだ世間の評判を浴びるのは厳しいかもしれないね。分ったよ。
その案を持ち帰って検討してみるよ。他になにか有るかい?」
「出来れば先生の今までの曲も唄いたいと思います。いわゆる『カバー曲』と言う物です。」
「カバー曲と言うと既存の曲を君達で歌いたいと言うのかい?」
「はい、そうなります。大変厚かましい申し出に成りますが、人気のある曲を別の人が歌う。もちろん著作権等にはちゃんと考慮致します。例えば最初は先生の今までの作品等で出してはいかがでしょうか?」
「う~ん、それも持ち帰って相談するよ。今日は君たちへのサプライズ情報、喜んでもらえたかな?」
「「はい!大変嬉しく思います!」」
「では次回のレッスンの時に報告するね。でもその前に君達のご両親にこの事を報告させてもらうね。本人達の了承を得たから説得しやすいと思うけど・・・。どうなるかわからないよ?」
「「はい。覚悟の上です。」」
「ではご両親と話が有るので今日のレッスンはこれで終わりにするね。」
「「はい!ありがとうございました。」」
ペコリとお辞儀をすると先生は、
「まさに双子歌手として売り出したいのにな・・・。2人とも可愛いからすぐに人気が出ると思うけどな・・・。では失礼するよ。」
先生がピアノの置いてある防音室から退出された。後は両親と話をする予定。どうなる事やら・・・。
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「『ユー&ミー』いい響きですな。歌声も素晴らしいし、ピアノの腕も上出来だ。
本当にこの子達は4歳なのかい?まさに天賦の才を持ってるよ。」
「確かにそうですな。確か『カバー曲』を出したいと言ったそうですな。音楽業界で他人の楽曲を歌うその理由は何かな?」
「まあ簡単に言えば、我々がカラオケを歌ってそれを商品化する様な物でしょうかね?」
「簡単に言うが可能かね?それにしても『著作権を大事にする。』いい常識を持った子達だ。」
「ではユニット名は『ユー&ミー』、芸名は『みかん』と『ゆうくん』だったかな?で、顔出しNGだと。それで皆さん決定しますが良いですかな?細かい事は追って相談という事で。」
「ちなみに2人の両親は快諾してくれました。そうかお願いします。とも言われています。」
これはとある芸能事務所での一コマ。僕達のデビュー計画は着々と進んでいた。
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