60、正月三が日 (1992年1月上旬)高校3年生
1992年三が日、僕は舞ちゃんのお宮にいて巫女装束で活発に動いている。
去年の巫女特集で僕の巫女服が好評で参拝者も多かったのが更に増えた。
今年のアルバイトは僕だけ出ており、親友3人組は今回は見送った。
理由は高校3年生なので受験を控えているからだ。
『僕は将来どうしたいのだろうか?このまま進学?芸能界1本に絞る?』
実際問題として各学校からはありがたい事に推薦状が届いており、ぜひともわが校へ。
と言うのが高校に届いている。
いわゆる、有名人を入れてわが校を有名にしたいと言う考えらしい。
前世での遊び呆けてろくに勉強していなく親に迷惑を掛けていた反省から、心を入れ替えて猛勉強している。
テスト問題もテスト範囲がちゃんと言われる為に勉強を欠かせない。
普段は高校が終わったら芸能界活動していたけど、高校3年でも仕事量を減らしてもらい受験勉強に力を入れていた。
おかげでなんとか成績は常に上位にいる。全国模試テストでも好成績を収められた。
今は巫女のアルバイトに集中しないと・・・。
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「あの『みかん』ちゃんと一緒にバイト出来るなんて光栄です。」
「今年もよろしくお願いしますね。」
「「「「「はい!」」」」」
去年と一昨年の見覚えのある方、新規の方。それぞれが再開を喜びあった。
舞ちゃんの指導の下、新人教育に僕も参加して巫女装束の着付け、作法、巫女舞の仕方、接客の仕方等々を指導した。
「「「「「ありがとうございます。」」」」」
「よく覚えておいてくださいね。」
「「「「「はい!」」」」」
新人教育に教える立場として参加していると、初めて巫女装束着用した事、教わった事等思いだされた。
ところ変わって境内の掃除をしたりして過ごしたりして本番の三が日を迎えた。
1991年の大晦日の特番に出場してその足で舞ちゃんのお宮に行った。
それから朝も早いので舞ちゃんのお宮の一室を借りて寝泊りした。
そうして1992年0時の合図と共に行列が出来ていた参拝客が参拝をする。
僕は朝に控え就寝していたが、『みかん』ちゃんはどこだと一部参拝客が言っていたらしい。
そして朝6時頃に目覚めて洗顔と朝食を摂った後歯磨きをして、巫女装束に着替えて準備を整えた。
まず僕は祈祷の巫女舞を踊る重要な役になり、一心不乱に舞いをした。
祈祷に来た参拝者の方々も僕の存在に気付いたが、厳粛な場では大きな声を上げる事が出来ず心の中で多いに喜んだと言う。
参拝、祈祷志願者と長い行列が出来て大盛況だった。
どこからか僕の存在に気付いた祈祷した方々からの口コミで僕目当てで祈祷する方が続出した。
間近に僕と触れ合う事が出来ると言うのが理由らしい。
休憩時間になり一休みしてから今度は接客係になると、より一層お客様が来られ商品が売れて行った。
売れていく反面、少しでも長く僕と接したいと言う参拝客もいて整理係の方々がスタンバっていたのでなんとか行列になるのを防いでいた。
「立ち止まらないで下さい。」
「購入されたら速やかに場所を開けてください。」
等々。
そういう事で無事三が日が過ぎ、簡単な打ち上げ会が行われた。
僕が来た事により直近3年間は賽銭額や購入額諸々が増額したみたい。
だけどアルバイトの人員も一層増やしたのでとんとんとなるらしい。
「皆さん、お疲れ様でした。今年もありがとう。」
宮司である舞ちゃんのお父さんの挨拶があり、各自に封筒を配られた。
「ありがとうございます。」
そう言って僕は封筒を受け取った。
「皆さん、落とさない様に注意してくださいね。」
「「「「「はい。」」」」」
皆の返事が重なっていた。喜びが伝わってくる。
「『みかん』ちゃん、よかったら来年以降もアルバイトで来てくれないかい?」
舞ちゃんのお父さんが言う。
「お気持ちは分かりますが、来年以降は来れるかどうかは今は断言出来ません。ごめんなさい。」
僕が申し訳なさそうに返事をすると、
「いや、いいんだ。こちらのわがままだからね。君が来てくれてから話題性で参拝客が増えた。
来年以降も維持出来るととても嬉しい。」
舞ちゃんのお父さんが心の中を吐露してくれた。
「ありがとうございます。その様に言っていただけるのはとても嬉しく思います。」
僕も来年も来たいと思う。でも芸能界と進学を控えている今どうしようか考えあぐねていた。
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