57、生徒会長職と芸能界活動の両立 (1991年秋頃)高校3年
次期生徒会メンバーを決める生徒総会が行われた。
各自薦、他薦の候補者が立候補演説をする。
その様子を現生徒会長の僕並びに生徒会メンバーが壇上の横の椅子に座り見守る。
他の学生は体育館の床に座っている。
各候補者は『僕が、私が、自分が当選した暁には・・・。』等の公約を論ずるのに熱弁を振るっていた。
聴いていて成る程と言う公約もあり、参考にさせてもらおうかと思う意見もあった。
選挙管理委員会の主導の元、投票が行われ次期生徒会メンバーが選出された。
僕の任期は2学期まで。3学期になると受験シーズンで交代する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
仕事も忙しい毎日を過ごしている。
歌や司会、ラジオ等々、レギュラー番組を何本も抱えており、なんとか売れっ子子役として活動していた。
「今日は人気絶頂の『みかん』さんにお越しいただいてピアノ演奏していただく予定となっています。
みかんさんどうぞ。」
司会に紹介されてスタジオに僕は入場した。
「皆さんこんにちは。みかんと申します。今日はよろしくお願い致します。」
ぺこりとお辞儀をする。
「まずはみかんさんは6歳の頃からピアノをしているとか。」
「はい、正確に言うと物心つく前からなのでもっと前からだと思います。
下手の物好きというのでしょうか下手なのでお聞き苦しいかと思いますがこの後よろしくお願い致します。」
「なかなか謙遜されるのですね。聞くところによると中学、高校の文化祭、学園祭ではピアノ演奏に魂がとてもこもっていて情熱的だったと聞き及んでいますが?」
「その様な噂があるのでしょうか・・・。まあ頑張ってみます。」
「ではみかんさんにピアノを弾いてもらいましょう。曲は〇〇です。準備の程どうぞ。」
「はい。」
僕はピアノの前に行き椅子に座って、鍵盤の上に両手を添えて背筋を伸ばして深呼吸をする。
そして一心不乱に曲を奏でる。
3分程の曲を魂を込めて弾く。熱が入り身体が自然と動く。
パチパチパチ。
曲が終わりスタジオ内で拍手が起こり、僕は曲の終了と共に冷静さを取り戻した。
「この様な感じですが、いかがでしたでしょうか?」
僕が問うと司会者は、
「素晴らしい演奏でした。まさに天使が舞い降りてピアノを奏でていましたよ。」
「ありがとうございます。」
「情報では○○先生に師事を受けていると聞きましたが?」
「それは秘密です・・・。」
「あらあら、はぐらかされましたか。」
僕は唇の前に人差し指を当てて、『内緒』のポーズをしただけだが、可愛いなどと言う反響があった。
その後も話が続き、放送時間一杯になった。
「みかんさん、今後の活躍期待しています。」
「ありがとうございます。」
「では番組終了となります。皆さんまた来週。」
「皆さん、またね。」
無事番組が終わり、後日放送を観ていた方々からの『内緒』のポーズをして欲しいとリクエストが多数あった。
なんとか生徒会長職と芸能界活動を両立させている。
忙しい毎日だ。
面白い、続きが読みたいとお思いの方はお手数だけど、
下の星の所から評価をよろしくお願い致します。
面白ければ☆5を。つまらないとお思いの方は☆1を。
またそれ以外の方は☆4~☆2をお願いします。
またブックマーク、感想を記入していただけると多いに励みになります。
何卒よろしくお願い致します。
m(_ _)m