38、合唱コンクール (1987年)中学2年生
ある日の音楽の授業で各自、好きな歌もしくは楽器で演奏すると言う課題だ出された。
クラスメイトは歌ったり演奏したりとしていた。
僕の順番になり、ピアノを弾いた。曲はついこの間発売された人気ゲームソフト、クラスの皆がプレイしているので知名度も高いと判断したからだ。
曲を演奏していき、途中でテンポを遅めにする。聴いていたクラスメイトがざわつき始めた。
演奏している楽曲のテンポを変えたら別の曲になったからだ。そしてまた元のテンポに戻して弾いた。
「おいおい、この曲は実はあの曲のテンポ変えていただけとは・・・。」
「うんうん、知らなかったよ。」
クラスメイトの会話が耳に入った。
『そうだよね。僕もこの事実を知ったのはしばらくしての事だったのだから・・・。』
周りが驚愕の事実を知って驚くのも不思議ではなかった。
演奏が終わるとクラスメイト、先生から拍手が起こった。
「素晴らしい。鏡原さん、この曲は楽譜か何かで練習したの?」
「いいえ、耳コピになります。練習はしましたけどね。」
「鏡原さん、他にどの様な曲を弾けるの?」
「はい。色々ありますが少なくとも今弾いたタイトルの曲は一応出来ます。」
先生に問われ僕が答えていくとうらやましそうに見られた。
「では数曲弾いてもらえますか?」
「はい、わかりました。」
僕はタイトル画面の曲から順番に数曲弾いた。
聴く人にとっては完璧なゲームBGMのピアノ演奏であり魅了させていた。
「う~ん、今度の合唱コンクール鏡原さんを中心に編成していたけど、伴奏してもらうのも捨てがたいね。」
先生が言うとクラスの1人が、
「なら鏡原さんにピアノの伴奏をしてもらいながら歌って貰えばいいのではありませんか?」
「それは名案!乗った!皆さんの意見も聞きたいな。」
「確かに名案だけど、それなら鏡原1人の独演会でも開けるんじゃないの?」
「確かにそれもいい考えだね。今度校長先生に交渉してみるよ。」
あれよあれよという間に僕のピアノ伴奏と歌同時と言う話が決まった。
「で、問題は当の本人である鏡原さんは大丈夫なのかい?」
「はい、問題ありません。どの曲かにもよりますが・・・。」
「それは心配しなくても大丈夫。次回の授業時間で曲目を決めましょう。」
「「「「「賛成~!」」」」」
次の音楽の授業時間に曲目が決まり、各自の声質を先生が判定して男女2つずつ合計4部混声になった。僕はその楽曲の楽譜を貰い家で練習する。また、歌の練習も兼ねて行われ芸能事務所のピアノのレッスンの先生にとてもお世話になった。
「今度、三花ちゃんの学校の合唱コンクールに客としてでもいいから聴けないか交渉してみるよ。」
是非とも昔からお世話になっているピアノのレッスンの先生に来て聴いて欲しい。
でも叶うのかな?
結果、先生は来賓として学校側から正式に招待される事となった。
でもこの話はまだ部外秘。全校生徒には内緒にされており当日の驚く様がたまらない事と思う。
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合唱コンクール当日、体育館の一幕、全校生徒がざわついた。
「おいおい、本当かよ。まさか本人?」
「間違いない。写真と同じだし、ついこの間TVに出演していたのを観たから間違いないよ。」
校長先生に引き続き来賓として呼ばれた先生が挨拶をした後、合唱コンクールが始まった。
順調に進んでいき、次は僕らのクラスの番だ。
「続きまして、2年〇組、伴奏鏡原三花、曲は○○。」
パチパチパチパチパチ・・・。
拍手が鳴る。
僕のピアノの合図と共にクラス全員で一礼をする。
その後合唱した。僕もピアノを弾きながら歌う。
それは歌っていたクラスメイトを含め、聴いていた全校生徒達の思い出に残る一幕だった。
曲が終わり先生が一言、
「ブラボー!」
の合図で拍手喝采になった。
後日聞いた話では僕のピアノ伴奏と共に歌っている姿が熱が入りすぎていて鬼気迫る勢いだったらしい。
なんとか僕のクラスが優勝を獲得できたので、皆喜んでいた。
そうしてこの結果を元に僕の独奏会の話も本決まりになり、ステージ上で弾いた。
「三花ちゃん、良かったよ。」
「とても感動したよ。」
「ぜひまた機会を設けてもらい弾いて欲しい。」
等々感想を頂戴した。
この独奏会、合唱コンクールは記録としてビデオに収められている。
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