25、サインと写真集 (1983年以降)
だからこうなる事を恐れてた為、顔出しNGで活動していた。
演技にも力を入れる為に初めて顔出しした1982年大晦日の歌番組。
翌日から近所、買い物先諸々の僕への対応が違っていた。
『あまり目立ちたくない』
ただそれを旨に活動していた。
思えば歌声だけで騒がれていたけど平穏な日々だったのだと痛感する。
そして色々な芸能人の方々の気苦労がわかった。
「おはよう三花ちゃん。君があのみかんちゃんだったなんてね。」
「サインちょうだいよ。」
等々・・・。
「プライベートなので・・・。」
僕はやんわりとサインの申し出を断るが、その実思えばまだサインを決めていないかもしれない。
いや、ある事はあるのだが歌手用のサインなので事務所に許可を得てからの方がいいだろうとの判断だ。
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「社長、サインをねだられましたがどういう反応を示せばよかったでしょうか?
1人サインすると際限なくくると思ったのでやんわりと『プライベートなので・・・』と断ったのですが・・・。後、事務所の許可を得ようかと思いました。」
「三花ちゃん、君の言う通り1人サインしたら際限なくサインを求められるかもしれない。
まだ小学生3年生の君には負担になる事と思う。街中でのサインはしばらくは断ってもいいよ。
そのかわりCDを購入してね。とでも言えば良いさ。」
「大丈夫でしょうか?」
「そのかわりCDやカセットテープ、レコードにサイン引換券を同梱するよ。
ただし抽選だと文句や苦情が出るかもしれないから、サインの複製用紙なら応募者全員に出来るから安心してもいいからね。」
「はい。ありがとうございます。」
「身体が資本だから三花ちゃんも今の内に体力増進したらいいよ。
そう言えば三花ちゃんは運動は得意かい?」
「得意ではありませんが、小さい頃から水泳教室に通っています。
まだまだだと思いますが運動は好きな部類ですね。」
「よし、三花ちゃんの写真集を作成しようと言う案が以前からあってね、運動する三花ちゃんの姿を記録したいと思うんだ。いいかい?」
「写真集でしょうか・・・?一応この話を持ち帰り家族と相談したいと思います。」
その夜家族に写真集出版について相談した。
根回しのいい事に既に話は届いており、家族は賛成した。
「三花、写真集なんてすごいじゃないか。」
等々。
翌日事務所の社長に写真集出版の許可の返事をした。
すぐに準備がなされモチーフは『運動』なので、体操服とブルマ、スクール水着、レオタード等々に着替えて撮影した。
「いいよ、三花ちゃん。笑顔が素敵だよ。」
「そうそう、そのポーズ可愛いよ。」
カメラマンの一声一声に僕は気分が高揚してきてポーズを取る。
それを撮影する。
それらが好循環となり『みかん』ファースト写真集は作成された。
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それからしばらくして遂に写真集が発売された。
「三花ちゃん、写真集の発売おめでとう。売れ行きが良いといいね。」
「はい。私もそう思います。」
初版版は売れ行き好評で売り切れ店続出したらしい。注文が殺到した為すぐさま重版がかかり、写真集第二弾、第三弾との企画案が出てきて作成にとりかかった。
後お客からの服装の要望が多数あり、第二弾は『制服』が題材となった。すぐさま僕のサイズのオーダーメイドがなされ、セーラー服、ブレザー、ナース服、OL等々の衣装が作成され撮影して出版した。
ありがたい事に好評で売れ行きも良く事務所はおおいに潤ったらしい。
撮影用の衣装は大事に袋がかぶせられ保管されている。サイズは僕しか合わないのが難点だが・・・。
後世、『みかん』展なるものが開催されたときに当時の衣装としてそれらが展示された。
衣装の特徴としては胸部が豊かであり、僕の衣装専用のマネキンが作成された程だ。
年々豊かになる大胸筋、来客の面々の度肝を抜かしてたのは言うまでもない。
ちなみに写真集第三弾のモチーフは『和服』と言う事で、
着物や巫女服、等々和に関する衣装が作成された。
後、写真撮影の現場は記録として残してありビデオで発売された。のちにLD化、DVD化、ブルーレイ化したのは言うまでもない。
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