182、手作りチョコ 1998年2月14日 妊娠6か月(20週目)
1998年2月14日のバレンタインデーの日を迎えるにあたり僕は自作チョコレートを作りたかったが、
普段着のままのエプロンでは大きすぎる2つの巨峰が邪魔をして手元が見えないので、
特注の和服用補正下着を着用してから台所に立つ様にしている。
胸を締め付けているので苦しいがこれも仕方がない事として諦めていた。
まずは市販のチョコレートを数枚包丁で刻んで、湯せんして温めて溶かしてから型枠に流しいれて出来上がり。
と、簡単に言ったが実に繊細な作業になる。
まずは乾いたまな板に板チョコを置き、チョコレートの角から斜めに大きく包丁で刻んでいく。
あらかた刻んだら、今度は細かくしていく。
その時のポイントとして、包丁の先端を片手で押さえてそこを軸にして動かしながら刻んでいく。
その細かくする作業を繰り返し、均一の大きさにカットして次の工程の湯せんをしやすくする。
約50~55℃のお湯を入れたボウルによく刻んだチョコレートをボウルに入れて湯せんする。
コツとしてチョコレートにまんべんなく熱が通るように大きくかき混ぜる。
この時にボウルにお湯が入らないように注意が必要である。
チョコレートが全て溶けて滑らかになったら湯せんのボウルをはずす。
この時の注意点として、あまり長い時間湯せんにかけて熱を通しすぎない様にするのが肝心だ。
後はお気に入りの形の型枠に流し込んでの前に、まずは湯せんのボウルの水を10~15℃の冷水に替える。
ゴムべらで混ぜながらチョコレートを冷やしていき、チョコレートの温度を30~32℃に下げる。
その際チョコレートの重量の3%の重さのココアを加える。
ココアの粉気が無くなるまでかき混ぜてから、ボウルの底のチョコをはがすような感じで、右回りに20回、続いて左回りに20回、よくかき混ぜる。
これが『テンパリング』と言う工程である。
注意点としてチョコレートは30℃前後に温度を保って作業したら良いとの事。
後、細心の注意としてチョコレートに水気は禁物なので、混ぜる時は水が入らない様に気を付ける。
型枠に流し込んだら冷蔵庫で約1時間冷やし固め、型から取り出すと出来上がり。
後は型枠に合わせた箱に入れて、包装紙でラッピングして出来上がり。
場合によっては、リボンでアクセントを付けたり、メッセージカードを封入しておけばより完璧となる。
これらを家族分作成した。
義理チョコとして、毎年の様にCMに出演しているチョコレート会社からの差し入れがあるので、
それを使用した。
そして2月14日当日、家族、仕事先諸々に配り自室で毎年の恒例行事。
姿見越しで三花ちゃんに身体の主導権を渡し、両手に持った本命チョコを差し出し僕に戻り『ありがとう。』と受け取る。
その1か月後の3月14日、今度は僕から三花ちゃんへと渡すと言う秘密の行事をした。