181、デビュー20周年記念クリスマスパーティー 1997年12月24日 妊娠4か月目(13週目)
1997年12月24日に僕の芸能界デビュー20周年記念クリスマスパーティーが開催された。
このパーティーは芸能事務所社長並びに昔からなじみの音楽のレッスンの先生、雄蔵君を筆頭に芸能事務所関係の先輩、後輩、同期等々が参加した。
招待客として、お父様、お母様、大兄様、兄様、弟、章絵と健太郎が参加した。
「社長、先生、お久しぶりです。三花と雄蔵の父です。いつもお世話になっております。」
「同じく母です。2人が大変お世話になっております。」
お父様とお母様が社長と先生に挨拶をした。
すると社長が、
「こちらこそお世話になっております。三花ちゃんと雄蔵君は今や我が事務所のトップアイドル。
2人にはとてもお世話になっていますよ。」
「ふつつか者の2人ですので、今後とも引き続きご指導ごべんたつの程よろしくお願い致します。」
「わかりました。2人を日本国内のみならず、世界に通用する様に致します。」
「どうかよろしくお願いします。」
「鏡原さん、今晩は三花ちゃんの芸能デビュー20周年記念クリスマスパーティー。楽しいひと時を過ごしましょう。」
「招待していただいて誠にありがとうございます。」
「デビュー当時を今でも思い出しますよ。4歳の子供が今や立派に色々と成長したもんだ。」
「三花は子供ながらに大人びている節が少しあった気がします。」
「ああ、僕も覚えていますよ。4歳の子の案なのかと当時は驚きましたからね。」
「何かやらかしていましたか・・・。」
「いえいえ、結果として我が事務所の発展に尽くして頂きましたからね。どうって事ないです。」
「そうでしたか・・・。我が娘が色々とすみません。」
「三花ちゃんは当時から逸材だと思っていましたが、今は伴侶も得てユニットとしても名声を上げておりますよ。」
「そうでしたか。」
「三花ちゃんは自分の活躍をご家庭では言わなかったのかな?」
「三花は昔から自分の功績をひけらかす性格ではありませんでしたので、その話は知りませんでした。」
「三花ちゃんらしいと言えばらしいですね。」
「こちらこそ約20年間も三花を第一線で日の目を見させていただいてありがとうございます。」
「いえ、今あるのは三花ちゃん自身の日頃の行いの成果です。お父さんがそんなに謙遜しないであげてください。」
「そうですね。分かりました。」
芸能事務所社長とお父様の会話が弾んでいた。
「では僕はこれで一旦失礼しますね。」
しばらく談笑して社長がお父様から離れた。
その次に当時歌やピアノのレッスンしてくれていた先生が来た。
「お久しぶりです、鏡原さん。」
「お久しぶりです、〇〇先生。三花と雄蔵が大変お世話になっております。」
「三花ちゃんは昔から歌やピアノの才能がありましたが、まさか競争率高い芸能界での第一線で活躍出来るのは並大抵の努力では出来ませんよ。」
「親としては、今後も第一線で頑張って欲しいと思いますね。」
「僕としても、2人への曲作りに熱がこもってしまいます。」
「今の三花と雄蔵が売れているのは〇〇先生の楽曲の良さがあるからだと思います。
今後とも見放さずに曲を提供して下さると親としてとても嬉しく思います。」
「いえ、僕の書いた譜面を表情豊かに表現して考えていた以上の世界観を見せつけてくれていますので、
こちらとしてもお世話になっております。」
「お世辞でもそう言って下さると2人がとても喜びます。ありがとうございました。」
「いえいえ、三花ちゃんには普段からの何気ない会話で色々なインスピレーションを感じさせてもらってますので、こちらこそ感謝したいくらいです。」
「そう言って頂けると、本人が大変喜ぶと思います。」
『まもなくクリスマスパーティー開催のお時間になります。ご歓談中の皆さん、ステージにご注目下さい。』
「ああ、もう開始の時間みたいですね。鏡原さん、いずれまたお会いしましょう。では失礼します。」
「はい。」
場内にパーティーの開始のアナウンスが流れてしばらく、会場奥のステージにスポットライトが照らされた。
そこに僕が立っていて会場から拍手が巻き起こった。
しばらく鳴り響き、静寂になると僕は一言、
「忙しい中お集りの皆様、私の芸能界デビュー20周年記念クリスマスパーティーへの参加、誠にありがとうございます。
あっという間に20周年になりましたが、今後とも皆様のご指導、ごべんたつの程よろしくお願い致します。
では、ひと時の楽しい時間をお過ごしください。」
パチパチパチ
僕の開始の音頭を合図として会場内がまた騒がしくなった。
各々が食事を皿に盛ってきて食すると言う、立食パーティー形式を取っていた。
「みかんちゃん、デビュー20周年おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「初めて会った時はあんなに小さかったのにな~。」
「そうですね。先輩もあれから大分貫禄がつきましたよ。」
「そうかい?ありがとう。」
等々、会話が盛り上がった。
先輩、後輩、同期、こう言う機会でないと皆一同に会する事もあまりなく、接点も少なかった方々との会話や他の方々同士の繋がりの助けにもなった。
ビンゴ大会やカラオケ大会等々で大いに盛り上がり、そして幕が閉じた。
「皆様、本日は誠にありがとうございました。そしてけっして飲酒された方は運転を控えて下さる様お願い致します。」
僕は飲酒されている方々や、それ以外の方々への心配を胸にアナウンスした。
でも理解してくれるだろうか・・・。
この時代はまだ飲酒運転には厳しく無い時代だった。
『さあて、明日からまた頑張るぞ。』
と、僕は心に誓った。