177、とある日曜日 1997年4月19日以降
『ポロロロン』『ポロロポロロロン』『ポロ~~~~~~~~ン』『ポロン』♪♪♪
自宅のピアノ室で僕は章絵、健太郎を中心に雄蔵君、お父様、お母様の前でピアノを弾いた。
これらの行いは我が子達にピアノの音色に慣れて欲しいのと、自分自身ピアノの腕が鈍っていないかの確認も含まれていて、簡単なピアノ発表会の様な物になっていた。
まだ1歳ちょっとの我が子だがピアノの音色をバックに身体を揺り動かしてリズムを取っている様で、
音の大きさ等心配したが杞憂に終わった。
まだ妊娠中に2人がお腹の中にいる頃から胎教としてピアノを弾いたり、歌を聴かせていて僕本人が歌ったり、CD、レコード、等々毎日の様に流していた。
『この子達も音楽好きになれば良いのにな・・・。』
僕はそう思いながら、胎教を続けていたのを思い出す。
そして曲が終わり、部屋に静寂が訪れた。
パチパチパチパチ
「「ママ、うまい。うまい。」」
「三花、素晴らしい曲だったぞ。」
「三花ちゃん、お母さん感動したわ。」
≪≪雄蔵さん、ピアノの演奏良かったぜ。≫≫
章絵と健太郎、お父様、お母様、雄蔵君がそれぞれ賛辞の言葉をかけてくれた。
「ん?雄蔵、何か言葉をかけてやらないのか?」
お父様が雄蔵君に言葉をかけていない事を指摘した。
「三花、ピアノの演奏良かったよ。」
「アンコール!アンコール!アンコール!」
アンコールコールが鳴ったので、次に僕は童謡を弾いた。
数曲弾き、ついでに歌も交えた。
「懐かしい曲ね。よく三花ちゃんと雄蔵君の小さい頃に聴かせた曲ね。」
お母様がその様な感想を述べた。
「はい、昔お母様からよく聴かせてもらっていた曲になりますね。」
「懐かしいな。確かその頃のレコードとかカセットテープ残っていないかな?」
曲が終わり、お母様と雄蔵君が感想を述べた。
僕もオリジナルのレコードやカセットテープの音色を久々に聴きたいと言う気持ちになった。
『今度、音楽関係保管室に見に行ってみよう。』
そう心に刻んだ。
そうしてとある日曜日を簡易ピアノ発表会で過ごした。