175、宣言 1997年4月19日
芸能界復帰準備の内容としては、次の事が挙げられる。
1、家事効率化の工夫
食洗器を購入して食器洗いの時間を軽減する。
洗濯乾燥機を購入して、干さなくても良い様にする。
2、夫婦の育児・家事分担
雄蔵君にも育児・家事全般の手伝いをしてもらう様に手配した。
幸い、僕のお父様、お母様共に元気なのでサポートしてもらう事にした。
3、体力作り・メンテナンス
育児産休中、外出も少なくなり体力が落ちている可能性が有るので、体力作りをした。
また、妊娠中についた脂肪も落とす様にして身体全体のラインを整えた。
4、芸能事務所との密な連絡
芸能事務所とはマネージャーを通じて、産休の間も密に連絡して容態や事務所の動向を把握していた。
また、元ピアノや歌のレッスンの先生や社長とも話をして芸能界復帰後の話し合いもした。
これらを踏まえて、色々準備して、1997年4月19日付けを持って僕は芸能界復帰を果たした。
ファンレター等ではなるべく早めの復帰を要望する方もいたが、今は安静にして育児に集中して欲しいと言うファンもいた。
「全国の皆さん、みかんです。どうもお久しぶりでございます。お元気でしょうか?
私は約1年4か月休業して色々と世界が変わりました。特に育児関係です。
特に赤ちゃんが産まれる瞬間までの苦しみとその後の解放感と愛する我が子へ募る愛情。
まさに赤ちゃんは日本の宝です。
不幸にも出産出来ない親御様には申し訳ありませんが、今後日本の出生率が下がると思われます。
人口ピラミッドが近い将来いびつになる事でしょう。また、将来年金問題にも関わる事でしょう。
1人の老人を支えるのに必要な若者の人数がどんどん減り、超高齢化社会へとなるでしょう。
なので、私は宣言します。可能な限りどんどん子供を授かる様にして日本を維持して存続する社会を目指したいと思います。
こうなる根拠として、先進国では私を含めて女性の社会進出が多く、晩婚化の流れが有ります。
それを改善する為に、皆さん是非とも選挙に行って貴重な1票を投じて日本の将来を考えて欲しいと思います。
私を含めて第二次ベビーブームの方々は今や就職氷河時代世代と言われています。
ですが、結婚をして是非とも子供を授かる様にして下さい。
そして政治家の方々、今後の政治の歩みを間違えない様にして下さい。
私利私欲に走らない様にして下さい。
元々日本人は勤勉で働き者。明るい社会を構築する様切に願っています。
どうか、貯金を増やして結婚資金としてください。
そして第三次ベビーブームを皆さんの手で作ろうではありませんか。」
僕の復帰1番の仕事での宣言を観た視聴者の方々は、まるで僕の演説かと思われた。
確かに大きく手をかざしたりしてアピールしたりしていたかもしれない。
『みかん、政界に進出か?』
とまで言われたので、僕はその様な身分じゃないと進出の否定をした。
≪雄蔵さん、大丈夫なの?あんなにたんかを切ってしまって。≫
≪え?たんかって?≫
≪いや~ね~。出来るだけ出産して子育てするって宣言したじゃない。≫
≪ああ、あれね。少しでも将来の日本の人口縮小抑制になればよいと思ったからだよ。≫
≪結婚にも、子育てにも先立つ物が無いといけないのよね~。≫
≪少なくても僕らは何とか食いつないでいけるだけ稼いでると思うけど・・・。≫
≪それで大人数を養育できるかしらね。≫
≪少し勢いで言ってしまったかもしれないけど、将来確実に出生率は下がるからね。≫
≪それは雄蔵さんの第1の人生の時はでしょ?≫
≪うん、そうなんだけどね。≫
≪今回雄蔵さんが問題提起したから改善してくれると良いのだけどね。≫
≪その時は本当に政界に進出して変えないといけないかもね。≫
≪本気なの?≫
≪あはは、まさか。冗談だよ。≫
≪そうよね。冗談よね。≫
『冗談だよね?冗談だよ、冗談。うん、政界進出は冗談話。』