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170、産婦人科、初診 1995年夏頃

 『なんだか、気分が悪いな・・・。』

 とある日僕は気分が悪くなった。そこでお母様に相談すると、


 「あら、三花ちゃん。それはおめでたい事が起こっている証拠かもしれないわよ。」


 「おめでたい事とは?」


 「もう、三花ちゃんらしくない。新しい生命を宿しているかもしれないのよ。」


 「そうでしたか・・・。」


 「そうね、妊娠に関する書物を持ってくるわね。」


 僕はお母様に相談したら、なんと妊娠しているかもしれないと教えて下さった。

そして関連書籍を取りに行って下さり、しばらく待っているとお母様が戻ってきた。


 「ええと、確か・・・。」

 お母様は書物のページをめくる。


 「あった。あった。三花ちゃん、ここを読んでみて。」


 「はい、お母様。」


 おもむろに僕はお母様から書物を渡されて該当ページを読んだ。


 『妊娠超初期に現れるおもな症状』

生理よりも少量の出血(着床出血)

水っぽいおりものが増加

腹痛や張りなど腹部の違和感

腰痛

胃のもたれに伴う吐き気やげっぷの増加

だるさや頭痛など風邪に近い症状

胸が張る、あるいはチクチクとした痛み

頻尿

便秘もしくは下痢が増える

イライラなどの情緒不安定

肌荒れや口内炎

足がむくむ

食欲減退もしくは食欲増進

慢性的な眠気

嗅覚が敏感になる

体温が上がる


 確かに僕の今の症状に該当する部分が有る。


 「ねえ、三花ちゃん。今度産婦人科に診てもらいましょう。それと一つでも当てはまっていたら飲酒、喫煙、市販薬の服薬は控えてね。」


 「はい、お母様。」


 それから僕はマネージャーと相談して仕事と学業の合間をぬってお母様と産婦人科へと赴いた。

 最終月経の開始日から数えて5週後半~6週前半経過した日なのも考慮した日にちにしている。


 検査した結果、赤ちゃんの心拍を確認でき正式に妊娠したと診断された。


 「おめでとうございます。おめでたです。」


 「良かったわね。三花ちゃん。」


 「はい、お母様。」


 「それと、喜ばしい事に双子みたいですね。」


 産婦人科の先生が超音波検査エコーをして下さり、モニターに確かに2人の影が映っていた。


 「鏡原さんは確か『みかん』ちゃんとして芸能界活動なさっているのですよね?」


 「はい、そうですけど。」


 「今後は徐々に無理な活動、例えば急激な運動するのを控えた方が良いと思います。」


 「コンサートとかは控えた方が良いと言う事でしょうか?」


 「はい、そうなりますね。学業の方は大丈夫とは思います。」


 「わかりました。」


 「後、注意点ですが双子の為に早産の可能性が有ります。双子の妊娠で起こりやすい問題の一つになります。ひとつのお腹に胎児が二人いる為早い内からお腹が大きくなる為早産しやすい傾向にあります。

また、妊娠高血圧症を引き起こしやすい為、母体と胎児の状態によっては人工的に早産とする例も少なくありません。

妊娠高血圧症候群は単胎児の妊娠よりも双胎児のほうが引き起こしやすいです。栄養バランスの整った食事などの自己管理を心がけてください。」



妊娠高血圧症候群:

 妊娠中に存在する高血圧全てを指す。以前は“妊娠中毒症”と呼ばれ、浮腫ふしゅ『むくみ』やタンパク尿『尿にタンパクが含まれる』を含めた病態とされていたが現在では病気の主体が高血圧であることが分かってきているため“妊娠高血圧症候群”と名称が変更になった。

 また、妊娠前から高血圧の存在した“高血圧合併妊娠”を除けば、高血圧のみを発症する“妊娠高血圧”と、高血圧とほかの臓器障害『タンパク尿、肝機能障害、腎機能障害、神経障害、血液凝固障害や赤ちゃんの発育不良』が同時に生じる“妊娠高血圧腎症”の2つに分けられる。

 この病気はけいれん発作、肝機能障害、腎機能障害や、出血を止めるのに必要な血小板などの産生量低下による脳出血など、重篤な合併症を引き起こすことも少なくない。

また、胎児発育不良のほかに常位胎盤早期剥離じょういたいばんそうきはくりとの関連も深く、母子ともに危険な状態に陥りやすい病気である。

 一方で、この病気の根本的な治療法はなく、安静を維持しながら血管の細かい血栓を防いだり、血圧を下げたり、けいれんを予防したりするための薬物療法が主体となる。しかし、これらの治療を行っても十分な効果が得られない場合は緊急帝王切開などでの妊娠終了が必要となる。


 原因として、明確な発症メカニズムは解明されていませんが、有力な話として妊娠20週までに起こる子宮らせん動脈の分解が不良である場合に、胎盤に向かう血流が不足して形成に異常が生じ、母体にとって有害な物質が作られ、全身の血管がダメージを受ける事が主な原因であると考えられている。

ただ、その分解不良がなぜ起こるのかは分かっていない。

 また、これらに関係なく母体の免疫の問題で発症するタイプや、一般成人の高血圧と同様のインスリン抵抗性による発症もあると考えられており、原因は1つでは無い。

 この病気は肥満、高齢出産、双胎妊娠、初産、家族歴などの他、妊娠前から糖尿病や腎疾患、自己免疫疾患があると発症リスクが高まることが分かっている。



 「また双子の分娩時期の目安は36~38週頃になります。

次に帝王切開となる可能性が有ります。双子の妊娠は帝王切開になるケースも多いです。妊娠の週数・胎位・赤ちゃんの大きさ・合併所の有無を考慮して分娩の時期や方法を選択します。

場合によっては長期間の入院や、設備の整った病院へ転院するケースもあるので覚悟なさって下さい。


 双子であると分かったので次の事を注意して下さい。

まずは妊婦検診は欠かさずにして下さい。

双子の妊娠は、妊娠初期から出産まで細かな経過観察と母子双方の健康状態の把握が必要になる為、単胎児よりも妊婦健診の回数が多くなります。

 妊婦健診の間隔も、2週間以上空かないように医師から指示されることが多いです。場合によっては1週間ごとの健診を受けるケースもあるのでご注意を。

 トラブルを早期に発見するためにも、医師から指示されたとおり欠かさずに妊婦健診を受けるようにして下さい。

 母子の状態によっては、普通に健診に来ただけなのに入院になるケースや、出産が早まるケースもあります。


次に、入院や出産準備は早めにして下さい。

入院や出産準備は早めに終わらせておくようにします。赤ちゃん2人分のスペースを作っておくなど産後の準備も早めにしておきましょう。

双子は妊娠中も出産後も母親の負担が大きい為、父親が積極的に家事に関わる必要があります。特に上にお子さんがいる場合は、父親の存在はかなり重要です。

産後のサポート体制を整えておくと、産後の母親の負担も軽くなります。

家族・親戚の協力、ベビーシッターの利用、自治体のサポートの検討もしておくと何かあったときに安心ですね。」


 「ありがとうございます。」


 そうして僕とお母様は産婦人科を後にして帰宅した。

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