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159、芸能事務所にて 1994年8月9日 大学3年生

 大学からの帰宅の最中に、


 「大学での調査によると、僕と雄蔵君は同じ住所で学生自治会の会長、副会長をしていて許嫁として認知しているみたいだね。」


 「ああ、そうだな。問題はユニット『ユー&ミー(ゆーあんどみー)』の件だが、確か昨日社長は俺の事は初顔合わせで初めてユニットが組まれたな。」


 「なんか、誤差があるみたいだね。」


 「と言う事で帰宅の最中だけど、芸能事務所に向かおうぜ。」

 

 「わかったよ。」


 そう返事をして、僕は運転している自動車の目的場所を自宅から芸能事務所に変更して向かった。


 自宅周辺では身長130㎝の僕が運転しているのが見慣れた様だが、離れるとまるで子供が運転している様に見えるようで、すれ違いざまに驚いた顔を今でもされる。

中には、信号待ちで職務質問されたこともたびたびあった。


 そして、今日も・・・。白バイの方が横に来て、ドアをノックされて質問される。

コンコン。


 「君、小学生?免許証の提示をお願いします。」


 僕は『またか・・・。』と言う気持ちを抑えて、免許証を見せる。

最初は不審そうに会話してきていたが、誕生日と顔写真を見て態度を急変される。


 「失礼ですが、もしかしてみかんちゃん?」

 「はい、そうですけど。今急いでいるので失礼させて頂いてもよろしいでしょうか?」

 「これは失礼しました。ファンの一人です。こんなところで出会えるなんてなんて光栄なんだろう。よろしければ握手してもらえませんか?」

 「握手でしたら別にかまいませんけど。」

 

 と言いつつ、僕は隊員の方と握手をする。


 「これはとんだ勘違いで失礼いたしました。」

 「ではもう行ってもよろしいでしょうか?」

 「はい、かまいません。」

 「では失礼致します。」


 僕は隊員の方に会釈をして目的地へ向かった。


 自動車の中には雄蔵君と2人きり。僕の中には魂の三花ちゃんもいるので3人と言うべきか。


 「なあ、雄蔵さん。今度から俺が運転しようか?少なくとも今の様なトラブルは避けられると思うぜ。」


 ≪そうよ、雄蔵さん。私も同意見だわ。≫

 

 「いいよ、別に。僕自身が運転しないと下手になるからね。」


 「でも子供に間違われて、要らぬ時間を潰す事になるぞ?」


 「それは・・・。わかるけど、僕自身が運転したい。」


 「まったく、頑固なんだな・・・。」


 ≪雄蔵さんてたまに頑固な一面も有るわよね。≫


 「え?そうかい?自分ではわからないや・・・。」


 ≪やれやれ。≫

 「やれやれ。」


 「何だかんだ言いつつ芸能事務所に着いたよ。」


 僕は芸能事務所の守衛に身分証を見せると駐車場へと向かった。


 

 そして事務所内。

 僕の事は事務所の皆知ってるので問題無いが、僕の隣を歩いている雄蔵君は流石身長180㎝の筋肉質の好青年。目立っていた。


 ≪≪なあ、なんか俺への視線を感じるんだけど・・・。≫≫

 ≪問題無いよ。気にしなくても良いよ。≫

 ≪≪でもな・・・。この視線は嫉妬心が感じられるぞ?≫≫

 ≪それは仕方無いかもしれないわね。今や事務所を代表とするロリ巨乳美少女改めトランジスタグラマー美女と一緒にいるんだもの。≫

 ≪≪そうなのか?それなら良いと思うが、早く社長室へ向かおうぜ。≫≫

 ≪視線を感じるのはいずれ慣れるわよ。でもプラスの感情ならどれだけ浴びても構わないけど、マイナスの感情はいただけないわね。≫

 ≪≪三花ちゃんもそう思うか?≫≫

 ≪ええ、今までは子役の頃から活躍していたけど、色々な感情にまみれた視線を感じた事が有るわね。≫

 ≪≪そ、そうか・・・。聞かない方が良さそうだな。≫≫

 ≪ええ、そうかもしれないわね。≫

 ≪≪ところで雄蔵さんはもう慣れたのかい?≫≫

 ≪いや、まだまだ慣れていないよ。でも平常心の心で表情に出さない様に務めていた事が芸能界で長生きした秘訣だと思うよ。≫

 ≪何だかんだ言っても皆さん優しいからね。≫

 ≪≪そ、それは・・・、金のなる木だから大事に扱っているだけだと思うぞ。≫≫

 ≪だろうけどね。分かっているつもりさ・・・。≫

 ≪≪天然だと思っていたけど、考える所はちゃんと考えてるんだな。≫≫

 ≪皮肉だろうけど、礼を言っておくよ。ありがとう。≫

 ≪≪いや、本心なんだが・・・。≫≫

 

 そうこうしている内に社長室へと付いた。

秘書の方に面会を申し込みしばらく待った。


 




 



  

 

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