152、同人誌即売会・2 1994年8月7~8日 大学3年生
シャワ~、シャワ~、シャワ~、キュッ!
「ふう~、汗を流してすっきりしたわ。」
炎天下の中、立売スタッフの恰好で15㎏のサーバーを持って数時間周っていて背中を中心に汗びっしょりになっていた為、イベントの手伝いを終わって後任と交代した後僕はシャワー室で全身の汗を流していた。
更衣室で次のイベント衣装に着替えた。
その内容は、ごく普通の標準タイプの白い3本線の入った白色の半そでセーラー服と膝丈の紺色のプリーツスカートを着用していた。
靴下は白色のハイソックスで紺色のローファーも装着していた。
髪型はポニーテールで赤いリボンをして、控えめにワンポイントとして銀縁の眼鏡をかけていた。
通学用の学生カバンを両手持ちをしていかにも女学生と言う服装をした。
始めはどこの女学生が紛れ込んだのか?と言う感覚で見られていたが、
僕の取り巻きやボディーガードの存在に気付いて、
「おいおい、あのロリ巨乳のセーラー服の子『みかん』ちゃんじゃないのか?」
「いや、他人の空似だろ?いたらびっくりするぜ。」
「みかんちゃんファンの俺の目に間違いはないぜ。」
「そこまで気になるなら近くに行って確かめてくれば良いのではないか?」
「おお、そうだな。だがな~。」
「ん?どうした?」
「なんか近づき難い雰囲気なんだよな。」
「そうか?」
「おう、オーラが満ち溢れているというか何というか、とにかく恐れ多いんだよ。」
「そんなもんか?なら変わりにおれが行こうか?」
「いや2人で行こう。」
と言う会話をしてから近づいてくる2人組。
「あのう~、みかんちゃんですか?」
「俺、ファンなんです。」
と2人組が言ってきた。
僕は黙ってカバンを持つ片方の手を外し、人差し指を口元に持ってきて、
『シー!』とジェスチャーをする。
だが笑顔を忘れない。
途端に2人は顔が喜びの表情に変わり、僕を見つめてきた。
「あのう、写真撮影良いでしょうか?」
「ああ、いいよ。でも常識をわきまえてね。」
2人組が撮影許可願いをして来て、ボディーガードの1人が答えた。
「ありがとうございます。」
そうしてしばらく写真撮影されていると、気が付くと次から次へと写真撮影許可願いからの撮影タイムへと移行していった。
平和に写真撮影会が行われていた。
そんな矢先に、どの世にもろくでもない人がいる様に我先にとカメラを低位置から僕を撮影しようとする人が現れた。
「そこ!露骨な低位置からの撮影は許可していません。ご注意下さい。」
最初は優しく対応していたが、調子に乗ったのか興奮して周りが見えないのか、ついに僕のスカートの中にカメラを差し込もうとしていたので、その人は現行犯で退場させられ撮影会も急遽中止となった。
「すべては自分の事しか考えていない、先ほどのカメラ小僧の責任であります。」
ボディーガードの1人が簡易撮影会場全体に報告した。
「なんてこったい。」
「愛しのみかんちゃんの写真撮影会が・・・。」
各人、恨みつらみの声を上げながら解散していった。
当の僕は久しぶりのセーラー服で懐かしい気分を味わっていた。
やはり、1人だけでは寂しい。第3の人生の時のお相手が三花in雄蔵みたいにお相手が必要な気分になる。
結婚しないと決めたけど、恋人は欲しいと思ってしまった1日でした。