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132、バブル崩壊の足音 1992年 大学1年生

 時は少しさかのぼり、1992年春、とあるエコノミストが「このままでは戦後最大の不況となる。」と悲観的な経済見通しを公表した為にこれがきっかけで株価が急落した。

そして1992年8月、東証に上場されていた株式の時価総額は1989年末の611兆円から269兆円と半分以下となっていたと言う出来事があったニュースを前世で大人になってネットで見た記憶が有り、

今生では株保有の損害に巻き込まれない様に1992年初頭の内に持ち株を全部売却して身軽になっていた。


 「お父様、このままでは株価が危険だと思います。持ち株を全て売却して下さい。

そして空売りする事をお勧めいたします。」


 僕はお父様に株価が暴落して大損するのを未然に防ぐ為に強く進言した。


 「確かに危険だね。色々とまずい気配が有る気がするね。三花がそこまで言うならお父さんもそうしようか。」

 「ありがとうございます。」


 そうして、株を売ったのが勿体なかったかも?と考えられる中、春のとある日事が起こった。

そして8月には時価総額が半分以下に前世の時と同じくなった。


 「三花の言う通りになったね。最初は株を保有していないのが勿体ないと思ったけど保有株を0にしておいて正解だった様だ。色々と空売りしていたおかげでなんとかお父さんは損益は無いけど、

日本国内全体では物凄い損益が発生しているだろうね。」

 「多分そうだと思います。お父さんが私の言う事を信じて下さってとても良かったと思います。」

 「三花の説得も有るけど、去年辺りから株価の値下がりをなんとなく感じていたからね。まあ、被害に遭わなくてとても良かったよ。」


 お父様と僕はお父様の書斎で話していた。


 「お父様、この株価の大暴落により近い将来不況が起きて、就職難の時代が来ると思われます。

何とか私は芸能界活動もしていますけど、将来の事は分かりませんからね。

どんな未来になるか心配しています。」

 「三花は心配いらないんじゃないかな?」

 「え?どうしてでしょうか?」

 「お父さんの勘だよ。三花の勘は鋭い。お父さんはそれに賭けようと思うんだ。」

 「それは買いかぶりすぎですわ。」

 「それでもお父さんは三花の事を信じてるからこの先も学業や仕事に励みなさい。」

 「お父様、ありがとうございます。」

 「それじゃあ三花、おやすみ。」

 「おやすみなさい、お父様。」


 僕はお父様に挨拶をして書斎から退室をして自分の部屋に戻った。

 




 


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