131、CM撮影 1992年 大学1年生
とある日雨が降る中、ずぶ濡れの2人の姉妹が家に駆け込んだ。
「寒いよ~。寒いよ~。」
「我慢しなさい。お風呂の準備が終わっていないわよ。」
「え~まだなの~?」
妹が寒い、寒いと言う中、姉はお風呂の用意をしていたが何かと時間がかかっていた。
「お待ちなさ~い!」
ばっ!と、1人の人影が現れた。
「寒い中、時間のかかる準備をするならこれよ!瞬間給湯器〇〇にお任せよ!」
ビシッ!とポーズを決め2人の姉妹に語り掛ける。
「貴女は誰?」
姉妹が尋ねる。
「私は人呼んで『マジカルキュート』給湯器の伝道師よ!」
魔法少女風衣装に包んだ人物が答える。
「さあ、これさえ有れば一瞬にしてお湯が出てすぐに湯舟に浸かる事が出来るわ。」
どんどんと浴槽に湯がたまり姉妹の顔が明るくなる。
「本当だ~!すぐにお湯が浴槽にたまっている~!」
「わ~温かい~。マジカルキュート、ありがとう~。」
「では私はこれで!」
バッ!とマジカルキュートは退散した。
場面が切り替わり、
「ふ~。今日も大活躍。すぐにお湯が出てきてあっという間に湯舟に入る事が出来る、
瞬間給湯器〇〇のおかげね。 本当、温かいわ。身体がとても休まるわね。」
入浴剤の入った浴槽に浸かり満足、満足と言う顔で終わる。
「は~い!カット!みかんちゃんお疲れ様。」
「はいっ!ありがとうございました。」
周りががやがやとする中、僕は浴槽から上がりスタッフからバスタオルをもらい身体に巻き付けて水分を落として、ある程度落ちたら控室に移動した。
僕はこの時、水着を着ていてCM撮影に挑んでいた。
上はストラップの付いていない物で胸元ぎりぎりまで湯舟に隠れて見えない様にしていた。
幸い入浴剤が入っているので水着を着用しているとは一目ではわからない様に配慮されていた。
僕の扮した魔法少女マジカルキュートは給湯器会社のマスコットキャラとして後世まで引き継がれる事となった。
後日譚として、代々胸部の大きい子を起用していたが僕みたいに身長130㎝、胸囲約110㎝のPカップ、胴囲40㎝、臀部70㎝のダイナマイトボディーの子が中々いないらしく、アニメ調やCGでのマジカルキュートのキャラが起用されていた。
「お疲れ様でした!」
僕はCM撮影スタッフ並びに依頼主の企業の方に挨拶をして収録スタジオを後にした。