129、女の子の日 1992年秋頃 大学1年生
注意:
今回の話は生理についてなので、
苦手な方は飛ばして下さいませ。
ある日の朝、僕は下腹部の痛みで眼が覚めお手洗いに向かった。
いわゆる女の子の日。月経の為血が出てきた。
確かに数日前から胸の張りや頭痛、腹痛等が感じられた。
僕は備え付けの棚から生理用ナプキンを取り出し、まずは流れ落ちて来る血をぬぐいショーツにナプキンを当てて履いた。
思えば元男の僕が初経(以前は初潮と呼ばれていた)になった時を思い出す。
確かあれは小学3年生で8歳の時、急激に胸部が発育していきブラジャーの準備をした頃、
急激にお腹が痛くなりお手洗いにこもったら、股間から血が出てきた。
一応、知識としては第二次性徴を迎えた女子は生理になる事は男であった僕も知っていたが、
いざ自分の身に降りかかると気が動転してしまった。
≪雄蔵さん、落ち着いて。ねえ、落ち着いてちょうだい。≫
≪これが落ち着いていられるかい。股間から血が流れ出てきたんだよ。≫
しばらくお手洗いにこもっていて、流れ出て来る血をトイレットペーパーで一生懸命拭いていた。
ある程度しておさまりがつくとすぐさまペーパーを股間に当ててショーツを履きお母様に相談しに行った。
「おめでとう、三花ちゃん。その症状は病気じゃないのよ。新しい息吹の誕生の準備段階に入ったのよ。
今夜は赤飯ね。でもその前にナプキンを付けないといけないわね。」
お母様の部屋に行き、僕はスカートをまくり上げショーツを半脱ぎした。
「応急処置としてペーパーを付けているのは良いアイディアね。ではナプキンを付けましょうか。
いずれはタンポンの使い方も教えないといけないわね。」
「タンポン?」
「生理用ナプキンはショーツに張り付けて血の漏れをガードするのよ。
対してタンポンは女の子の大事な所に直接装着するの。でもまだ三花ちゃんには早いかもしれないわね。」
「今後はポーチに生理用ナプキンを2、3個常備しないといけないわね。」
そうしてその日の夜は赤飯が出された。
お父様は何となく理由を察した様だけど、お兄様方や弟は分からない様であった。
しばらくは情緒不安定な日々や微熱等が襲い、改めて女子の苦労がしのばれた。
自分の身に降りかかって初めて僕は分かった。
しばし過去を回想していたら、大学へ通学する時間が刻一刻と迫ってきた。
質素に白色の丸襟ブラウスに紺色の膝丈のプリーツスカート、紺色のハイソックス。
これまた紺色の極細のリボンタイをしてローファーを履いて紺色尽くしの服装をした。
パンチラ防止の為にブルマの装着も忘れないでいた。
そうして朝食を摂り髪型の確認をして登校した。
ちなみに無難にポニーテイルに赤色のリボンを付けていざ出発。
僕は車の免許を取得しているので自動車での通学となっている。
余談だが、僕が自動車を運転してるとどうしても子供が操縦していると勘違いされる事がたまに有る。
ひどい時は免許証の提示を求められた事もあった。
「すみません。既に成人していたんだね。」
「いえ、慣れてるので・・・。」
「誠にすみません。」
そうして僕は目的の大学まで運転する。
対向車の驚き様は慣れてきたが、あまり良い気分ではない。
そうこうしてる内に大学へ到着した。
さあ、今日も勉学に励むぞ。