126、空飛ぶ孫娘 202X年 50歳代半ば
202X年50歳半ば、僕はとあるプロジェクトの一員として名を連ねており、
孫娘の『大空舞』が搭乗員として抜擢された。
舞も成長してもう高校生になる。
僕と孫娘の舞は隔世遺伝子と言われてる様に、まるで双子の姉妹の様にそっくりである。
なので、夫の三花ちゃんは舞の学生服姿をどこか懐かし気に見ている事がたまにある。
舞との違いは身長と胸部の大きさだろうか。
舞は155cmのGカップ。それに引き換え僕は相変わらず130cmで豊満な胸部を誇っていた。
時代はロリ巨乳が話題となっており、いつしか僕は年齢からも『合法ロリ巨乳』、『ロリばばあ』等々あだ名が付いている。
芸能界でも中堅として何とか成功しており女優、歌手その他もろもろの仕事をこなしていた。
三花ちゃんも俳優として歌手として頑張っている。
その様な環境の元で孫娘の舞は僕に顔がそっくりなので街中を歩いていると、
「みかんちゃん!写真いい?」
や
「みかんちゃん、サインもらえませんか?」
等、よく勘違いされて写真撮影やサインをねだられる事が多いと聞く。
「私はみかんではありません。」
よく舞は僕に間違われて、要求を拒絶している。
なんにせよ50代でも10代の顔立ちをしている僕はよく補導されたりする。
仕事場での打ち上げや三花ちゃん等家族で飲食店に入りアルコール類を注文すると年齢確認をよくされたりしていた。
「ああ、みかんさんでしたか。これはとんだ失礼を致しました。
今すぐアルコールをお持ち致しますのでごゆゆりと。」
等、そのつど店員から謝罪の言葉を頂く事があった。
「みかんさん、ゆう君さん、出来ればサインお願い出来ませんか?」
と訪れた店の店長が直々にサインをねだってきた事もあり、『○○さん江 ユー&ミー』と言う事で
サインを提供した。
そのサインは他の店に訪れた各著名人の一員として飾られる仲間入りをした。
その様な状態を間近で見ていた孫娘の舞はどの様に思っていた事であろうか?
幼い頃より英才教育を施し、どこに嫁に出しても恥ずかしく無い様に育てたつもりである。
そんな孫娘が今から空を飛ぶ。
名前の『大空舞』の様に大空に舞ってもらいたい気持ちが一杯だった。
「舞ちゃんは本当に三花ちゃんにそっくりだね。学生時代が懐かしいよ。」
「うん、そうだね。舞ちゃんはアイドルに興味は無いの?」
「なんだか昔の三花ちゃんを見てるようで、おばさんさん泣けてくるよ。」
「ありがとうございます。恵お姉さん。香お姉さん。綾子お姉さん。舞お姉さん。」
「あら、いやだ。お姉さんなんて上手ね。」
「いえ、三花おばあ様、雄蔵おじい様の大事な方でいらっしゃいますから。」
「あら、優しいのね。私達も参加しているこの壮大なプロジェクト、ぜひとも成功させたいわね。」
かつて学生時代からの親友の恵ちゃん、香ちゃん、綾子ちゃん、舞ちゃんはそれぞれ結婚して幸せな家庭を築いている。
そんな彼女らも出資しているこの飛行プロジェクト。
何としてでも成功させたいと思う。
見学者として僕と三花ちゃんの両親も高齢な身体に鞭打って見に来てくれた。
舞にとってはそう祖父母に当たる。
「舞を見てると、若かりし頃の三花を思い出すよ。」
「そうですね。私も自分自身の様な気がします。」
「三花も身長が伸びていたら舞の様な感じだったのだろうね。」
「ええ、そう思いますね。」
「今でも三花はその体型はコンプレックスじゃないかい?」
「いいえ、そんな事はありませんわ。」
「ならいいけど。」
「はい、他の人とは違う個性が出せたと自負しています。」
「三花は前向きで良かったよ。てっきり悩んでないかと心配していたよ。」
「いいえ、五体満足な身体に産まれて来て、女優、歌手として大成をしています。産んでくれてありがとうございます。」
「三花、どういたしまして。お前の人生はまだまだ半ば。これからもしっかりと生きて行きなさい。」
「はい、ありがとうございます。」
「それはそうと、舞の準備は完了した様だが、プロジェクトの方はどうなっている?」
「あ、雄蔵さんと技術者の方が舞の元に行きました。
準備は上々かと思います。」
「そうかい、まあ失敗の無い様に時間をかけて準備をするといいさ。」
「そうですわね。」
「関係者の皆様、大変長らくお待たせしました。では初飛行を実施したいと思います。」
アナウンスが鳴り、がやがやしていた会場がシーンとなった。
「発進!」
ブワッ!
飛び上がる舞。
「飛んだ飛んだ!」
「やった!成功したぞ。」
「機器に異常無し!」
空中10mくらいを旋回する舞、僕は事前に手渡されたインカムで舞と交信する。
「どうだい?舞ちゃん?」
「ええ、おばあ様、とても気持ちが良いです!」
「そうかい。それは良かったね。」
「この感動をおばあ様にも味わってもらいたいです。」
「ありがとう。舞のヘルメット、飛行装着機器に小型カメラが組み込んであるから私達も地上から舞の視点を見えてるよ。」
「そうなのですね。安心しました。」
「話が出来ると言う事はリラックス状態なのかい?」
「ええ、初めは緊張しましたが今はとても興奮しています。」
「それは良かった。最後まで気を抜くんじゃないよ。」
「分かりました、おばあ様。間もなく着陸致します。」
そうして舞と交信が終わり、着陸態勢に入ったのを見届ける。
数分後無事に指定の場所に着陸してすぐさま装着物が解かれた。
飛行データはすぐさま解析されて、今後の機材の改良点に当てられた。
舞の証言からも勘案して飛行スーツの欠点、改良点等が話し合われ次回の飛行実験に役立たれた。
まずは第一回目の飛行実験は成功した。
今後のより良い製品作りに貢献してくれた舞に感謝の言葉がかけられていた。
「舞、お疲れ様。」
「おばあ様、ありがとうございます。」
「無事成功して良かったよ。」
「はい、何回もフライトシミュレーションで練習しましたからね。」
「無事で本当に良かったよ。」
ぎゅっと僕は舞を抱きしめる。
「おばあ様、人前で恥ずかしいです。でも嬉しい・・・。」
「舞、よく頑張ったな。」
「はい、おじい様。ありがとうございます。」
「舞ちゃん、… …。」
「舞ちゃん、… …。」
等々当プロジェクトの関係者達が舞に言葉をかけていた。
そうして小さな第一歩だったけど、個人飛行技術の発展に多いに貢献して後世舞の名前は残った。
祖母としてとても嬉しい。
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