110、体育の授業での一コマ (1988年)昭和63年 中学3年生
男子、女子お互いが一緒に体育の授業を受ける様になって、異性の目をより一層気になる生徒達がいた。
「きゃ~雄蔵さん、格好いい~。」
「おお~三花ちゃん、可愛い~。」
等々黄色い声援、野太い声援が聞かれる。
男子は女子のブルマ姿を、女子は男子のショートパンツ姿のきびきびとした動きを堪能していた。
それに引き換え、異性の目を気にする生徒達は緊張して上手い事動けてない様に見られた。
お互いに思春期なのでどうしても異性の事が興味有る反面、自分への視線にも敏感になる年頃だからだ。
別に男性恐怖症、女性恐怖症と言うわけでは無く、ただ単に恥ずかしいからだと言えた。
どうやら対人恐怖症とも言えなさそうだ。
自分に自信が無い様に見受けられた。
そう言うクラスメイトに対して僕は生徒会長並びに級長として、三花ちゃんは副会長並びに副級長として声を掛ける。
「ねえ、貴女は何か悩みを抱えてるの?なんだか元気が無いわよ?」
「いえ、別に無いわ。」
「でも貴女は体育の授業中いつも元気が無い様に見受けられるわよ。」
「そう、お見通しなのね?私は三花ちゃんみたいに、プロポーションも成績も良くないわ。運動も苦手だもの。」
「運動を苦手だからと言ってしなければ、なおさら苦手になるわよ。これは他の教科でも言える事よ。」
「余り自分を卑下しないで下さいな。」
「貴女は成績優秀、容姿端麗、運動神経抜群だから簡単に言えるのよ。貴女に私の苦労なんかわかりっこないわ!」
「いいえ、わかるわ。」
「いいえ、そんな事あるはずないじゃない!貴女に何が解るって言うのよ!」
「ねえ、落ち付いて下さい。貴女の心の気持ちは痛い程わかるつもりよ。
私も昔は色々苦労したもの。今はそれを反省点にして日々過ごしてるだけよ。」
「例えばどんな事?」
「そうね、これでも昔は身体が堅かったのよ。幼い頃より毎日ストレッチや開脚等をして頑張って今が有るわ。それに勉強もしないで遊び呆けていたもの。だから貴女も頑張れば出来るはずよ。」
「とてもそうは見えないわ。」
「そうよね、これは遠い遠い昔の話・・・。でも今はそれを乗り切って成長したと思っています。
なので貴女も今後、頑張れば良いと思うわ。」
「私でも出来るかな・・・?」
「うんっ!貴女ならきっと出来るわ!なので今を精一杯頑張りましょうよ。まずは前進あるのみよ!ファイトよ!」
「ありがとう。私もやる気が出てきたと思う。成長を見守っててね。」
「そうよ、その意気よ!頑張るのよ!。」
「ありがとう、三花ちゃん。感謝してるわ。」
「そう言って下さるととても嬉しいわ。」
一人の女子生徒を奮起付けさせると、その次の生徒に声を掛ける。
「貴女も自分に自信が持てないのでしょうか?」
「そうね。三花ちゃんの先程の説得、身に沁みました。
私も頑張ろうかと思います。どうか私にも気合を入れてくださいませ。」
「わかったわ!貴女はやれば出来るはず。今からでも遅くはないわ。今後の生活を頑張ってね!」
「ありがとう!元気が出て来てやる気になってきたわ。」
「どういたしまして。さあ、貴女も再出発よ!ファイトよ!」
そうして複数の生徒を励ます。
三花ちゃんの方でも男子生徒を励ましていた。
その様に僕と三花ちゃんが励ます様子に共感して元気になる生徒が続出した。
あるいはただ単に休んでいただけかもしれないが・・・。
「やっぱり俺達の三花ちゃんは可愛いぜ。見てると元気が出てくるよ。」
「そうか?そうだよな?俺だけかと思ったけど君もかい?」
「おお~!同志よ~!」
そう言う光景があちこちで見受けられたらしい。
何はともあれ、クラスメイト達が元気になってくれて僕もとても嬉しい。
そうこうしてる内に、男女混合での体育の授業が終わった。
また明日もお互いの異性の体操服姿を拝める。
その様な理由で元気になるクラスメイト達であった。
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