102、写生大会 (1987年秋)昭和62年 中学2年生
1987年秋、全校写生大会が行われた。
僕は後4、5か月余りで中学校分離するのでこの校舎を離れるのを惜しんで、校舎の正面玄関の斜めのカットで写生した。
まずは下書きをする。
画版に画用紙をセットして鉛筆で校舎の正面玄関を描く。
地面にはレジャーシートを敷き、お尻を汚れない様に気を付けた。
下書きが終わると水彩で色塗りをする。
パレットに絵の具を準備して水彩用のバケツに水を入れて数種類の筆を用意する。
準備が出来次第、色塗りに取り掛かった。
画用紙に着色されていく校舎の正面玄関。
一心不乱に色を塗りたくる。
美術の先生が見まわっており、僕の所へとやってきた。
「鏡原さん、順調でしょうか?」
「はい、まあまあです。」
「三花ちゃんの隣には雄蔵君もいますね。」
そう、僕の隣では三花ちゃんも一緒になって写生をしていた。
『ユー&ミー』の2人が隣同士で写生をしている。
その様な事を僕らの後ろにいる生徒達が写生をしていた。
すなわち、『校舎の正面玄関を写生する僕と三花ちゃんを写生』されていた。
その事がわかったのは写生大会の絵が各教室の廊下に張り出された時に僕と三花ちゃんらしき人物が描かれていたからだ。
滅多に無い、堂々と長時間僕達を見る事が出来、絵にも残せる。
まさに一石二鳥。
沢山の生徒が校舎を背景に僕達の絵を描いていた。
女子生徒は三花ちゃんを中心に。
男子生徒は僕を中心に描いていた。
中には写実的な物も描かれており、『よく観察してるな。』と思える出来だった。
他者から見ると僕達は写生大会の模様がこの様に見えていたんだな。と納得させられた。
肝心の僕達の写生大会の絵の出来具合は見事に好成績を収めた。
後年、レプリカが作られ学校の廊下に飾られたと言う。
画用紙の写真を撮り、引き伸ばして大判にプリントアウトされて、額縁に飾れられた。
2年間とは言え、在校生であった僕と三花ちゃんの事は後世でも知られ、学校見学に来たお客さんの目に触れる場所に飾られていた。
ちなみにその時の様子として、僕達を写生した絵の中で優れた数点も飾られて、若かりし頃の姿を知る事が出来、資料的に価値が上がった。
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