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時計職人の転移  作者: べこ
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異世界へ

小説書くのって大変ですね。

真っ白になった視界が真っ暗になってから、どれほどの時間が経ったのだろうか。

私は朦朧としながらも意識を取り戻した。

何が起きているのかを知るために周りの様子を伺おうとしたが、濃い霧、もしくは煙のようなものが辺り一面を覆っており、とても現状を把握出来る様なものではなかった。

(何が起こっているんだ?ここは何処だ?)

急変する事態に混乱した頭は解決もしない疑問を幾つも提起してきた。

ひとまず落ち着こうとした私は心を鎮めるために唯一視界の開けている空を見た。しかし、これは失策だった。

「っ!」

私はまたしても自分の目を疑った。学生時代、教科書でしか知らなかった巨大な雲が、恐らく遠くから見ればキノコのように見えるであろう破滅の象徴が空を覆っていたのだ。

莫大な熱エネルギーによって引き起こされる上昇気流と水蒸気によって作り出されたそれは巨大な積乱雲でもあるため大雨が降るだろうと思った私は、煙が晴れるまで自分の身辺について調べる事にした。

まずは例の時計である。

それは相変わらず光を放っていたが、随分と淡くなっていた。点滅する光は神秘性をさらに高めているように思えた。

私が常に身につけている機械式時計(もちろん自作だが)はいつも通り時を刻んでいた。

そんなことをしているうちに煙が晴れた。

まず目に入ったのは、ガラス一面の景色だった。

これは誓って本当だが、実際に地面が全てガラスとなっていたのだ。確か聞いたことがある。

世界最大の原子力爆弾であるツァーリ・ボンバの実験において、その莫大な熱量によって周囲の砂が溶けガラス化したと。

今でもその周辺にガラスは見られるという。

ここで気になったのは、私の周辺の地面が無傷にも関わらず例の正四面体の建物が跡形も無くなっている事だ。

(まさか……?)

原理不明の時計、謎の爆発、これらの事象を頭の中で整理していると、ある事を思い出した。

意識が飛ぶ寸前に聴こえた女性の声だ。

あの近くに居た女性はガラスケースを開けた彼女だけだったはずだが、明らかにその声ではなかったし、そもそも言語が違ったのだ。

正四面体のあった国の言語、すなわちロシア語では無く、未知の言語が何かテレパシーのような形で頭に響いたのだった。

この時だった。『彼女』と私が会話と呼ばれるものをしたのは。

「ねえ」

私は背筋が凍る感覚を覚えた。氷のような声だった。

「ねえってば」

訳が分からない私は暫く返事をすることも出来なかった。

「時計よ。時計を見なさい」

漸く落ち着いた私はその声に従って例の腕時計に目を落とすと、ホログラムの様に空中に映し出された銀色の少女がいた。

次の話はできるだけ早く書きたいものです。

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