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blanket  作者: 璢音
再び戦いへ
76/139

抑えられない衝動

学生時代の思い出といえば。

ジョ◯サンとかサイゼリ◯とかで雑談とかよくしたなぁ。


山盛りのポテト頼んだりとかしたなぁ。

恋バナとかもしてたなぁ(遠い目)


今回はそんなお話(何かが違う)

ふあぁ…と清々しい朝に欠伸を一つ。

昨日見た夢のせいか、身体が怠い気がする。

そんな身体を起こし、学校へ行く支度を始めたけれど、やっぱり動きは遅い。


それでもなんとか支度を終えて、学校へと歩き出す。


毎日のように通る道を、いつもより時間をかけてゆっくりと歩いていく。時間が普段とズレているからなのか、クラスメイトには会わなかった。


「おはよー、月華ちゃん。」


そんな声が聞こえたのは教室に入った時。

廊下をすれ違う事もないなんて、珍しい。


「おはよう、千佳ちゃん。」


千佳ちゃんはカメラの手入れをしているのか、布のようなものでカメラやレンズを拭いている。


「今日の授業は武器の仕組みとかだっけ?」

「うん。武器が出来るまでのプロセスをまとめるって言ってたよ。」

「そっかぁ。あー、今日もつまらない一日になりそう。藤くんがいれば問題ないけどッ。」

「月華おはよー。」


二人で話している所に丁度紫綺さんがやってきた。


「おはよう、紫綺さん。今千佳ちゃんと話していたところだったんですよ。」

「噂をすれば…ってやつかな。」

「カメラありぃ☆」


パシャッという音と共に千佳ちゃんの表情が緩む。ベストショットだったのかな。


「おはようございます、月華さん、紫綺、千佳さん。」

「あ、おはよう緋威翔。あれ、今日は更に後ろに誰かいるね。初めまして。」


緋威翔さんの後ろには緋威翔さんと同じくらいの身長の男の人がいる。誰だろう?新しく入った人かな?


「初めまして。自分の名前は天本(あまもと) (しおり)。今日から編入したんだ。宜しく。」


そういって手を差し出す。

愛想はいい方じゃないけれど、冷たさの中に温かさを感じる。好い人そう。


「僕は藤田紫綺。紫綺って呼んで。えっと、栞って呼んでもいい?」

「別にどちらでも。」

「じゃあ栞って呼ぶね。あ、こっちが鏡月華で、あっちが安西千佳。」

「宜しくお願いします。」

「宜しく。」

「よっろしくぅ!」

「……宜しく。」


一人一人が紹介をして行く中、非情にもベルが鳴った。慌てて席へ戻る。


栞さんの席は…千佳ちゃんの隣みたい。

千佳ちゃんが色々話しかけているのが見えた。


「おはよう諸君。今日も平和な朝だな!」


先生が上機嫌で教室に入ってきた。鼻歌まで聞こえてくる。何か良い事があったのかな?


「先生、何か良い事でもあったんですか?」


亜里亞さんが私と同じ事を考えていたみたい。先生はあぁ!と元気良く返事をした。


「実は俺、彼女が出来てな?今日は仕事終わりにデートをする事になってるんだよ。そりゃもう楽しみで楽しみで!」

「はぁ!?先生に、彼女ォ!?ありえねぇ。」

「良かったじゃない。大切にしてあげなさいよ?」

「勿論、大切にするよ。」

「俺は無視かよ。」


先生が持ってきた話題で場が盛り上がる。

どうしてとかどういう成り行きで?とか質問攻めにあってるけど、先生自身は凄く楽しそうに回答していく。


「デート、どこへ行くの?勿論、考えてるわよね?」

「あまり貴女に同意はしたくないけど、今回は私もそう思うわ。行き当たりばったりなんてあり得ないわよ。」


ノエルさんの話に雷野さんが追撃をかける。先生はうっ、と小さな声で呻いた。

これは…ノープラン?


「仕事終わりなら夜だよな。じゃあ夜景が見えるレストランとかが鉄板か?」

「夜の遊園地って何かイイよね。」

「そこは敢えて隠れ家的なレストランにさ…」

「ダーツとかしちゃう!?」


それぞれがそれぞれの意見を述べていくので、女子がその度に何かしら反応をしていく。同意する者、しない者…様々だけど、私個人の意見としては…。


「心がこもっていれば、どういうプランでも喜んでくれると思うな。」


すると氷椏さんが続けて言う。


「好きな人と過ごしている時は、ただ歩きながら話しているだけで楽しい…から。」

「そうね。私もそう思うわ。」

「無理に背伸びしない方が自分の為になるんじゃないかしら?」


女子の意見が集中する。

先生が何やらメモをとりながらぶつぶつと独り言を漏らした。


「そっかぁ。そうだよなぁ…。」


……って授業が始まらないけどこれでいいのかな?


あっという間に時は過ぎ、チャイムが鳴る。結局あの後もああだこうだと論じ合って、先生がその間にメモをとっている感じだった。


仕事を放棄しちゃうくらいぞっこんなんだなぁ。何だか彼女さんが少し羨ましい。




「ねーねー月華ちゃん!」

「どうしたの千佳ちゃん?」


荷物を抱えて教室を移動しようとしたら、千佳ちゃんに呼び止められた。


「放課後暇?」

「うん。特に用事はなにも。」

「じゃー決定ね。」


場所は近くのファミリーレストランで、目的は編入してきた栞さんや、この前転校してきた幟杏ちゃんや氷椏さんの歓迎会だという。


やっぱりお話とかして打ち解けるのがいいよね、と千佳ちゃんが笑顔で言うので頷く。


「じゃあ、放課後この教室に集合ね。」




ーー放課後。



約束通り教室へ向かうと、既に結構な人数が集まっていた。教壇を囲んで何やら話している。


クラス全員ともなると席を用意したりするのは大変だという事でくじ引きをする事になったらしい。


「よぉしこれでおっけ!」


ケインさんが高らかに二つの袋を上げる。即席のくじだ。

くじにはアルファベットが書いてあるので、そのアルファベットの人達と一緒のテーブルにつくらしい。


「じゃあ俺いっちばーふぐっ!」

「ちょっと、栞くんが先に決まってるでしょ。」


荒ぶるケインさんを制止する千佳ちゃん。

ケインさんが渋々とくじの入った袋を差し出す。


「ほらよ。栞。幟杏と氷椏はこっちのな。順番にどーぞ。」


三人が静かにくじを引いていく。

最後に一斉に開くと決まっているので、持ったままみんなを待つ形になった。

それから順々に引いていき、最後の一枚。


「最後の一枚、いただきや!」


こうして皆が手にくじを持ったところで、開けー!というケインさんの指示があった。

すぐに皆がくじを開いていく。


「Bだ。」

「私も。」

「え?あたしはAなんだけど?まーいっか。」


ん?栞さんと氷椏さんがB?幟杏ちゃんがA。あれこれって三人は最初から分けた方が良かったんじゃ…なんて今更思う。


さて私は…っと。


ホチキスで止められた紙を開く。

そこにはCの文字があった。


「藤くんはどこだったぁ?」

「D。」

「きゃー!私も!やったぁ藤くんと一緒!!」


テンションがあがる千佳ちゃんと下がる紫綺さんを微笑ましく身守る。


えーと、他の人は?


「璢夷くんはどこ?」

「俺はEだな。」

「そう。私はC…。」


あ、雷野さんがCみたい。


「よっしゃぁあああ!霧雨ちゃんと!一緒!!うおぉぉおお!!」


「聖夜、貴方は?」

「C。セイラは?」

「Aよ。」


「政宗〜僕Dなんだけど〜。」

「…私E。」


「やった!Aって事はセイラと一緒!」

「真里亜はどこの班?」

「私はF。姉さんは?」

「私はEよ。」


各自がどの班か決まった所で各班ごとに集まり始める。


幟杏ちゃんを始めとするA班には、セイラさん、真琴さん、静さん。


栞さんと氷椏さんがいるB班には、璢娘さんと沙灑さん。


私がいるC班は、雷野さん、ケインさん、聖夜さん。


紫綺さん、千佳ちゃん、真希さんがいるD班にはノエルさん。


璢夷さん、政宗さん、亜里亞さんのいるE班にはアルバートさん。


真里亜さんのいるF班には、緋威翔さん、璢胡ちゃん、カインさんがそれぞれ集まる。


「じゃあ出発しましょうか。早くしないと混んでしまいますし。」


わらわらと列を成してファミリーレストランに向かう私達。集団下校ってこんな感じだよね。或いは、大会場所に向かう部員達とか。


ファミリーレストランに無事到着。夕ご飯にはまだ少し早い時間だからか、客は疎らだ。そのお陰ですぐに席に案内される。しかも近いエリアにまとまる形になった。


先程の班で席に座る。


まず初めに皆がドリンクバーを一斉に頼んで、何人かが順番に席を立ち飲み物を持ってきたりしている。その殆どが女子。中に数人男子が混じっていて、いくつものグラスを同時に持っていくという荒技をしていた。


私も最初に飲み物をとってきた組で、席についてから早速同じ班の人に話しかけた。


「まさか兄弟や姉妹が綺麗にバラバラの班になるなんて思いませんでしたよね。」

「えぇ、まさかコイツと同じ班になるとは」

「霧雨ちゃんと一緒なんて奇跡だ!俺の目の前に女神がいる!」

「凄いメンバーになっちゃったね。僕はセイラと離れたし、残念だよ。」


そう言う聖夜さんだけど、ちゃっかり他の班にいるセイラさんと視線を合わせて微笑みあったりしている。


「さてと、ちょっと飲み物とってくるね。」

「俺も!」


二人が席をたつと、自然と霧雨さんと目が合う。


「何か用でもあるの?」

「えっ、いえ、あの、ごめんなさい!」


この学校には美男美女ばかりだなぁなんて思っていた矢先の出来事。気分を害してしまったようだ。必死に謝ると、何謝ってるのよと言われた。

ピシャリと言っているように聞こえるし威圧感もあるけど、自然体なんだろうな。


「ねぇ、あの馬鹿をどうにかしてやってくれない?」


霧雨さんの視線の先にはケインさんがいる。ケインさんは熱狂的な霧雨さんのファン…というより信者?だし、普段の二人を見ていれば何と無く想像がつく。

丁度千佳ちゃんと紫綺さんの逆パターンかな。


「適度に構ってあげれば良いんじゃないですか?感動して暫く静かになると思いますよ。」

「そう。ならそうしてみるわ。」


二人が席に戻ってくる。ケインさんの手にはグラスの他にカップがあった。


「霧雨ちゃん!ロイヤルミルクティー好きだったよな!?」


わざわざ霧雨さんの為に作ってきたみたいだ。


なんだかケインさん、犬みたい。健気で一途だし、凄い勢いでぱたぱたする尻尾が今にも見えそうな気がする。


「あら、ありがと。」

「ッ!?!?」


赤面しつつ驚くケインさん。口をパクパクさせたまま黙っている。

やっぱり私の言った通りかな。ふふっ。


「へぇ、霧雨さんも紅茶好きなんだ。セイラも紅茶好きでね…アールグレイって分かるかな?」


「えぇ、あれも中々よね。」


紅茶談義が始まる。

私はレモンティーが好きだと話すと二人も頷きながら同意してくれた。


「さて。この会話はここまででいいかな?ちょっと聞きたいことがあってね。」


聖夜さんがそう締めくくる。

話のネタを失った私達は聖夜さんの話を聞いた。


「武器について、色々教えてほしい。」


武器のこと。そう伝える聖夜さんの視線は冷、雷野さんの傘、ケインさんの恐竜のおもちゃが入っているであろう鞄へと移ってゆく。

私は二度瞬きしてから聖夜さんを見る。


聖夜さんの白き翼。確かに興味がある。他の人の武器も……聞けるのであれば、色々教えてもらいたい。


「私は、構いません。」

「俺もー、面白くも何ともねぇけど、それでもいいなら。」


私とほぼ同じタイミングでケインさんも了承する。


「二人とも、ありがとう。霧雨さんはどうかな?」

「話をする分には構わないけれど、私の武器の話は……期待しないでくれるかしら。」

「んー、分かった。トラウマの話も含むからね。二人も無理しなくていいからね?」


笑顔で言っているけど、目は笑ってない。

もしかしてイライラしてる?


「じゃ、まずは話を振った僕からいこうか。」

「聖夜は翼だったよな。今まで何度か見たことあるけど……あの白い羽根、何ていう動物のなんだ?」

「僕にも分からない。武器を作る原因になったのはとある小鳥なんだけど、その小鳥とは違う色なんだ。」


小鳥と言えば、聖夜さんはアマリアちゃんっていうカナリアを飼っていたっけ。カナリアなら大体黄色とかになるよね。


「能力は飛翔?」

「飛翔と羽根の投擲、羽根でのガードとかが主だね。」


そうやって質問を続けて行く中、私が気になったことがある。


前にアルバートさんや真里亜さん、セイラさんが私と同じように夢を見ていた事があった。もし聖夜さんも何か前世を示唆する夢を見ていたとしたら?

前世で起きたことがもう少し分かるかもしれない。


「聖夜さん。私も質問が…。」

「何かな?」

「聖夜さんは、何か変な夢を見ませんでしたか?」


夢というフレーズにピクリと反応を示す。

やっぱり、みていたんだ。


◆ ・ ◇ ・ ◆ ・ ◇ ・ ◆ ・ ◇


「何でそんな質問を?」


本心から言葉が漏れる。

何でそれを君が知っている?


変な夢なら毎日のようにみる。

まるで今この瞬間が逆に夢だと感じてしまう程にね。


「私は、セミリア・ファルの姫であるイア姫の夢を見るんです。私がイア姫になっている夢を…。」

「それ、興味深いわね。聖夜も心当たりがあるんでしょう?…私もよ。私も心当たりがあるわ。」

「夢なら確かに俺も見たなぁ。」


「紫綺くーん!」

「お前はどう思う?」

「へぇ、真里亜さんは読書がお好きなんですか。」

「何か頼もうかなぁー。」

「あそこの人、二人ですごい量食べてる…!」

「お腹空いてきたなぁ。」

「私はこれで…。」

「こらぁ!人のグラスを取ろうとしない!」


他の人の会話が耳に入る。

いらない情報ばかりが伝わってくる。

今聞くべきはそっちではないというのに。


「霧雨ちゃんも夢を?」

「えぇ、まるで前世の自分を見ているような…そんな感じがしたわ。」

「そう、そんな感覚がしたよ。気分は最悪だったね。」


あんな夢見たくなんてないよ。

でもね、ちょっと楽しんでる自分もいるんだ。

怖いよね。自分の知らない自分を発見するっていうのは。

自分が自分でなくなっていくような感覚と、自分という存在を確立していくような感覚が同時に訪れるから気持ちが悪くなる。


姫様になる夢なんて、随分とお気楽な夢を見ているものだ。


「貴方の夢は、悪夢だったのね。まぁ私もそんな所かしら。」

「俺は微妙だな。でも確か、イア姫には夢であった事がある気がする。」


「わーすっごぉい!あれを一人で食べちゃうの!?」

「な訳ないでしょ。騒がないの。」

「みんな元気ね。」

「秘密があるっちゅーのは、よーわかったわ。」


ざわざわざわざわ騒がしい…!

セイラだって困ってるじゃないか。


「ちょっと、席をあけるね。」

「あっ、はい。」


逃げ出したんじゃない、助けにいくためだ。


「セイラの所に行くわね、きっと。」

「じゃあ俺は霧雨ちゃんの近くにー!」

「それ以上近付いたら傘の先で眼球刺すわよ。」

「ひっ…!?雷野さん、冗談でもキツイです!」


皆が見た夢は、比較的ダメージが低かったように思える。

ならなぜ自分はあんな悍ましい夢をみたんだ?


白に紅を浴びて黒くなる夢。

パズルのように離れていく‘‘何か’’。


僕が何をしたっていうんだ…!



朱に染まる、とちょっと迷ったのは内緒。

でもやっぱり紅の方がイメージと合うんだよね。


紅といえば、月蝕がありましたね。

私は見れませんでしたが皆さんは見えましたでしょうか?


ブラッドムーン。凄く素敵な響きですよね。

緋威翔の前世のイメージにピッタリだと思います。

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