表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
blanket  作者: 璢音
第二章:非武装の武器
7/139

とうとう私の番…

○登場人物○


(ひえ)


全てが謎。何故生きているのかすらわからない。


鎌田 璢夷 (かまた るい)


常に冷静で、鎌田家の次男。

文武両道の優等生。


沙灑が信頼する唯一の友達。


unarmed arm→とある高価な文房具


雷野(らいの) 霧雨(むう)


口調がキツい女の子。


璢夷の事を慕っており、

嫉妬心が強い為が、璢夷に近づく女には容赦しない。


良く言えば一途で、璢夷の為なら何でも出来るという。


unarmed arm→名前相応の物



※心向家は次回

「…えっと、私のunarmed armは…。」


恥ずかしくてなかなか言えず同じような事を繰り返し話し、ただその場でもじもじしている私。


素直に言っちゃえば楽になれるかもしれないけど…やっぱりできない。どうにでもなれ作戦、失敗だ。


「もしかして、その鞄?」

「いや中身だろ。」


皆が詮索を始める前に出さなきゃ…!

焦った私は目を閉じて、鞄の中身を勢い良く取り出した。

その瞬間、皆が急に静かになる…想定内だ。


「それ…毛布?ださいし汚いわねー。」


雷野さんが言った。


確かにそうだ。時が経つと黄色くなる紙のように、毛布だって色落ちしたりなんだりで色は変わってしまう。落ちない汚れだってちらほらある。でも。それでも私にとって大事なものだ。

生まれてすぐの時から今までずっと一緒にいる親友…いや、家族。


「こっ、これは…私が赤ちゃんの頃から持っている物でー…


“冷”


といいます。」


色んな思いを噛み締めながら冷について話す。途中から何を話したか全く覚えていない。気がつけば場はシンとしていた。


やってしまった。これはもう、覚悟しなきゃ…


数分間の沈黙の後、誰かが口を開いた。


「15年間、ずっと大切にして来たんでしょう?だったらそれはとても良いことだと思う…。」


…え?


声の聞こえた方を見てみると、そこには心向さん達がいた。天使のようは微笑みを見せながら話を続ける。


「うんうん、政ちゃんのいう通りだよ。」

「大切にしてきた物には、魂が宿る…」


真希さん、政宗さん…優しい…!思わず涙が溢れそうになる。


「で、能力は?」

「えっと、それが」


実は政宗さんの言う通りで。


「ひ~!」


突如教室に響く声。


「えっ、何事!?」

「誰が叫んでるの!?」

「落ち着け、悲鳴…いや、鳴いているのはアレだ。」


璢夷さんの冷静な指摘を受け、皆が一斉にコレに注目する。

そう、さっきの声は“冷”


「まさかその毛布生きてるの?」

「うん。」


驚きを隠しきれない皆を背に、冷は鞄から飛び出し、教室中を飛び回っている。

政宗さんや真希さんの近くへ行きじゃれたりもした。嬉しそうに鳴いている声が聞こえてくる。


「ひぃ、ひ~ひ♪」


冷は教室が気に入ったみたい。色んな物に被さっては喜んでいる。

とある物語に出てきた魔法の絨毯みたいに辺りをふわふわと飛び、その絨毯とは違ってひーひー鳴いた。


冷は私が作り出した存在しない生物。

過去に私が毛布にひえったという名前をつけて、そこから色々設定をつけた。

それが今こうして武器として生きているというわけ。


「まさか飛ぶとはね。」


先生も驚いてるみたい。

冷はそんな皆の表情を見るのが楽しいのか次々に色んな人の側をスレスレに飛んでいく。


「空飛ぶ絨毯みたいだな…。」

「うわっこっち来んなよっ!」

「何びびってんの〜?」


いつの間にかさっきの静寂が嘘のように場が盛り上がった。嬉しい想定外だ。

ちょっと怖がってる人もいるものの、殆どのひとが冷を受け入れてくれたらしい。


沙灑さんが特に気に入ってくれたみたいで、冷も喜んで頬ずりをしたりしていた。恥ずかしいのかくすぐったいのか沙灑さんの頰が少し赤い。


「…ふん、注目集めちゃって…いいもん、別に。」


そんな中、雷野さんだけが楽しくなさそうにそっぽを向いた。どうしてそっぽ向いちゃったんだろう?


「よし、じゃあ次は鎌田家!三人共並べ~」


不安も喜びに変わり発表も終了。やった!

冷に声を掛ける。冷は飛んで戻ってくるとロールケーキのように丸まり、すっぽりと腕の中に収まった。そのまま開いたままのバッグに入れた。


やっぱり驚かれちゃったけど、引かれなくてよかった。


ふぅ、次は璢胡ちゃんたちの発表か。

気が楽になったしこの後の発表会を楽しめそう!

ついに明かされた月華のunarmed armですが…


題名の通り、blanket(毛布)です。


そして能力は…何と“生物化”他の物を生物に出来る訳ではないですが、冷自身は生きているようです。


この能力は滅多にいないそうで未だ謎に包まれています。


さて、次の話は鎌田家ですね。鎌田家は四人兄弟で、


長男(?)

長女(璢娘)

次男(璢夷)

二女=末っ子(璢胡)


で構成されてます。


ちなみに一番上の兄は学校に通っていません。


というのも、自分でunarmed armを制御出来るからです。


そういえば、私の名前はこの璢夷からとっています。


初期設定は死神だったのですがなんか色々変わってこんな形になりました。




では引き続きお楽しみ下さい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ