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blanket  作者: 璢音
再び戦いへ
69/139

悩む暇も無く

三連休にどこにも出掛けられないので家でのんびりしてます。

ゲームしてゲームしてゲームして小説書いて切り絵して……最高です!w←

ーーー話は十数時間前に遡る。


こちら側の人間で会議をしたあの時スパイの役目を引き受ける事になった自分は、シリウスの力を借りて見た目を変える事に成功した。


これで侵入するのが簡単になる……そう思っていられたのは束の間だった。


姿を変えた直後に感じた違和感。例えるならば、重りを体につけられたような感覚。すぐに正体は分かったが、嫌悪感しか抱かなかった。


どういうことなんだ。


シリウスは自分(リスィ)の性別を知らない。そして普段の自分とはなるべく違うようにしてほしいと頼んだ。その結果がこれだ。

今頃くすくすとシリウスは笑っているのだと考えると怒りが込み上げてくる。…が、そんな事を考えている場合ではない。


これは自分の為にしている事だ。シリウスに邪魔された程度でいちいち反応している暇はない。この間にも着々と時間は進んでいるのだから。


それに、もう慣れた。煽られるのも馬鹿にされるのも嫌がらせされるのも嫌われるのも。もう…慣れっこだ。


「リスィ、いるかい?」


麒麟の声がする。


「何だ君まで笑いに来たのかい?」

「姿を見たかったっていうのもあるけど、それより心配でさぁ。ほら、いるんでしょ?あの学校には。」

「まぁね。だからこそここまでするんだけどさ。…入りなよ。」


麒麟を部屋に招き入れる。

自分(リスィ)の姿を見て驚いたようだったが、他の奴と違い笑ったりはしていなかった。むしろ真剣な眼差しだ。


「……余計に分からなくなったよ。」

「何のこと?」

「何でもない。あっ、そうそう。さっきの話しの続きなんだけどさぁ、リスィはどうやって向こうに入るつもりなんだい?」


どうやら本当に心配しているらしい。

そこまで心配する理由がよく分からないが、友達としてというところだろう。

暫くここを留守にする事になるだろうし、麒麟としては少し居づらくなるかもしれない。


「どうやってって適当に。宏満と琴春が侵入できたくらいだし警備は緩いでしょ。」

「今は警戒している筈。しょっぱなから緋色くんに会う可能性もゼロじゃない。」

「会ったって気付かれやしないさ。どうヘマしたとしても小説家としての…緋桜としてバレるくらいだね。あと緋色くんじゃなくて緋威翔。」

「分かってるって。それにしてもやけに自信満々だなぁ…」


暫く会話を続けていると、更に来客があった。ノックが聞こえたので向かってみれば、宏満と琴春だった。


「用件は?」

「シリウス様から直々にリスィの手伝いをしてって言われたの〜。何をすればいい?」

「…そういうことだ。」

「ふぅーん。」


なら負け犬は負け犬らしくしてもらおうか。







そんなこんなで今に至る。

キャラにも周りの人達にもだいぶ慣れてきた。これなら簡単に入り込めそうだ。


「ねぇねぇ栞くん。」

「…なぁに?」


桃色をベースに白のドレープをたっぷりつけた洋服に身を包んだ女性。確か名前はルコ。

聞いた話によればこの場にいる妹の他に弟がいるらしい。


「栞くんって宝石集めてるの?さっき見たジュエリーBOXに沢山入っていたけど。」


昔趣味で集めたものを引っ張り出してきたがまさかこんな所で使えるとは思わなかった。


「うん、まぁね…。ほら、見ていると引き込まれるでしょ?そこが好きなんだ…。」

「こんなに沢山持っていたら武器とか関係なく狙われますよね。」


ルコの妹、ルゥ。自己主張が少ない気もするけど中々の観察眼を持っているようだ。自身の事を余り話さないため情報も少ない。


「そだね。ってかさぁ、こんなに集めてどうする気だったの?もしかして好きなコにあげるとか?」


花菜美。コード名はオミティリコス。

武器はブーツ…シリウスがこちら側に引き込みたいと話していたのを聞いた。けどこの調子じゃ向こうの味方につくみたいだ。


「ま、まぁ…そう?かな…。」


そんな訳ないがとりあえず話を合わせる。

彼女が満足する答えを返せば色々話してくれるはずだ。


「はぁー。あいつにも聞かせたいわ。」

「あいつって?」

「前、好きだったヒト。」

「へぇ〜…」

「タクヤって言うんだけど、本当に乙女心がわからない馬鹿だったからボロッボロにしてやったんだ!今もまだ病院にいるだろうね。」

「…武器をつくった原因はその人…かな?」

「!!?」


やっぱりそうか。

ふぅん。認められたいがために努力したが報われず、悲しみと怒りに震え爆発させましたって感じか。原因がはっきりしてるから、昇華も楽そうだなぁ。要はその男に認めさせればいいって事でしょ。


泣きながら喜んで武器昇華、とか簡単に目に浮かぶよ。


「乙女心が分からないなんて駄目な男…」

「本当よね!やんなっちゃう。でも今はいいんだ〜緋威翔サンがいるし♡」

「「えっ。」」


ルコはあっという風に焦り、自分とルゥは驚きの表情。ちょっと待ってどういう事?


「そ、そうなんですか…。」


これはルゥも花菜美と同じく緋威翔の事を…。待って待ってややこしくなってきた。緋威翔ってそんな人気あるの?もしかして接触するの、意外と難しかったりして。


あぁ益々ややこしく…。


「花菜美ちゃん。私、貴女に言わなきゃいけないことがあるの。」

「ん、何?璢娘姐。」

「緋威翔くんは色んな人から好かれているけれど、緋威翔くんには運命の人が…。」


初耳なんですが。


「だ、誰よ!」

「月華ちゃんよ。だって前に舞踏会した時一緒に踊ってたもの。」

「月華さんがウエディングドレスで緋威翔さんも白のタキシードだった…。」


舞踏会とかいう訳が分からない単語まで飛び出してくるし緋威翔タキシード着たんだとかウエディングドレスは結婚前に着たら婚期がとかどうでもいい考えが浮かんでくる…。


どんどん緋威翔のイメージがズレていくんだけどどうしたら良いんだろう。


「それと…私も緋威翔さんの事、好きだから。」


ルゥ、火に油を注ぐ真似しないで欲しい。

こんな時だけそんな堂々と宣言しなくても。


「な、なんですって…!」


あ、花菜美がキレた。


「ちょ。花菜美ちゃん!」


ルコが止めようとするが止まらない。そうこうしている内に花菜美のブーツがドス黒いオーラを纏った。


「皆してそうやって…信じた私が馬鹿だった!」


思いっきり巻き込まれたんだけどとりあえず放置でいいかな。二人の能力を見てみたいし。


「えっ…かな、みさん…?ど、どういうこと…?」


パニックを装ってわざと尻餅をつき膝を震えさせる。すぐに自分の異変にルゥ・ルコが気付き自分を守るように前に立った。


「ごめんね栞くん!巻き込んじゃった!」

「ごめんなさい。」


謝る二人に花菜美の蹴りがヒットする。

ほらほら、こっちに気を使ってる場合じゃない。花菜美を抑えるんでしょ?


「ぐっ…。」

「っ、はぁ、はぁ…。」


ルコはあまりダメージ入ってないみたいだけどルゥは思いっきりダメージ入ったね。

恋敵だから容赦なしってところかな。


「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ァ!!」

「ガキン!」


花菜美の連続蹴りを次々躱し、当たる攻撃には…スティックで対応か。つまりルゥの武器はあのスティック及び楽器。面白そうな武器だ。


「‘‘並縫い’’ぃ〜!」


一方ルコは技名から察するに縫い針と糸が武器か。糸は他のものでも代用がききそう。


「姉さん!並縫いじゃ弱い!もっと固めで!」

「はいはぁーい。じゃあリボンでー…‘‘固結び’’!」


花菜美の足に沿うように針が動き足を拘束する。更に腕や身体にリボンが巻きつき勝手に硬く結ばれた。拘束系の攻撃か。厄介だな。


「ぐっ…ぎぁ…。」

「姉さん!一瞬キツめにして気絶させて!」

「はいはあい。」


ルゥの指示通りにルコが動くという連携の取り方なのか。効率的だ。

ルコが足止めしているあいだにルゥが攻撃、バランスがいいと言える。


ルコがリボンへの力を強めると、固結びされた筈の部分を無視してリボンが更に絞まる。同時に花菜美が気を失ったように体をだらりと落とした。

それを見切ったルコは即座に力を緩めリボンをほどき花菜美を抱える。


「つ、強いんだね…。」

「そうでしょうか?」

「こんなことになるなら言わない方が良かったかしら…。さてと、とりあえず学校へ戻りましょうか。栞くんの手続きもあるし、花菜美さんを保健室に連れていかないと。」

「そう…だね。」

「でも栞くん。貴方もいつまでも守られてちゃ駄目よ?しっかり学んで女の子を守ってあげないと!」

「うん…頑張るよ。」


その後は特に何もなく学校らしき場所へついた。図書館から少し離れたところにあったのか。

ここに緋威翔や自分と対になる力を持った人がいると思うと自然と拳を握る。


「さぁて。まず保健室にいったら職員室ね。その後は第七教室かしら。」

「随分と広いんだね。」


これは素直な感想。まさかこんなに広いとは思ってなかった。

生徒の数もそこまで多くないし、この人数でこの施設は大きすぎやしないだろうか。


「近くには寮もあるわよ。いづれ栞くんも利用することになるから、後で場所を教えてあげるわね。」


校門を過ぎ入口へと移動する。

すると後ろから数人が歩いてくる音がした。

まさか最初からバレていて誘導されていた?いやまさかそんな筈はと冷や汗が流れる。

振り返ってみれば特に包囲する様子もなくぞろぞろと誰かがこちらに向かってきていた。


「あら…おかえりなさい!随分遅かったわね。流石海外組ぃ!」

「兄さんお帰りなさい。どうだった?」

「あぁ、ただいま。任務の方は成功だ。何名かを現地の学校へ入学させることに成功した他、とあることも確認できた。」

「そうなの。流石は璢夷だわ!」


海外組?海外に派遣されたメンバーということだろうか。ならたまたま帰還と同時にこちらが来てしまったというだけか。心配して損してしまった。


「む。見たことがない顔だな。新しく入るのか?」


ルイという男と目が合う。朧げな中に一筋の光を纏う瞳。こいつは危ない気がする。

本能も告げている。あまり関わるべきではないと。


「殆どは紫綺と美麩のおかげだがな。」

「そんな事ないって璢夷は謙遜しすぎ。」

「そうよ。璢夷だって…。」


挙げられた名前に反応し背筋が凍った。頭も真っ白になる。

会ってしまった、自分が最も会いたくない人に。

これは慎重に行動しないといけないな。


そう、自分が最も会いたくなかった人物。その人の名は、美麩。


最初は麒麟の登場はなく、宏満と琴春がリスィの部屋にやってきて…という流れでしたが見事にエラーで消えました。乙。

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