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blanket  作者: 璢音
再び戦いへ
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私が私らしくある為に

今回は予告通り、花菜美の心の中を探っていきます。……というより、本音を暴露してもらいます。



はてさて今回はどの方向に向かっていくのでしょうかね?

私はあの日、決断をした。

幼馴染の彼から言われた一言によって。


当時私はオシャレなどに興味もなく、むしろそのようなものをバカバカしいと思っている一人だった。美とは内面の事を指す。だから、外見をどんなに飾ろうと変わらないと思っていた。


しかし周りは当然そのような考えの人ばかりではなく、反対に外見を見て判断するような輩ばかりだった。だから当然、私はそんな輩達の視界に入る事なく日常を過ごした。


そんな中、私の友達といえばその幼馴染の彼だった。


彼は明るく、また周りに人気があった。だからそんな彼が私に優しくする事に皆驚いていたようだ。では何故私に優しいのか?それはただ簡単に、幼馴染だからという答えから成り立つ。


幼稚園の頃から一緒だったから。

外見など気にしない、無邪気な頃に友達になったから。ただ、それだけ。

でも私にとっては大切な友人だった。


……私は密かに彼の事が好きだったんだ。


小学校も、中学校も一緒。クラスが離れてもよく一緒に帰った。家が近かったから。

皆は彼目当てによく一緒に帰ろうと誘ってきたっけ。私はただ黙って、好きにして。私が決める事じゃないからって大人ぶって。でも本心は、二人の間に入るという行為を嫌がってたんだ。


暫くして、私に新しい友達が出来た。名前は菫ちゃん。スミレみたいに綺麗で、皆から好まれてる女の子だった。

どうして私と友達になったのかは知らないけれど、菫ちゃんは私に優しくしてくれたから、次第に打ち解けて行った。


私に新しい友達が出来たと知った彼は、じゃあ今日から一緒に帰ろうって言って、それから三人で帰るようになった。


たまに帰りに寄り道して、川の近くで夕日を見たり、お菓子を買ったりして仲良く過ごしたんだ。


だから、私は菫ちゃんも私と同じ考えの持ち主だって思ってたの。でもね、違った。見てしまったの、ある日皆が居なくなった後の教室で、菫ちゃんが彼に告白してたのを。

彼はただぽかんとして、答えなかった。

いつまでも待ってるから。多分そう言われたんだね。


先を越された。そう思いもしたけど、それより思ったのは、彼に近づく為に私に近づいたんじゃないかって。聞いたら案の定そうでした。


「ごめんね…どうしても、きっかけが欲しくって。でも、花菜美ちゃんの事、ちゃんと友達だって思ってるから」


ついでみたいな言い方されたから、私キレちゃって。そんな友達なんていらないって。でも、それを影から聞いてる人がいたの。……そう、彼。だからね、私も思い切って告白したわけ。菫ちゃんと付き合うくらいなら私と付き合ってって。そしたら、彼はお前みたいなオシャレもしない女なんかと付き合いたくないって。


傷ついた私は何も言えなくなって。その場から逃げ出して。一人で部屋に閉じ籠って。それでやっと落ち着いたと思ったら、今度は怒りに染まって。


……綺麗になって見返してやる。


そう決意して。


それから、自分磨きを始めると私はすぐに光出したの。まるで宝石の原石が磨かれていくように。皆の対応もすぐわかるくらい極端に変わったわ。特に男子。よく話しかけてくるようになった。……でもシカトしてやった。

私には彼しか見えてなかったから。


そのうち、モデルもするようになった。だから認知度も上がったらしくて色んな人から声掛けられるようになって。


菫ちゃん、悔しそうだったなぁ。


彼の対応も変わっていったから、丁度いい具合の時に再度告白したの。勿論答えはオッケー。でも、可愛いとは言ってくれなかった。私にはそれが意外かつ悔しくて。もっと、もっとというように綺麗になろうとしたの。


ブーツを買ったのは、二人で初めて過ごしたクリスマスの日。朝に買ったの。靴屋さんで一目惚れしちゃって。彼はすぐ気付いてくれたわ。でもやっぱり可愛いって言ってくれなかった。


それから、武器が発動したあの日は丁度記念日でデートをしようと思って彼の元へ言ったの。そうしたら、彼は何を思ったのか別れようって。


「今のお前は、可愛くなんてない。ただの化け物だ。」


そう言われて、怒りが込み上げて。


私は何の為に綺麗になろうとしたの?

それは彼に可愛いって言って欲しかったから。彼がオシャレもしない女とは付き合いたくないなんて言ったから。


だから……だからこんなにも、努力して。綺麗になったのに。あの頃が分からないくらいに、可愛くなったのに。


なのに彼は、可愛くないって…そう言った。

今迄の苦労は何だったの?


私は貴方の為に……


そう思ったら怒りしか湧いてこなかった。悲しみも悔しさも何処かへ落っことしてしまったみたいにぽっかりと消えちゃって。ただただイライラして。


足が勝手に彼を攻撃してた。


…でもそれで……スッキリしたの。

私が受けた悲しみを、あいつに押し付けるの。そうしたら、私は楽になれる。

もう、悩まなくて済むの…


苦労もしなくて済むの……


でもそうしたら私は元の地味な女の子に戻っちゃうじゃない…


いつしか私にはオシャレがとてつもなく大事になってて。依存してしまっていたの。

もう、戻れない。


だから、なら、私が今、戻らない為にするには……彼を消すしかなくて。


もう、思考は停止しちゃって。

ただ欲の向かうままに、身体を預けて。


それで…………


ただただ彼を傷つけた。


何で叩くわけでも殴るわけでもなくただただ蹴りたくなるのか不思議に思って足元をみたら、あのブーツだった。


きっと…ブーツが私の気持ちを代弁してくれてるのね。


私はその時……それしか思わなかったの……

狂気に染まった私を、彼は見ていたのね…。


少しやりすぎたかなって気付いて攻撃をやめた途端、彼は逃げ出した。化け物って叫んで。私は彼を追いかけた。そしたら横断歩道に飛び出して車に轢かれちゃったの。当然病院いき。流石にあの時は絶句して何もできなかったけど、救急車が去った後で彼を逃がしてしまったって気付いて。上手く逃げられたんだって思ったらまた怒りが込み上げてきちゃって。だから病院も突き止めた。


それで病院行ったら貴方達に止められた。


……それで…少し冷静になったのかも。

今こうして皆に話してるんだから……。


もっとも、そう考えさせてくれたのは彼……カインさん、だっけ。


今はもう、あいつの事はどうでもいいの。

新しい(ターゲット)を見つけたから。


折角昔の事も断ち切れたことだし、私は私らしくありたいの。私は、ありのままの私でいたいの。


だからね、皆も私に協力してよね。


その代わり、もう暴れたりなんかしないって約束してあげる。だから、私の恋路を邪魔しないで。


今度こそ、可愛いっていってもらうの。愛しいあの人に。







何だか不安な方向に向かい始めたような…?

花菜美の次のターゲットとは一体?


一筋縄ではいかない花菜美ちゃんの回をお楽しみください(笑)

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