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blanket  作者: 璢音
第二章:非武装の武器
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unarmed arm発表会①

○登場人物○


安西(あんざい) 千佳(ちか)


明るく、自己中。

恋愛感情を持った相手をとことん追っていく。


unarmed arm→?


藤田(ふじた) 紫綺(しき)


かなりクール。

興味を持たないものに関しては全く反応しない。


人と関わるのが嫌いらしい。


unarmed arm→?


キーンコーンカーンコーンとお馴染みのチャイムがまた教室に響き渡った。


皆その時点で席に着いておりそれぞれのunarmed armを準備し出す。ただ、恥ずかしいのかまだ見せない方が良いと思っているのかは分からないが、チラリとしか見えずどんなものが宝物かつ武器なのかはよく分からなかった。


私はそれを出す気になれなかったので机の上に鞄ごと置く。

これが大切な物だという自覚がある分、更に恥ずかしいからだ。


「よし、じゃあ発表してもらうぞ。出席番号順に…安西からだな!」


先生の元気な声が響き渡る。先生は皆の武器を見るのが楽しみらしい。

何だか期待されているような感じがして嫌だなぁ。


「はぁ~い!千佳、いきまーす!」


最初に発表を行うのは千佳ちゃんのようで、元気な声で先生に応える。

真っ直ぐと伸ばした腕の先には何か四角に近い形の物が見える。


「…カメラ?」


見た限り、新しいカメラではない。少し昔のがっしりとしたカメラだ。

このタイプのカメラは写真を撮った後、うぃーんってそのまま上に写真が出てくる構造になっていたはず。


「んじゃ、一枚とりますよ~、はいっ、ちーず☆」


いきなり写真をとられた皆は、急な展開に特にポーズをとる訳でもなく、シーンとしている。

一人あんなテンションで恥ずかしくないのかな?


「うーん、どの子がいいかなぁ…?じゃあ、気に入ったからこの子で!」


千佳ちゃんは現像された写真を手に取りある部分を縁取るようになぞる。するとまるでマジックのように写真から謎の白い霧のようなものが出てきた。どういう事なんだろう。不思議。


「これ…、何ですか?」

「見てれば分かるよ☆」


気になるのも分かる。その霧はどんどん大きく、濃くなり更には形を持ち始めた。


「そろそろ…かな。」


そう千佳ちゃんが言った時には霧はある人物の形になっていた。実体を持つかのようにカラーで尚且つ奥行もある。更にはモーションまでついているから驚きだ。ドッペルゲンガーという単語が頭を過った。


「………俺?」


そう呟いたのは、紫綺さんだ。

確かに紫綺さんに瓜二つの姿をしている。髪型も身長も何もかも忠実にだ。


「そうだよ~、良く分かったね~☆」

「気に入ったってまさか…」


気まずそうに呟く璢胡ちゃん。その璢胡ちゃんの言葉を聞いて千佳ちゃんがウインクを返す。その目からは星が飛んでいるように感じた。


「御名答っ。 そう、気に入っちゃった!見た目も性格も何もかも。本当かっこいいーっ!!」

「は?」


うっとりとした表情を見せる千佳ちゃんとは裏腹に、当の本人の紫綺さんは嫌そうな顔をしている。片想いみたいだね、千佳ちゃん。


「ちなみに、この子…貴方の力を使えるからね?」


そ、そこまでコピーしているの!?

それって凄い能力なんじゃない!?って紫綺さんを選んでくれて良かったかも。

助かった…!


「…ふぅん。」


紫綺さんは最初は動揺していたものの、落ち着いたのか千佳ちゃんを見ずにノートに何かを書き綴り始めた。日記の類…とかかな?誰が注目する訳でもなく淡々と書き続けている。


何を書いているんだろう?そう気になった私はそのまま紫綺さんのの手元をみていた。

すると数十秒後に紫綺さんがペンを置いた。その瞬間、“紫綺さん人形”の姿が消えてなくなる。元の霧と化したのだ。


「えっ…何で!?」


確かにビックリ。

突如人形が消えるなんてまた驚きだ。千佳ちゃんも想定外だったようで、あり得ない!という表情で紫綺さんを見ている。


逆に紫綺さんの方は、当たり前だとでも言うように、そっぽを向いていた。


「………」


黙る千佳ちゃん、もしかして見とれてる?

完全に自分の世界に入っちゃってるみたい。あらら。


「成程、安西さんの能力は写真に写った物を自由に出せるんですね?」

「そーゆー事です、先生。」


見兼ねた先生が強引にまとめに入り、進行する。


「じゃあ次、右流砂!」

「……。」


返事はなくその代わりに1人が手をあげた。沙灑(さしゃ)さんだ。彼は一体どんなunarmed armを持ってるんだろう?


見たところ沙灑さんは運動とかが苦手そうで、絵が得意なタイプに見える。

ほっそりとした身体にどこかほわーんとした雰囲気。お人形さんみたい。あ、本人に失礼かな。


昨日話しかけてみたけれど、恥ずかしそうに顔を隠すばかりで話をしてはくれなかったから、どんな人なのかはよく分からない。分かったのは、恥ずかしがり屋ってことだけ。


そんな彼の武器と考えると、儚げに消えるようなものじゃないかなぁという考えが頭をよぎった。例えば霧とか。もといアロマミストを噴射する加湿器とか。イメージにピッタリかも。


そんな想像をしながら、彼の発表を待った。

…千佳の暴走は今後もありそうですね(笑)


※千佳のカメラにはまだ紹介していない力もあるようです。



初登場、千佳&紫綺!


紫綺くんの力、気になりますよねぇ~。


だけど、出席番号が後ろの方なんですよ(笑)←


次は右流砂くん→月華→鎌田家の順ですね。


さて、右流砂くんの次に出番が来てしまう月華!


一体どうする!?

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