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blanket  作者: 璢音
再び戦いへ
47/139

プライドを傷付けられた乙女

どうも。本編久々の更新となりました。

バイト帰りにこれを書き上げた次第です。


正直、眠い。


それと早く話を進めたい。


実のところ、武器所持者の案(見た目、所持する武器、名前含む)は既に20以上溜まっており、それぞれのエピソードも完成しています。しかし小説の進行上まだ出せないキャラが沢山。


まぁ、中には考えた順より早く登場しているキャラや、その逆もいます。因みに前者は氷椏や幟杏、御知。



これから先どうなるやら。



「おはよう」


休日を終えて、学校に向かった私達はミッションカウンターに集まっていた。今日もまた、助けを求める人々の元へ向かうために。チームによっては外国で活動しているところもあるが、私達の班は今のところ遠征に行くこともなく、次なる依頼者の情報をもらうためにここに集まった訳で。


ミッションカウンターには、私を含め数名のクラスメイトが集まっていた。私の班である、緋威翔さんとノエルさん。そしてセイラさんの班、セイラさん、カインさん、ケインさん。それからこのミッションカウンターの受付担当の氷椏さん、幟杏ちゃんもいる。


ミッションカウンターを囲み、私とセイラさんはそれぞれ紙を握りしめていた。その紙は、依頼者からの紙で依頼を受けるために必要な紙。それを氷椏さん達に提示することで、依頼を受けた事になる。その時点で依頼者からの情報を手に入れることができる。


「今回の標的(ターゲット)は、かなり攻撃的なようです。武器の能力は不明ですが、既に一人犠牲者が出ています。どうやら病院で治療をうけているらしいので、話を聞きに行くのもありかもしれません。」


氷椏さんによると、私達の今回の相手は手強いようだ。


「セイラさんたちの標的は、どうやら大人の方が完了してくれたみたいです。なので月華さん達のサポートをお願いします。もしかしたら標的の他に数名武器所持者がいるかもしれません。それに、被害を受けた男の人が気になることをつぶやくんです」


「気になること……?」


「俺はあいつに殺されるって……」


「殺される!?」


そんなことを被害者が…。そこまで今回の武器所持者は極限状況にあるんだ………。

だから攻撃的にもなってるし、被害者も出てる。気をつけないと私達も危ない。


「お気をつけて。健闘を祈ります」


「せいぜい頑張ってー。」


心配そうな顔をする氷椏さんと、明らかに退屈そうな幟杏ちゃんを背に私達はミッションカウンターから病院へ向かった。

セイラさん達三人にはレーダーを元に追跡を行ってもらっている。其の間に私達三人は被害者への聞き込み行うことにした。


被害者が入院している病院は比較的建物の規模が大きく、施設が充実しているようだ。この前テレビで最新医療機器がなんちゃらとか言っていた気がする。ここに入院している患者さんは治すのが難しい病気や重傷の人が主で、風邪による熱などは近場の小さなクリニックで診察を受けているようなので、被害者もかなりの重傷なのだろう。話が出来る状態だといいけれど……。武器による傷が残る今、フラッシュバック等で塞ぎ込んでしまう可能性もありうる。ここは武器所持者であることを明かさない方がいいかもしれない。


病院に入ると、独特のに匂いと真っ白な壁。そこに置かれたカウンターに看護師が一人。女の人だ。受付嬢だろうか?とりあえず被害者のいる病室の番号を聞き出すことにする。


「あの……」


声を掛けると看護師さんはこちらに微笑みかけ、何でしょうかと問いかけてきた。私はすかさず被害者の名前を口にし、病室の番号を聞く。看護師さんはお見舞いですか、と言って病室の番号を教えてくれた。


早速被害者の元へと向かうことにする。


「それにしても」


廊下を歩きながら緋威翔さんが言った。


「被害者は何故武器所持者に攻撃されてしまったのでしょうか?」


言われてみればそうだ。無差別だとしたら被害者の数が少ないし、故意に攻撃したとすれば、理由が分からない。一体何故?


「追加情報によると、武器所持者の名前は佐倉(さくら) 花菜美(かなみ)。女の子みたいね。更に言っておくとこれから会う被害者は男。二人の間に何かあったんじゃないかしら。」


「成る程。二人は全くの他人ではなく、少なくとも顔見知り以上の関係だったということですか。」


「そういうことになるわね。」


会話をしている内に、目的地へ到着。相手の様子を伺うために、ゆっくりとドアを三回ノックした。すると少し間をおいて弱々しくはあるがどうぞ、という男の人の声が聞こえた。私達は安心して病室にはいる。どうやら話はできそうだし、私達が来たことに動揺していない。もしかしたらもう私達がくることを知らされているのかもしれない。


病室のなかは至ってシンプルな作りで、やはり白い壁に囲まれている。ベッドは計6つだが、そのうちの2つには人はおらず、被害者が横たわるベッドを除く残りの3つのベッドには、それぞれ子供が寝ていた。小学生から高校生までがこの病室なのだろうか。


一度辺りを見回し、被害者を探す。すると窓に一番近いベッドに彼はいた。彼の側に近づいていくと気だるそうにこちらを向く。


「お前らが俺の親父に依頼を頼まれた武器所持者とかいうやつか?」


言葉遣いは多少乱暴ではあるが、表情に本音が出ていた。どうしようもない、助けて欲しいと目が語っている。

見れば彼の体のあちこちに包帯が巻かれており、足は宙ぶらりん状態。骨折しているのだろう。

傷がどんなものかは分からないが、相当攻撃されている。


「話が早くて助かります。では、早速話を進めましょうか。」


緋威翔さんが仕切、話題が展開される。まずは、私達が必要な情報を聞き出す所から。


「武器所持者は女性ということですが、その女性は知り合いですか?」


「あぁ、知り合いだよ。同じクラスだったんだ。花菜美とは。」


「武器を発動した瞬間は見ましたか?」


「見てない。気づいたら吹っ飛んでた。その後体を強く打ったらしくて気ィ失った」


クラスメイトだったんだ……。ということはそれなりに接点がある。何かトラブルがあったとしてもおかしくない。

全身の包帯も、骨折の件も、花菜美さんの武器が発動した事による衝撃波……?或いは能力?

何れにせよ、私のような防御型の武器ではないのは確かだ。


「武器が何だかは分からないという事ですね?」


「いや、武器は多分アレだ。俺は蹴られて宙を舞ったから足に何かあるんじゃねぇか?それより、お前ら……本当に大丈夫なのか?

お前らが弱いとこのままじゃ俺は殺される……!」


「どういうことなんですか?詳しくお願いします。」


私が問いかけると、彼は急に怯えたような顔をして呟いた。あいつの武器が発動した原因は俺だと。あいつは俺に対して怒りを抱いている、恨みも抱えている。俺が気を失う前にあいつは憤怒で顔を歪めざまぁみろと呟いていたと。俺が生きていると知ったら病院を突き止めて、殺しにくると……。


正直、恐ろしい。今まで相手にしてきた武器所持者達は比較的温厚な人が多かった。だが、肝に命じておかなければならないのも確かだ。この先、もっと凶暴な武器所持者が現れるかもしれない。私達はその武器所持者に立ち向かっていかなければならないのだと。


他の二人にも、焦りが見えた。


窓の外を怯えた顔で見る被害者は、もしかしたら今花菜美さんが向かって来ているのではという恐怖に苛まれているのだろう。

それが知り合いならばなおさらだ。


「……!」


緋威翔さんが窓の外を見て反応を示した。私は驚いて窓の方を見る。するとレーダーを片手にこちらへ向かってくるセイラさんたちの姿があった。彼女達は病院の場所を知らないはず。一体どうしてここへ?しかも、時々レーダーを見ては進んでいる。まさかーー!!




ゆっくりと開かれるこの病室の扉。まるで様子を伺うかのようなガラガラ…という音に一種の恐怖を覚えた。セイラさんたちが情報を聞きここに来たとしても、ここに辿り着くのは早すぎる。先ほど窓から見えていたのだから。その二点から推測できる答えが実証されるまで、一分も掛からなかっただろう。


「来たわね…!」


ノエルさんの第六感も告げているらしい。猫が威嚇するようにじっとドアを見つめる。


ゆっくりと開いていたドアが一気に開けられた。予想していた通りだ。お見舞いにしては挙動不審であり、表情も強張っている。

ツカツカとこちらに接近するその姿には殺意でさえ感じた。


被害者は入ってきた女性に気づくと声にならない叫びを上げた。間違いない。この人が武器所持者、花菜美さんだ。


ウェーブの掛かったブロンドの髪、前髪はピンで止めてある。そして雑誌に出てきそうな洋服。足に注目すると、異様な空気を放つブーツが目に入る。

あれが武器か……!


戦闘体制に入る私達を見向きもせず、どんどん近づいて行く花菜美さん。このままでは被害者が危ない。しかし、他の子供達もいる中暴れるのは流石にまずい。どこか場所を移動しなければ。


「取り敢えず外に出すのが先決ね!」


そういうなりノエルさんが飛び出して行った。

戦闘能力の無い私は冷を横に待機させ被害者の側に立つ。緋威翔さんはノエルさんの後方支援をするようだ。


ノエルさんは花菜美さんの目の前までくると、あろうことか花菜美さんを抱えた。

武器がある足を使えないように、しゃがんで近づき足を抱える。


「ちょっ……何すんのよ!!」


思わぬ展開に戸惑いながらも必死に抵抗する花菜美さんをよそに、ノエルさんはそのまま窓の方へーー。

すると緋威翔さんが徐に窓をあけた。部屋に清々しい空気が入り込む。ノエルさんはそのまま窓から外……三階からダイブ。


「きゃぁぁぁぁぁ!?意味不明なんだけどーっ、何!?無理心中!?」


パニックを起こし抵抗をやめる花菜美さん。そして平然とした顔で階段へ向かう私達。

そう、私達はお互い理解している。

今回の行動はこうだ。


まず、花菜美さんをここから遠ざける必要があると考えた。そのためには、花菜美さんを追い詰める形で病院から追い出すか、このように窓から外へ出すか。次に、ノエルさんの能力は猫化。猫は自分の体の何倍もある場所からジャンプし着地することができる。それ故に、ノエルさんがここからジャンプして地面に着地することなど簡単だ。


追い詰める形をとると花菜美さんを刺激することになるので、病院に被害が出てしまう。

そして花菜美さんは私たちの能力を知らない。この時点で作戦Bを取るのが有効。


窓から落ちることになれば、今のようにパニックを起こし少しの間抵抗しなくなる。そして最後に外にはーー。



「任せてください」


セイラさん達がいる。

カインさんは特に状況の飲み込みが早い。任せても大丈夫だろう。


私達が外に出るとカインさん達はもう居なくなっていた。その場待機していたノエルさんに話を聞くと、どうやら地面に着地した後逃げられてしまったらしい。慌てて三人は花菜美さんを追い、状況説明の為にノエルさんは残ったと。

これはすぐに三人を追うべきではないかと考えたが、妙な視線が後ろから刺さったことが気になり寸止めの状態となった。


後ろに誰かいる。


そう気付いて振り向くと、病院の入口屋根の部分に座っている人間が確認出来た。…知り合いではない。

座っている場所的に普通の人ではないので、警戒しながら話しかけた。


「何者ですか、貴方は……!」


「花菜美さんの仲間ですか?」


問うが返事はなく、ただ薄ら笑いを浮かべるだけである。不気味としか言いようがない。


「あーぁ、ディロスにメタニャ、おまけにフォボスが標的にされてこっちは大損だよー。そして次はオミリティコスときた。全くもう、仕事を減らさないでくれ。」


口を開いたかと思えば、全く会話が通じない。デロス?にメタナ?に滅ぼす?次はお神輿ときた?って何。


よく分からないことを言いながら、彼は屋根から降りてきた。


「臆病に後悔、恐怖にお喋り…?何のことを言っているんです貴方は。」


緋威翔さんが意味ありげに言う。どうやらさっきの滅ぼす等は聞き違いだったようだ。外国語だったらしい。どこの外国語か分からない時点で私には分からないが、緋威翔さんが日本語にしてくれたお陰で一応彼の言っている事が分かった。


「そのまんまだよ。俺の研究材料を減らさないでくれってコト。」


「貴方武器所持者を何だと思ってるの!?」


ニタニタと笑う彼から発せられた言葉は赦し難いもの。研究材料?

ノエルさんは彼の研究材料とは武器所持者を指すと考えているようで、威嚇力を更に強めている。緋威翔さんは苦々しい顔で彼を見ていた。一方、彼は特に悪びれた様子もなく、それが当然というようなフリをして、首を傾げた。


「何を熱くなってるんだい?君たちも研究対象だけど?」


「!!」


この人は間違いなく敵だ。私達武器所持者を研究対象としてみるなんて、味方では絶対しない。まず、殆どの事は政府が解明しているのだから。名を名乗らない以上、信用は出来ない。


……嫌な雰囲気になってきたなぁ…。


「月華、緋威翔!こいつをひっ捉えるわよ!野放しは危ないわ!」


そう言うのはノエルさんで、真剣な顔だ。緋威翔さんもその案には賛成らしく頷く。私もこの人は危ないと思う。しかしーー、この人が簡単に捕まってくれるはずが無い。ある程度の戦闘は覚悟しなければ。


花菜美さんを追った三人の心配をしつつ、私は目の前にいる誰かを見つめた。


ーーー戦闘、開始。




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