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blanket  作者: 璢音
第二章:非武装の武器
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璢胡ちゃんのunarmed arm

○登場人物○


鎌田(かまた) 璢胡(るう)


鎌田家の次女。

礼儀正しく、おしとやかな性格

unarmed arm→楽器

その後は平凡な話をしながら歩き、学校へ着いた。


何度も迷いそうになりながら教室へ向かう途中、璢胡ちゃんに会った。

璢胡ちゃんは入学初日に学校の校門前で会い、道を教わった時に仲良くなった子だ。


確かお兄さんとお姉さんがいたはず。


そういえば、この学校の特殊なところは他にもある。

それは年齢でクラスをわけないこと。

普通の学校みたく勉強もするけれど、基本は武器制御、ゆくゆくは警察に協力したりとかもするかもしれないから実践も行うみたい。


そして武器を発動させた人の兄弟は、兄弟の影響も受けるから武器を生み出しやすいらしい。それと一緒で、武器所持者の子供も武器所持者になる可能性が高いみたい。

私の家族で発動したのは私だけだったから知らなかったけど、前にテレビでそんなことがやってたのを思い出した。


璢胡ちゃんのお兄さんお姉さんも同じで、武器を所持してる。

そして、年齢でクラスをわけないから同じクラス。

お兄さんは璢胡ちゃんの一つ上、お姉さんはさらにその一つ上。

あ、でも璢胡ちゃんは特殊なんだった!


璢胡ちゃんは私よりいっこ歳下なので年齢からしたらまだ中学生。だけどこの高校にいるのはお兄さんとお姉さんがいるから。

万が一璢胡ちゃんが暴走しても、お兄さんやお姉さんがいれば止めやすいからなんだって。


私は一人っ子だから良くわからないけど、そうみたい。


だからお兄さんは私と同じ学年、お姉さんは私のいっこ上ってこと。

ちなみにセイラさんは私と同じ学年。カインさんとケインさんは私より上。


それにしてもセイラさんといい、璢胡ちゃんといい、華奢で清楚な女の子だから洋服がとてもよく似合うし可愛らしい。羨ましいなぁ。


「おはよう、璢胡ちゃん。」

「おはよ…」


挨拶をした直後、璢胡ちゃんが手に持っている物を見て、カインさんが言う。


「それは?」

「あぁ…これはstick(スティック)です。」

「stick…?」


皆は一斉に首を傾げる。

スティックをそのまま訳すなら、棒になるけれど、それにしては形が変だ。

先端になるにつれてすこし細くなっているし、その先端は球体に近いものがついている。


「打楽器を演奏する為に使う物なんです。」


簡単に言えばバチ…かな?

ドラムとかを叩いているときにチラッと見える、あの棒?


「それがunarmed armかい?」

「はい。」

「成程ね~。そっかそっかー。」


その話をきっかけに会話が盛り上がり、そのうちに私達は無事に教室へたどり着く。到着したのは私達が最後だったらしく、昨日の話などで賑わっていた。

この教室にいる全ての人は私の友人であり、仲間だ。なんだか心強い。


荷物をロッカーにおいて今日の授業の支度をしていると先生が教室に入ってきた。


「皆、席につけ~!」


皆が話を中断して、席に座る。

ガタガタという椅子の音が止み静かになるのを確認してから先生は話し始めた。


「えー…HRを始めます。みなさん、昨日伝えたとおり、今日はunarmed armを見せ合いますので、準備しておいて下さいね。」


一時限目から武器を見せ合うことになっていたはずだ。

どういう発表形態をとるのかはわからないけれど、私はどうしてもバックの中に有るものを出す気にはなれなかった。


それはとても大切なもの。

沢山の記憶が詰まった宝物。

小さい頃から、ずっとお気に入りだったもの。

でも決して綺麗なものではないし、他の人はもう持っていないであろうもの。

他の人に見せたくない。


けれど、そんなことを言っていても仕方がないのはわかってる。


でも怖い。もし武器を知って嫌われてしまったら?

これが原因で虐められたら?

このクラスの人たちがそんなことをするようには思えないけれど、でもやっぱり心配だった。


高校生活は、エンジョイしたい。

寂しい三年間なんか過ごしたくない。


だからこそ、昨日は慎重に慎重に皆と仲良くなったのに。

なるべく武器の話題を避けながらやってきたのに。これだけは避けられそうにない。


「むむむ……。」

「どうしたの月華さん?」


私が難しい顔をしていると、セイラさんが心配そうな顔をして気遣ってくれた。


「あっ、えっと。」

「心配なんですよね、他の人に武器を見せるのが。」


カインさんが微かに微笑んで落ち着かせてくれた。それに、その通り。

核心を突かれて私は苦笑いを返した。


「そんな。気にしなくても大丈夫よ。私達は仲間なんだから。」

「過去を思い出しちまうってのもちょっとアレだけどまぁ、気にすんなよ。皆抱えてんだ。皆で分け合えば負担も減るだろ?」


セイラさんにもケインさんにもそう言われ、何だか恥ずかしくなってしまった。

皆同じ不安を抱えているんだ。曝け出しても問題なんてない。


でもやっぱり、璢胡ちゃんみたいにパッと出して説明できるような物じゃないからなぁ……。


不安がっている私を笑うように、チャイムが時を示した。

えー…短い文でしたが、

学校での話でした。


次はいよいよまだ出ていないクラスメイトのunarmed armを発表します!

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