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blanket  作者: 璢音
第二章:非武装の武器
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計画通りの勝敗

いやぁ、久々の更新です。


このお話の方向性に迷い、話が進まなくなっていたのですが、やっと決まったので、続きを書いて行きます。


ではお楽しみ下さい。

(藤田)

大分時間が掛かったけど、まぁシナリオは出来たし良いか。


俺の能力、それは「プログラム」

自分の好きなように、プログラミング出来るんだ。但し、プログラミングするにはノートに内容を書き込まなければならない。簡単な物なら、絵で描いたり出来るから楽だけど、長い物は文で書かなくちゃいけないから大変なんだよね。


でも今回は特別。庇護(ひご)の元に準備出来るって知ってたから敢えて長編を書いたんだ。


さぁ、今頃あいつらは……


(月華)

そういえば、今まで色んな人がモニターに映ったけど、藤田さんが見当たらない。何処に居るんだろう?


今は、先程の家族対決の続きを映している。一瞬、違う人を映していた間に何かが起きたせいか戦況はガラリと変わっていた。


璢夷さんの前に崩れ去る二人の姿。一体一瞬の間に何が起きたんだろう。


璢夷「準備が終わったのか……早かったな」


意味深な言葉を呟く璢夷さんは、巨大なスケートボードを出現させていた。多分、能力を使って出したのだろう。


璢夷「いくら争いとはいえ、すまない」


そのスケートボードに二人を乗せ、保健室へと向かったようだ。流石璢夷さん。優しい……


(藤田)

シナリオ通りになったんだったら早々にあいつの元へ行かないとな。あそこから先は物語を書いてない。何が起きるかも分からない。


(藤田「蒼藍、さっきあいつがいた場所に戻るぞ。後、もう俺を庇わなくて大丈夫だから、外に出せ」)


美麩「分かりました」


(月華)

モニターに映った蒼藍さんが、急に鍵を空に向けて構えた。そして、ゆっくりと錠を外すような仕草をする。


一体何をしてるんだろうと思ってたら、空がまるで扉のように開き、中から藤田さんが落ちてきた。ずっと、あの謎の空間に居たのかな……?

落ちてきた藤田さんは、それを予測していたかのように見事に着地。


藤田「さて……久々の現実世界だな」


美麩「おかえりなさい」


藤田「戦況は大体分かってる、さぁ奴の居た場所に戻ろう」


美麩「向こうです」


淡々と会話が進んでいく。まるでストーリーを読んでいるかのように。不思議でしょうがない。


藤田さんと蒼藍さんは二人揃ってさっき輝生さんと戦っていた噴水広場に戻り始めた。


カメラも二人の後を追う。

やがてカメラはベンチに座る輝生さんの姿を捉えた。二人と輝生さんが合流したようだ。


輝生「お前ら……!」


藤田「さっきはお世話になりましたっと。」


美麩「貴方の持っている宝石、渡してもらいましょうか」


輝生「まさか藤田……、?(クエスチョン)はお前か?」


藤田「あぁ、そうだよ御名答」


明らかに不快な表情をする輝生さんを見つつ、二対一という勝負を挑む二人。明らかに二人が有利。

?「リーダー、遅くなりましたぁ!!」


更に参加者が現れた。

どちらの味方……!?


輝生「安西!!」


来たのは輝生さんチームの安西さんだったようだ。これで二対二になった。


安西「うわぁ、奇遇!藤くんが居るぅ!!」


藤田「げ」


美麩「……じゃあ安西さんは任せました。私は輝生さんと戦います」


藤田「気は進まないけど、分かった」



それぞれの相手を確認した所で、戦闘が開始する。

安西さんは写真を撮りまくり、藤田さんは何やらノートにすらすらと何かを書いていく。

そして輝生さんと蒼藍さんは


双方睨み合い。輝生さんはゲームをぴこぴこしながら蒼藍さんを睨んでいる。

少し経つと、ゲーム画面から一本の剣が浮き出て来た。ゲームで剣を召還したかのような、そんな光が剣を包んでいる。


輝生「二次元の物を三次元に持ってくる事だって可能なんだよ」


美麩「では……剣での相手となる訳ですか」


蒼藍さんが鍵に手を当てスライドすると、マジックのようにすーっと鍵が巨大化した。これなら剣に近い。


美麩「いざ尋常に」


輝生「勝負!ってな!!」


本格的な戦闘に思わず息を飲む。剣と剣が当たり鳴る音もちゃんと聞こえる。どうやら輝生さんの剣はちゃんと実体があるようだ。


一進一退を繰り返す二人。その姿はとても勇ましい。引くに引けないこの状況での真剣勝負だ。輝生さんは、蒼藍さん相手に一度負けている。リベンジに近いこの勝負、負けたくはない筈。


一方、残りの二人は謎の戦闘を繰り広げている。一心不乱に写真を撮り続ける安西さんに、これまた一心不乱にノートに文字を書く藤田さん。戦況は全く変わってない。

何で安西さんが、カメラの能力を使う事も無く、ただただ写真を撮っているのか分からない。

まさか……単に写真を撮りたいだけ……!?だとしたら、それに動じない藤田さんも凄い。


何か理由があるはず?


藤田「いい加減カメラしまえよ」


安西「嫌だよ~だって藤くんが居るんだもん♪」


藤田「……気持ち悪っ……」


かなり嫌われてるのに諦めないその姿、凄いです……


安西「さてと!沢山写真も撮った事だし、戦おうかな~」


ようやくやる気を見せた安西さんが、カメラで写真を見返した瞬間、顔色を変えた。


明らかに焦りが見えている。


藤田「どうした?何かあった?」


バカにするような笑みで藤田さんが言う。多分、安西さんがこんな顔をする理由を知ってるんだろう。


安西「全部……写真に何も写ってない……」


慌ててレンズを見る安西さんの顔に焦りの他、怒りの感情が現れた。


安西「右流砂ぁ……!!」


ここに居ない人の名前を怒りを込めた声で呟く。


これは……相当怒ってる。


藤田「それを考えたのは俺だよ?怒りの矛先間違ってんじゃない?まぁ、別に良いけど」


安西さんは必死にレンズから砂を払っているようだ。


藤田「……おやすみ」


「ドスッ」


抵抗出来ない安西さんの腹を容赦無く殴る藤田さん。安西さんはその攻撃によって気絶した。手に持っていたカメラが安西さんの手を離れ、宙を舞う。


藤田「おっと。流石にこれ壊したら怒られるか」


宙を舞ったカメラを見事にキャッチしたのは藤田さんだ。レンズに息を吹きかけ、砂を落とした。


藤田「右流砂、そこに居るのは分かってる。怖がらずに出ておいでよ」


噴水の影から、右流砂さんが現れた。どうやら戦闘(と人)が嫌で隠れていたらしい。


藤田「一瞬、名前呼ばれてビビったでしょ?」


右流砂「………」


「ガサゴソ……」


特に返事をする事も無く、頷く事もせず、右流砂さんはまた噴水の影に隠れてしまった。

そこまで人が苦手なんだ……。

普通からしたら、何だこいつってなるかもしれないけど、右流砂くんは前からこんな感じだからなぁ……。


藤田「蒼藍の方は?」


右流砂「……相討ち」


右流砂さんは、噴水の影から指差す。その先に、倒れた蒼藍さんと輝生さんの姿があった。双方は傷だらけ。五分五分の戦いだったせいか、決着はつかなかったようだ。


藤田「……何か違うけど…ま、気にしない気にしない。」


右流砂「…宝石…」


藤田「あ、そうだった」


藤田さんは、輝生さんの服のポケットから宝石を取り出した。


藤田「完全勝利?いや、そうでもないか」


カイン「輝生さんから宝石を取った事を確認。よって藤田さんを含むAチームの勝ち!!」


相手チームを全員戦闘不能にしての勝利。凄すぎる……。


審判のカインさんもこの事実に驚いているようだ。


セイラ「次は私達の番だね」


モニターで決着がついた事を確認した私達は、準備についている。次は私達の班が戦う番だ。


私は戦えないなりに、何かしら役に立たないと!という思いを胸に、このモニターのある部屋を出る。


璢夷「第二試合、Bチーム対Cチームを始める。審判は俺、璢夷が行うぞ」


Bチームと、Cチームが向き合う。さっき、AチームとDチームが戦ったこの場所に。


璢夷「では……試合開始!」



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