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第31話 実はちょっとオタク?

 まさか、知り合いになった先輩が絶版扱いのゲームのプレイヤーだったとは。


 ソーシャルゲームでもコマンドの安直過ぎが災いして、結局はユニーク数が稼げず。一年程度で辞してしまったゲームが、『戦極ロード』と言うもの。


 基本的に、陣地拡大だけの優しめのゲームではあるが。キャラクターデザインが秀逸で人気。デザインを少し上乗せ出来るというキャラメイクは、『バトルスタイリッシュ』から得られる経験値や任務完了次第だ。


 その中でも、藍葉が選んだのは奥州を統治したと言われる『伊達政宗』。逆に、宗ちゃんの素体に奈月が選んだのは『井伊直政』だ。どちらも関ヶ原では東軍と味方側とされている。


 しかしながら、井伊直政は史実では討ち死にとかで天下統一前には存在していない。


 それでも、子孫は生きながらえて政治家としては有名ではあるらしいが。奈月が宗ちゃんにとフィギュアを選んだ理由は『赤備え』と自負している。



「武田の赤備え継承が、真田なら。徳川側は井伊家なんだよね」



 ゲームに起用されるのが少ない理由からも、今回はフィギュアが並んでいたため……選んだのだ。


 咲夜は事情がわかっていないからか、ポカーンとしてしまったのでしまったと言い訳を並べてはみたものの。



「……奈月くんは、カッコいいのが好きなの?」

「……うん」



 無いものねだりではあるが、細身と普通身長では引き締まった筋肉を求めてしまうのは仕方がないものか。可愛いと言われるばかりで、男らしさは程遠い。



「…………カッコいいと思うけどな」



 ポツリと聞こえてしまったが、変に返答しようとするのはやめた。今からは、真剣にシェルターの実験をするからだ。宗ちゃんの端末にした井伊直政のフィギュアを、シェルターの中央に入れると。



「左右上下から、熱源が一気に来るのよ。温度調整をちゃんとしないと、素体が溶けるから気をつけて」



 藍葉の説明を受けながら、ワイヤレスのキーボードを使って右から左に温度調整を始め。上下は咲夜に担当してもらうことにした。シェルターに遮られているせいで、擬似太陽の暑さはわからないが。



『……あちぃ』



 と聞こえた気がして、急いで調整はしてみたが。横にいた咲夜がグラフをチェックしてくれていたため、大丈夫だと頷いてくれた。



「……やるな」



 初回だが、クロードにも呟かれるくらいなら絶妙なタイミングだったのだろうか。幻聴が聞こえたにしても、温度を確認すれば砂漠よりも温暖化で常時『暑い』と感じる35℃超えの気温と同等だった。



「いい感じね? 今の調整だと、感覚的には百二十光年離れてても……シェルターの維持は保てるかどうかくらいね?」

「……宗ちゃんの改良は?」

「まだ無理にしない方がいいわ。耐久時間が100時間耐えれるかを縮小で計測しなくちゃ」

「……なるほど」



 シェルターは半永久の救済措置だから……下手すれば、宇宙生活の必需品とも言える。現実世界ではどれだけ計測されているかわからないが、これは有益な情報だ。



(……けど、さっきの声)



 宗ちゃんにしては低いし、幻聴にしてははっきり聞こえたので……並行世界側のコチラと現実側が何かリンクでもしていたのだろうか。


 ひとまず、次の実験を教わることにした。

次回は水曜日〜

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