表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/56

第30話 葉一枚の差

 そのひとつ。


 ズレの確認があれど、それは障がい扱いされ。


 拘束され。


 栄養をぬかれ。


 固められ。


 死装束に近い装いにされ。


 我らは、わずかな差でズレを幾度も経験する。


 どれほど、訴えても誰にも届かないでいたのに。


『彼』には届いた。


『彼』はすぐに気づいてくれた。


 わずかな重なりを、ひたすらズラしてズラして……ひとつの『贄』に座標を置いたのは、誰か。


 この一瞬から、『誰か』もわからない。


 最初は最後なか。リスタートを切ったのも誰かだなんて、もう定かではない。


 奈月か。


 まちゃか。


 メメか。


 咲夜か。


 クロードか、藍葉かだなんて。


 もう、誰か誰かだなんて……はっきりわからない。


 ひとつの『核』を埋め、シェルター制作をしているのも並行世界では一般的なのを誰もがはっきりとは知らない。


 それが、どの世界での『自分』であってもだ。



『循環のために、水の毒と土の毒は……洗い直す方法が違うんだよ。元先人とやら?』



 ノイズの入ったその声は男か女かどちらかもわからない。むしろ、混在した『自分』かもしれないと感じたのは、藍葉が一番早かったと言える。


 別の並行世界で気づいた彼女は、彼女のシェルターで息子か孫でもいい彼らをひとつ育成しようとしていたのだから。

次回は月曜日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ