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第13話 リハビリついでのスポーツ体験

 端末がちょうど届いたその日に、雅博が隣の部屋から出てくるなり提案をしてきた。



「面白いことしてみね?」



 と、レジャー施設用の水着は忘れずにと一式鞄に詰め込み。


 到着したのは、プールではなく少し涼しい部屋だった。二つのアクリルで出来た浴槽の隙間に、雅博が以前使ってたサーフボードのようなものが浮かんでいたが。前に引っ張るような配線がきちんと繋がっていて、左右には当たらない配置。



「面白いこと?」

「俺、ここのオーナーの息子なんだけどさ? レジャー施設の使い方がマンネリしてっからってことで、ちょい『提案』してるわけ。あれはあくまで実験の設備」

「……温水プールじゃないなら? 何するの?」

「……外は暑い。だから、冷たいもんを自分たちで作る! さらに、遊びながら!!」

「…………は?」



 やりたいことはなんとなくわかっても、この設備でどうやってアイスとかを作れるかわからなかった。その反応を予想していたらしい雅博も、デバイスのグラサンを利用して浴槽の右には固そうなバレーボール型の入れ物。


 もう片方には、座席とその固定ベルトが登場したわけだったが。


 奈月には、座席へ座れと言うことらしい。サーフボードは確かに初心者なので、線で固定してあっても転ける心配は大いにあった。


 準備が出来たら、サーフボードには雅博が当然乗り。デバイスを軽く起動しただけで、波が出て彼が操るのはよかったが。


 浴槽でグルングルンとアトラクションのバイキング並みに揺らされる、奈月の状況は全然わからないでいた。



「どーだ! この新感覚!」

「む……りぃ!」

「これでも遅めだから我慢しろ!」



 掛け声と同時に、浴槽ではなくコーヒーカップのバイキングと化したアトラクションだが。


 事前に食事をほとんどしなかったのが正解なくらいに、左右の揺れたら大きく上下に回転。虚弱のせいで、まともに遊んでいなかった奈月への負荷は身体より精神側に負担が大きかったが。


 怖いよりも、びっくりが続き過ぎて。


 次はどこを回されるのかわからない状況が、だんだんと楽しくなってきた。停止した頃には、今までにない爽快な息切れをしていたと思う。


 雅博は反対側のボールをチェックしていたが、まだ不満そうな表情をしていた。



「何か入って……って、それがアイス?」

「の、専用のな? 層の内側に氷と塩入れて回転させれば……なんだけど。まだ足りん」

「……僕、今度サーフボードしていい?」

「お? 興味あっか?」

「挑戦してみたい!!」



 宗ちゃんは端末の中に組み込んだので、用件があるとき以外出てこないようにはしたが。今回は奈月が並行感覚を整えるのに、イヤリング型のそれから出てきて丁寧に教えてくれた。

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