第9話 壊滅的状況
モモとタボはいつもの様に魔物の討伐に出かけていた。今回はあまり魔物の出ないセイレンソウ(星蓮霜)という花がよくたくさん咲いている場所で戦っている。
「なぁタボ やけに魔物が多くないか?なんて言うか今までの魔物と違って意思を持って俺らを攻撃して来ている様な」
「そうかなぁ?僕にはそうは思わないけど」
そんな違和感とは裏腹に簡単に魔物を倒しみんながいる宮殿へ帰った。帰る途中でタボは図書委員の仕事があると学校へ向かい宮殿には紅也とロッティー先生が学校の体育館によくあるスクリーンの様なのに映し出されている映像を見ていた。
「おっすーただいまー」
「おーモモおかえりー」
「おかえりなさい」
「何見てるんだ?」
「ちっちゃいもの隊が少人数でこっそりウォーターズの家に忍び込んで映像を撮って来てくれてるんだ」
「ふーん。んで今の所わかった事はあるのか?」
「ない」
「ないのかよ…」
モモは呆れた顔で奥へ行った。
その瞬間サイレンが鳴り響いた。紅也は急いでロッティーの研究所に行った。研究所のドアを開けるとモモがスクリーンを見ながら絶望的な表情をしているのを見て紅也も見るとスクリーンには無数の魔物がぬいぐるみの国に向かって来ている映像が出ている。
「これは多すぎだろ・・・」
「モモ達将軍で倒し切れるか?」
「この量の魔物は被害なしで倒しきるかわからない」
「兵は魔獣倒せないのか?」
「倒せない。魔獣を倒せるのは俺ら将軍だけだ」
そしてモモは急いで宮殿を出て魔物のいる場所まで飛んで行った。モモが宮殿を出る時ある人影が宮殿に入って行く。人影が紅也を見つけるとお兄ちゃんと呼ぶ。振り返るとそこにはあの時助けた女の子がいた。
「お兄ちゃん!助けて奴が来るの!」
「奴?まぁここにいてね」
奴?ウォーターズの事かな?
ミミとタボと合流しフィーは車で移動するとモモのデバイスにメッセージとして出ていた。
「うわー魔獣がうじゃうじゃいるな。自分達だけで倒せるかなぁ」
「倒せるか倒せないかじゃないの!絶対に倒すの!」
「倒せないかも」
「ほらーフィーがそんなとこ言うからタボが自信なくしてるじゃない!」
「だってー」
無数の魔物が迫っているのに少し気が抜けた茶番を繰り広げる将軍達。
「おーいそろそろやるよ、もう魔物が目と鼻の先くらいだ」
モモの呼び声でそれぞれ魔物討伐用の姿に変身し戦闘態勢に入った。
「ふん!こんな奴ら目じゃねえ!」
「量が多いだけで大したことないな!」
そしてモモ達は鬼の形相のように魔物を次から次へと倒していく。
その時だった、大量の魔物の背後から土煙を上げながらやってきた
「お前は!グラ=セノラ、だがお前は1度俺たちには敗北しているのにまたやられに来たのか」
「よぉお前ら。そんな事言っていられるのも今のうちだぞ。」
セノラの一言で異様な雰囲気に包まれ魔物の力は一層に強くなっていった。
「セノラの相手は俺がするから2人は魔物討伐に専念してくれ。」
モモは魔物討伐用から戦闘用の姿になり剣を取り構える。
「どれくらいオレ様を楽しませてくれるんだ?」
「楽しむ時間はほぼないと思え!返り討ちにしてやる」
苦無は忍者の武器です。