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公園

母方の親戚の家に預けられる事になり、

今日から新しい学校に通う事になった。


新しい家族。

知らない道。

新しい家。

知らない街。

新しい、知らないで、溢れている。

変わらないのは、僕と空だけ。


今日が初登校となるはずなに、早速道に迷い手詰まり。

登校を諦めて、目的を散策に変える。


一応心配されると困るので、叔母さんに連絡しておく。

「学校には上手く言っとくから、存分に迷ってきなさい♪」

だとさ。


母親の血筋は、楽天家が多い。

ウチの母と叔母も例外に漏れない楽天家である。


「さて、どうするか」

とりあえず、目に入った公園で、休憩をしよう。


昼間と言うのに、閑散とした公園だ。

子供や、親の姿は無く遊具がたたずんでいるだけ。


近くのブランコに腰を降ろし、少し漕いでみる。

キー、キーという音が公園に漂う寂しさを強くする。


昔、よくあそんだよなぁ…

いつから、来なくなったんだろう公園。

ボーッと考えながら、ブランコを漕ぐ。


「お兄ちゃん、勝負しようよ♪」


急に隣から声がする。

見るといつの間にか、子供が隣に座っていた。


「ねぇ、くつ飛ばししよ♪くつ飛ばし♪」

どうせ、予定は無いし少し相手してあげよう。


「いいよ。どっちが先?」


「じゃー、僕から」

といいながら、靴を飛ばす。


ポーンという効果音がつきそうなかんじで、

山なりに飛んだくつは向いにあった滑り台の付近に落ちた。


ふっ所詮は子供。

いくらブランクがあるとはいえ、

「地対空靴射出機」

の異名を持つ僕に勝てるわけがない。

知らぬとはいえ、僕に挑むとは、

手加減はしないぜ!

立ち漕ぎから勢いを着けて、飛ばす。


・・・が、

力みすぎたのか靴は、垂直方向に・・・

瞬くエフェクトとキランという効果音が付く感じで空へ


「「・・・」」

子供と、僕はポカ~ンと口をあけて、靴を追う。


靴は、ブランコの柵の手前に落ちた。

無言・・・

立ち漕ぎから座り漕ぎになおした。


「・・・へっ下手だなぁー。僕の勝ちぃー♪もう一回しよ、もう一回」

そういうと、靴を飛ばす。


なんと、不甲斐無い。

しかし、次は勝つ!


と、その前に・・・

「ちょっとまって、靴とって…あれ?」


ブランコから、降りようとしたけど、降りれない。

手が鎖から離れない。


「ダメだよ、勝負の途中だよ。僕に勝つまで、駄目だよ」

と、子供の癖に嫌な笑いを浮かべる。


「?」

足が・・・増えている?

良く見ると、子供の体格に似つかわしくない長い足が一本。


まさかと思い、自分の足を見ると片足無くなってる。


「勝負に賭けは付き物、いうの忘れてたけど、負けたら足を貰うよー」

新しく手に入った僕の足をプラプラしながら、楽しそうにいう。


あぁ、またなのか・・・結局

昔から、いろいろと変な事に巻き込まれる事が多かった。

そういうのが嫌で、地元を離れたのに・・・


「はぁ・・・要するに勝てばいいんだね?」

騒いでも仕方ない諦めよう。


「あれ、驚かないの?」

「まぁ、色々あってね。慣れてるんだよ」


「まぁいいや、早く早く。お兄ちゃんの番だよ」

ニヤニヤしながら、急かしてくる。


「わかったよ。やればいいんだろ?」

力一杯漕ぐ。

ただし、さっきみたいなドジはしない。


そして、絶妙な角度で靴を飛ばす。


靴は勢い良く飛び出し、男の子の靴を越え、茂みに落ちた。


「ちぇっ、返してあげるよ」

「ぶべっ」

男の子は増えた僕の足を引きちぎり投げた。

足は僕の顔に当たった。

勝負が終わったので、ブランコから降りれるようになっていたようだ。

僕はそのまま頭から落ちてしまい

そして、気をうしなった。




「おーい、起きろ」

誰かの声で目を覚ました。


「いてて…」

目を開けると、そこには男の子は居なかった。


代わりに、変わらない空と僕を覗き込む見知らぬ女の子が居た。

そして、後頭部が凄く痛い・・・


「あっ足!僕の足」

体を起こし確認する。

特に異常は無かった。


「足がどうかしたか?」

女の子が尋ねる。


「い、いやなんでもない」

あんな変な事、言っても信じてもらえないし、

ブランコから落ちて気絶してたってだけでもどうかしている。


「それより、ウチの制服来てこんな所で何をしているんだ」

いや、言葉を返すようですが、あなたもなんですが。


「まぁいい。で、これはお前のか?」

片手に持った靴を、プラプラと揺らし僕に見せる。


「あぁ、僕の・・・」

「そうか・・・そい!」

答え終わる前に、見事なボディーをいただい。


・・・・・・


とりあえず、近くにあったベンチに場所を移し、

さっきの出来事以外を説明する。


「なるほど転校生か。で、道に迷って公園で一人寂しく靴飛ばしをしてたら、

ブランコから落ちて気絶したと?さらにその拍子にたまたま・・・靴がすっぽ抜けて、またまた・・・

たまたま通りかかった私に直撃したと」

女の子は、ニヤニヤした顔をして確認する。


顔はニヤけてはいるが目が笑ってない。


「恥ずかしながら・・・そして、ごめんなさい」

本当に恥ずかしい話だ。


「しかしよりによってココとはなぁ・・・

どうせ知らないだろうが、ついてない奴だな」

そういうと、彼女はこの公園にはいたずら好きな男の子の幽霊が

出るという噂をしてくれた。


「まぁ、お前がついてないのは、今に始まったわけじゃ無いだろうけどな」

そういうと、彼女は立ち上がる。


「なんで?」

以前の僕を知っているような言われようである。


「まぁ、きにするな」

そういうと、

と片手をあげ去っていく。


前にもこんな事があったような気がする。


「まぁ、いいか・・・つかれたし今日は帰ろう」

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